先週の土曜日(1/14)浅草公会堂の「新春浅草歌舞伎」昼の部を観に行ってきました。
毎年1月に公演があるのは知っていましたが、特に行きたいと思ったことがなくて行かなかったのですが、今年はなんと!
愛之助さん伊佐衛門、壱太郎さんの夕霧で吉田屋があるということで、これは絶対行かないと!って思いました。
ちょうど一年前に、藤十郎さんと扇雀さんので観たときに、10年後ぐらいに愛之助さんと壱太郎さんで見てみたいなあと思った(と記事にも書きました)ところでした。
こんなに早くに実現するなんて!思ってみるもんですね。
会場の浅草公会堂はほんとに浅草寺の近く、商店街?の真ん中にあって、どこかの巡業の会場になるようなこじんまりとした素朴な雰囲気の劇場でした。
でもちゃんと花道があって、これはすごいと思いました。
最後列と花道脇にパイプ椅子がずらずらっと並んでいました。いつも追加されているのかしら?
11時開演。
1.お年玉 年始ご挨拶 市川亀治郎(約5分間)
裃姿の亀治郎さん、中央にお一人座ってご挨拶。
今年6月に猿之助襲名を控えた亀治郎さん。
もう10年くらい浅草歌舞伎に出演されていたが、亀次郎としては最後になります。
若手にバトンタッチするみたいなお話。
そして、平均年齢もぐっと下がったけれど、竹三郎さんで上がってしまいました。と笑い。
年始の挨拶は獅童さん、勘太郎さん、七之助さん、亀治郎さんで始めたことだが、最初はしどろもどろで、おしまいには何をしゃべっているのかよくわからなくなったそう。
しかし、今年初めての後輩はとても上手いということでした。
そして昼の部の演目の説明。八犬伝ですが、昔角川の映画のお話とは全く違います。なんとなく最後に8人そろって終わりです。
廓文章は上方の所作事ですね。という解説。
おしまいは「ずずずいっと~」というご挨拶でしたが、ますます猿之助さんにそっくりやなあと思った次第です。
2.南総里見八犬伝 2幕
発端 富山山中の場
浅黄幕で花道から所化さん二人「きいたか、きいたか。」と登場。
伏姫がどうして、八房という犬と一緒に山の中にこもっているかという説明。
今年は辰年だから、鳴神かというお笑いもあり。
さて、山の中。伏姫(春猿)は愛犬八房の執念により懐妊している。
自害しようとしているところに、ぱーんと銃声が。
里見家家臣の金碗大輔(男女蔵)が八房を撃ったつもりが、伏姫にもあたってしまった。
彼から里見家没落を聞いた伏姫はお家再興のために自らのお腹を裂いた、すると八つの光る玉が飛び出した。
春猿さん、きれいでした。お姫さまですね。
しかしまあ金碗大輔、なんで自分で撃っといて、お家が没落なんていうのかしら。
そうしないと八犬士が誕生しませんけどね。
黄緑の蛍光色の玉をお二人後見さんが飛ばしてました。
犬はどうしても狐に見えて仕方なかったです。はは。
序幕 大塚村庄屋蟇六内の場
八犬士の犬塚信乃(歌昇)と犬川荘助(薪車)は里見家再興を願い八犬士を探しているが、信乃は庄屋に隠棲、荘助は信乃の下僕に身をやつしている。庄屋の養女の浜路(壱太郎)は信乃と恋仲。しかしすでに父から代官に嫁入りするよう言われているし、信乃は宝刀村雨丸を持って御家再興のために出仕しなければならない。その様子を伺っていた左母二郎(亀鶴)は浜路に横恋慕しているが、仕返しに信乃の村雨丸を偽物に摩り替える。そこへ、祝言の手はずを整えた蟇六(亀治郎)と女房亀篠(竹三郎)が帰ってくる。
信乃と荘助が話しているところに、浜路登場。「どうして、ここにあんた(荘助)がいるの。邪魔なんだけど。」の壱太郎さんの目が良かったなあ。ほんと、好き、すき、スキ、のお芝居がお上手です。
蟇六と女房亀篠コンビ、最高でした。
花道から登場されたんですが、七三で「あけましておめでとうございます。」のご挨拶。
代官との縁談が決まってうれしい二人。
言うことを聞かない浜路にこれで自害するぞ!ほれ、さあ、という場面は、ほんとコントでした。
さっきまでの、浄瑠璃の信乃と浜路のラブシーンが吹っ飛んでしまいました。
おじいさんの亀治郎さんは初めて観たかも。うまかった。本当意地の悪~い役がお上手。
あ、じいさんばあさん、見たいかも。
なんの前触れもなく登場の左母二郎の鶴亀さん、コントと化している舞台で一人歌舞伎をしているみたいで。
かっこいいんだけど、やってることただのやきもちでしょ。これまた笑えます。
もっとコントしてたのが、代官の宮六(男女蔵)。お化粧もコント。
信乃の存在を知ってから、持参金を返せのだんまり。
4人揃ってのEXILEのchuchuトレインのダンスとか、おしまいの長崎くんち?みたいな龍踊りも面白かった。何なんですか。一体。面白かったけど。
二幕 円塚山の場
円塚山に籠でやってきた左母二郎と浜路。浜路はすりかえられた(左母二郎がすりかえた)村雨丸を信乃に渡すために左母二郎にだまされていた。
不審に思った浜路。浜路に迫る左母二郎。抵抗する浜路は左母二郎を斬ろうとすると、逆にやられてしまう。とどめを刺そうとしたそのとき、火が燃え盛るあなから犬山道節(亀治郎)が。左母二郎を斬った道節。実は彼は浜路の実の兄だった。実の兄の腕のなかで浜路は息絶える。
左母二郎の亀鶴さん、悪いです。浜路の帯を持ってうりゃうりゃ逃げるなよ、って。
でも、さあて、とどめだあってところに、火の中から道節が。あっけなくやられてしまいました。
目の前で妹が斬られてるのに何してたの?って感じです。
そしていきなり、兄妹の名乗りでしょ。すごい展開ですわ。
さっきコントの亀治郎さん、今度はすごみのある道節。知らない方だったら同じ役者さんってわからないかも。
もっとすごいのが、いきなり八犬士登場。
お人形さんがずらっと並んでるみたいでした。
犬飼現八(愛之助)がちょっとだけ台詞が多いだけで、あとの方は名乗りだけ。
見得はかっこよかったなあ。
個人的に毛野の衣装が好きです。かわいい着物で片方の肩を脱いで帷子?みたいなアミアミの格好。
このお役の米吉さん、初めて見たかも。
大好きな巳之助さんは大角で、山伏みたいな格好でちょっと地味。残念。
主人公(だと思う)信乃の肩脱ぎ後の朱色に考の刺繍のお衣装が一番目にいきました。
本当に、亀治郎さんのご挨拶の通り、なんとなく8人そろっておしまいでした。
八犬伝というより、亀治郎さんと竹三郎さんのコントを見に来たみたいでした。
こんなに大笑いするお話でしたっけ?八犬伝ってって。面白かったです。
3.廓文章 吉田屋
本命も本命、大本命。
このためにわざわざ浅草まで観に来たのです!
伊佐衛門に愛之助さん、夕霧に壱太郎さん、喜左衛門に竹三郎さん、おきさに春猿さん。
好きな役者さんだらけ。すごすぎ。
遊女夕霧に入揚げて7百貫の借金を背負って勘当された、藤屋の若旦那伊左衛門。
夕霧が病に臥せっていると聞いて、居てもたってもいられず、吉田屋へやって来る。
すると他の客の相手をしているので、すねたり、こたつにふて寝したり。
伊左衛門と夕霧がごちゃごちゃしゃべっていると、勘当が解かれて夕霧の身請け金も
届いた。ああめでたいな。
シャッと揚幕があく音と同時に「松嶋屋ぁ。」と。
そして、編み笠かぶった伊佐衛門がとぼとぼと。なんか、「うぅん?」と思ってしまいました。何か違う感じがして。何かわからないのですが。
若い衆にほうきで殴られそうになって、喜左衛門が、あ、若旦那。
そして編み笠とったら、ひょお~、美しい愛之助さんがっ!
でも台詞をしゃべられると、ちょっと世之介ちっくだったかなあ。すみません。
さっきのコントのおばあちゃんと同じ役者さんとは思えない竹三郎さん。
伊佐衛門を憐れむ様子がやっぱりいいなあ。
春猿さんの眉なしお歯黒初めて見たかも。上方の女房、意外にしっくりはまっていてびっくり。
上方チームの中に不自然なくなじんでたというか(えらそーですみません)。
特に、「おほっほっほっ。」が良かった。「ちっともおかしあらへん。」の伊佐衛門のやり取りが面白かったです。
夕霧は別のお座敷にいると聞いて、ふすまを何枚もばたんばたん開ける件。
竹本さんが愛之助さんを見ながら、ちろちろちろりろ…っと三味線弾かれてました。
そのときの愛之助さんのお尻がかわいいなあと。どこ見てるんでしょうか、すみません。
ふすまから懐紙で顔を隠して夕霧登場。
伊佐衛門の編笠といい、どうしてこんなにもったいぶるかなぁ。
そして、懐紙を懐になおした瞬間、ひやぁあ!なんとまあっ!
お衣装や重たそうな頭にも負けてない、壱太郎さんの美しさ。
先月、「めりいくりすます」のアップリケの前掛けしてた丁稚さんと、同一人物とは思えません!
そりゃあ、若いから綺麗ってのはありますが、それだけじゃない美しさがありました。
見返り美人みたいな、身体をくねらせて内掛け見せる格好があるじゃないですか(何ていうのかわからない)、うわぁっ、うぁわ、どうしようって思いました。
あんな、目つきを見たのは初めてです。
懐紙を触るしぐさが、いい意味でいやらしくて。
壱太郎さん好きとしては本当、初役の夕霧を観れて幸せな気分です。
竹本さんで伊佐衛門が、常磐津さんで夕霧がそれぞれじゃらじゃらじゃらと踊って、んもおどないやねん、というところで、なんと!
黄緑色の着物を着た、吉太朗くん登場。
手紙を持って、夕霧や伊佐衛門に見せたり、遊んだり。二人が持った間に入って破いたかと思うと、ほっかむりしたり。唄の歌詞がわかればもっと面白かったんでしょうが。
いじいじして、煮え切らない二人の仲を、取り持ってほんとに太鼓持ちでした。
しかし、まあ、踊りの上手さ、間の取り方、なんですか!凄すぎ。
愛之助さんと壱太郎さんがなんかおかずになってましたよ。
いや、わざとそうした踊りなんでしょうけど。
恥ずかしながら、一昨年の永楽館から気になった役者さんなのですが、観るたびにすごくなってるような気がします。いや、なってるんでしょう。
なぜか、伊佐衛門の勘当が解かれて、藤屋から夕霧の身請けのお金が届いて、いや、めでたいな。なんですが、そのときの吉太朗くんも二人のほうに扇子をあおいでいてかわいかった。
伊佐衛門と夕霧が背中合わせになるところ、この世のものとは思えぬ美しさでした。
いつもは後見さんとか三味線さんとか、セットがどーの、衣装がどーのって細かいところが気になるのですが、今回はずっと、
「きれーやなあ、ああ、キレイ。」
おしまいのほうは「吉太朗くんええわあ。」
そればっかりでした。
今年、関西のどこかの劇場で再演希望です。
早く、もう一回観たいです。
毎年1月に公演があるのは知っていましたが、特に行きたいと思ったことがなくて行かなかったのですが、今年はなんと!
愛之助さん伊佐衛門、壱太郎さんの夕霧で吉田屋があるということで、これは絶対行かないと!って思いました。
ちょうど一年前に、藤十郎さんと扇雀さんので観たときに、10年後ぐらいに愛之助さんと壱太郎さんで見てみたいなあと思った(と記事にも書きました)ところでした。
こんなに早くに実現するなんて!思ってみるもんですね。
会場の浅草公会堂はほんとに浅草寺の近く、商店街?の真ん中にあって、どこかの巡業の会場になるようなこじんまりとした素朴な雰囲気の劇場でした。
でもちゃんと花道があって、これはすごいと思いました。
最後列と花道脇にパイプ椅子がずらずらっと並んでいました。いつも追加されているのかしら?
11時開演。
1.お年玉 年始ご挨拶 市川亀治郎(約5分間)
裃姿の亀治郎さん、中央にお一人座ってご挨拶。
今年6月に猿之助襲名を控えた亀治郎さん。
もう10年くらい浅草歌舞伎に出演されていたが、亀次郎としては最後になります。
若手にバトンタッチするみたいなお話。
そして、平均年齢もぐっと下がったけれど、竹三郎さんで上がってしまいました。と笑い。
年始の挨拶は獅童さん、勘太郎さん、七之助さん、亀治郎さんで始めたことだが、最初はしどろもどろで、おしまいには何をしゃべっているのかよくわからなくなったそう。
しかし、今年初めての後輩はとても上手いということでした。
そして昼の部の演目の説明。八犬伝ですが、昔角川の映画のお話とは全く違います。なんとなく最後に8人そろって終わりです。
廓文章は上方の所作事ですね。という解説。
おしまいは「ずずずいっと~」というご挨拶でしたが、ますます猿之助さんにそっくりやなあと思った次第です。
2.南総里見八犬伝 2幕
発端 富山山中の場
浅黄幕で花道から所化さん二人「きいたか、きいたか。」と登場。
伏姫がどうして、八房という犬と一緒に山の中にこもっているかという説明。
今年は辰年だから、鳴神かというお笑いもあり。
さて、山の中。伏姫(春猿)は愛犬八房の執念により懐妊している。
自害しようとしているところに、ぱーんと銃声が。
里見家家臣の金碗大輔(男女蔵)が八房を撃ったつもりが、伏姫にもあたってしまった。
彼から里見家没落を聞いた伏姫はお家再興のために自らのお腹を裂いた、すると八つの光る玉が飛び出した。
春猿さん、きれいでした。お姫さまですね。
しかしまあ金碗大輔、なんで自分で撃っといて、お家が没落なんていうのかしら。
そうしないと八犬士が誕生しませんけどね。
黄緑の蛍光色の玉をお二人後見さんが飛ばしてました。
犬はどうしても狐に見えて仕方なかったです。はは。
序幕 大塚村庄屋蟇六内の場
八犬士の犬塚信乃(歌昇)と犬川荘助(薪車)は里見家再興を願い八犬士を探しているが、信乃は庄屋に隠棲、荘助は信乃の下僕に身をやつしている。庄屋の養女の浜路(壱太郎)は信乃と恋仲。しかしすでに父から代官に嫁入りするよう言われているし、信乃は宝刀村雨丸を持って御家再興のために出仕しなければならない。その様子を伺っていた左母二郎(亀鶴)は浜路に横恋慕しているが、仕返しに信乃の村雨丸を偽物に摩り替える。そこへ、祝言の手はずを整えた蟇六(亀治郎)と女房亀篠(竹三郎)が帰ってくる。
信乃と荘助が話しているところに、浜路登場。「どうして、ここにあんた(荘助)がいるの。邪魔なんだけど。」の壱太郎さんの目が良かったなあ。ほんと、好き、すき、スキ、のお芝居がお上手です。
蟇六と女房亀篠コンビ、最高でした。
花道から登場されたんですが、七三で「あけましておめでとうございます。」のご挨拶。
代官との縁談が決まってうれしい二人。
言うことを聞かない浜路にこれで自害するぞ!ほれ、さあ、という場面は、ほんとコントでした。
さっきまでの、浄瑠璃の信乃と浜路のラブシーンが吹っ飛んでしまいました。
おじいさんの亀治郎さんは初めて観たかも。うまかった。本当意地の悪~い役がお上手。
あ、じいさんばあさん、見たいかも。
なんの前触れもなく登場の左母二郎の鶴亀さん、コントと化している舞台で一人歌舞伎をしているみたいで。
かっこいいんだけど、やってることただのやきもちでしょ。これまた笑えます。
もっとコントしてたのが、代官の宮六(男女蔵)。お化粧もコント。
信乃の存在を知ってから、持参金を返せのだんまり。
4人揃ってのEXILEのchuchuトレインのダンスとか、おしまいの長崎くんち?みたいな龍踊りも面白かった。何なんですか。一体。面白かったけど。
二幕 円塚山の場
円塚山に籠でやってきた左母二郎と浜路。浜路はすりかえられた(左母二郎がすりかえた)村雨丸を信乃に渡すために左母二郎にだまされていた。
不審に思った浜路。浜路に迫る左母二郎。抵抗する浜路は左母二郎を斬ろうとすると、逆にやられてしまう。とどめを刺そうとしたそのとき、火が燃え盛るあなから犬山道節(亀治郎)が。左母二郎を斬った道節。実は彼は浜路の実の兄だった。実の兄の腕のなかで浜路は息絶える。
左母二郎の亀鶴さん、悪いです。浜路の帯を持ってうりゃうりゃ逃げるなよ、って。
でも、さあて、とどめだあってところに、火の中から道節が。あっけなくやられてしまいました。
目の前で妹が斬られてるのに何してたの?って感じです。
そしていきなり、兄妹の名乗りでしょ。すごい展開ですわ。
さっきコントの亀治郎さん、今度はすごみのある道節。知らない方だったら同じ役者さんってわからないかも。
もっとすごいのが、いきなり八犬士登場。
お人形さんがずらっと並んでるみたいでした。
犬飼現八(愛之助)がちょっとだけ台詞が多いだけで、あとの方は名乗りだけ。
見得はかっこよかったなあ。
個人的に毛野の衣装が好きです。かわいい着物で片方の肩を脱いで帷子?みたいなアミアミの格好。
このお役の米吉さん、初めて見たかも。
大好きな巳之助さんは大角で、山伏みたいな格好でちょっと地味。残念。
主人公(だと思う)信乃の肩脱ぎ後の朱色に考の刺繍のお衣装が一番目にいきました。
本当に、亀治郎さんのご挨拶の通り、なんとなく8人そろっておしまいでした。
八犬伝というより、亀治郎さんと竹三郎さんのコントを見に来たみたいでした。
こんなに大笑いするお話でしたっけ?八犬伝ってって。面白かったです。
3.廓文章 吉田屋
本命も本命、大本命。
このためにわざわざ浅草まで観に来たのです!
伊佐衛門に愛之助さん、夕霧に壱太郎さん、喜左衛門に竹三郎さん、おきさに春猿さん。
好きな役者さんだらけ。すごすぎ。
遊女夕霧に入揚げて7百貫の借金を背負って勘当された、藤屋の若旦那伊左衛門。
夕霧が病に臥せっていると聞いて、居てもたってもいられず、吉田屋へやって来る。
すると他の客の相手をしているので、すねたり、こたつにふて寝したり。
伊左衛門と夕霧がごちゃごちゃしゃべっていると、勘当が解かれて夕霧の身請け金も
届いた。ああめでたいな。
シャッと揚幕があく音と同時に「松嶋屋ぁ。」と。
そして、編み笠かぶった伊佐衛門がとぼとぼと。なんか、「うぅん?」と思ってしまいました。何か違う感じがして。何かわからないのですが。
若い衆にほうきで殴られそうになって、喜左衛門が、あ、若旦那。
そして編み笠とったら、ひょお~、美しい愛之助さんがっ!
でも台詞をしゃべられると、ちょっと世之介ちっくだったかなあ。すみません。
さっきのコントのおばあちゃんと同じ役者さんとは思えない竹三郎さん。
伊佐衛門を憐れむ様子がやっぱりいいなあ。
春猿さんの眉なしお歯黒初めて見たかも。上方の女房、意外にしっくりはまっていてびっくり。
上方チームの中に不自然なくなじんでたというか(えらそーですみません)。
特に、「おほっほっほっ。」が良かった。「ちっともおかしあらへん。」の伊佐衛門のやり取りが面白かったです。
夕霧は別のお座敷にいると聞いて、ふすまを何枚もばたんばたん開ける件。
竹本さんが愛之助さんを見ながら、ちろちろちろりろ…っと三味線弾かれてました。
そのときの愛之助さんのお尻がかわいいなあと。どこ見てるんでしょうか、すみません。
ふすまから懐紙で顔を隠して夕霧登場。
伊佐衛門の編笠といい、どうしてこんなにもったいぶるかなぁ。
そして、懐紙を懐になおした瞬間、ひやぁあ!なんとまあっ!
お衣装や重たそうな頭にも負けてない、壱太郎さんの美しさ。
先月、「めりいくりすます」のアップリケの前掛けしてた丁稚さんと、同一人物とは思えません!
そりゃあ、若いから綺麗ってのはありますが、それだけじゃない美しさがありました。
見返り美人みたいな、身体をくねらせて内掛け見せる格好があるじゃないですか(何ていうのかわからない)、うわぁっ、うぁわ、どうしようって思いました。
あんな、目つきを見たのは初めてです。
懐紙を触るしぐさが、いい意味でいやらしくて。
壱太郎さん好きとしては本当、初役の夕霧を観れて幸せな気分です。
竹本さんで伊佐衛門が、常磐津さんで夕霧がそれぞれじゃらじゃらじゃらと踊って、んもおどないやねん、というところで、なんと!
黄緑色の着物を着た、吉太朗くん登場。
手紙を持って、夕霧や伊佐衛門に見せたり、遊んだり。二人が持った間に入って破いたかと思うと、ほっかむりしたり。唄の歌詞がわかればもっと面白かったんでしょうが。
いじいじして、煮え切らない二人の仲を、取り持ってほんとに太鼓持ちでした。
しかし、まあ、踊りの上手さ、間の取り方、なんですか!凄すぎ。
愛之助さんと壱太郎さんがなんかおかずになってましたよ。
いや、わざとそうした踊りなんでしょうけど。
恥ずかしながら、一昨年の永楽館から気になった役者さんなのですが、観るたびにすごくなってるような気がします。いや、なってるんでしょう。
なぜか、伊佐衛門の勘当が解かれて、藤屋から夕霧の身請けのお金が届いて、いや、めでたいな。なんですが、そのときの吉太朗くんも二人のほうに扇子をあおいでいてかわいかった。
伊佐衛門と夕霧が背中合わせになるところ、この世のものとは思えぬ美しさでした。
いつもは後見さんとか三味線さんとか、セットがどーの、衣装がどーのって細かいところが気になるのですが、今回はずっと、
「きれーやなあ、ああ、キレイ。」
おしまいのほうは「吉太朗くんええわあ。」
そればっかりでした。
今年、関西のどこかの劇場で再演希望です。
早く、もう一回観たいです。
むくさんの感想&コメントはいつも凄いです
前日にご覧になられたんですね。
ということは、ご挨拶は壱太郎さんか巳之助さんだったんですよね。
どんなご挨拶だったんでしょう。
いいなあ~。