実母カレン(アネット・ベニング)とその娘エリザベス(ナオミ・ワッツ)の皮肉な人生。14歳のときカレンは、子供を生んだ。母の強い意見でその子を養子に出した。カレンはその子のことが、どうしても忘れられなかった。その老いた母親を看ながら看護師として生計を立てていた。
弁護士事務所の面接を受けているエリザベスは、ポール(サミュエル・L・ジャクソン)の質問「君の生い立ちを話してくれ」に答える。
「ここロサンゼルス生まれ。その日に養子に出されました。母は14歳で私を出産、実母のことは何も。10歳のとき養父が死亡養母とは疎遠。“エリザベス・ジョイス”は、中学のとき自分で選んだ名前。今では私の正式名です。17歳からずっと一人暮らし、結婚は一度も。今後もする気はありません。自立をもっとも大切と考え人生の目的に全力を注ぎます。つまり、自己を実現させること。それが望みです」
エリザベスは、独力で人生を切り開いてきた。ストレートな物言いや感情の激しさに同性から「怖い」と言わせる。特異な性格のエリザベスもポールとの肉体関係で子供を宿す。自身卵管狭窄で不妊のはずが妊娠してしまった。
この頃からエリザベスに気持ちの変化が現れる。母という立場から物事を見つめると実母の存在を身近なものにしたいという思いが強くなる。養子をテーマに皮肉なめぐり合わせを女の立場から輪廻のように描く。
監督・脚本ロドリゴ・ガルシア1959年8月コロンビア、ボゴタ生まれ。父は1982年ノーベル文学賞受賞のガブリエル・ガルシア=マルケス
キャスト
ナオミ・ワッツ1968年9月イギリス・ショアハム生まれ。
アネット・ベニング1959年5月カンザス州トペカ生まれ。’99「アメリカン・ビューティ」でアカデミー主演女優賞ノミネート。
サミュエル・L・ジャクソン1948年12月ワシントンDC生まれ。