去る11/2、明治座十一月花形歌舞伎昼の部を観にいってきました。
今回は花道ブロックの前方。丁度七三の正面。テンション高すぎました。
1.鳴神 1幕
鳴神上人 右近
雲の絶間姫 笑也
所化白雲坊 猿三郎
同 黒雲坊 門松
前回観にいったときは途中寝てしまって、ちょっと何がなんだか理解できていないところがあったのですが、いやあ、こんなにエッチだったとは!
所化のお二人が花道から「聞いたか~、聞いたか。」と登場。またぐらで温めたお酒だの蛸だのお話。
そしてしばらくすると、花道からカネを鳴らしながら雲の絶間姫登場。笑也さん、なんじゃこりゃ。というくらい、かわいいというか、美しいというか。もう、何これ?というくらい。かわいいお衣装もお似合い。ずっと七三で鳴神上人さんとやり取りしていて、合引に座られるもんだから、ず~~~っと、笑也さんばっかり見とれてました。声も澄んでいるので台詞もかわかりやすくて。50歳超えてらっしゃるんですよねえ。奇跡だと思います。
本舞台に行って、女人禁制で上人さんところでは話せないということで、所化二人に亡き夫の馴れ初めを話す絶間姫。川を渡ってのところで、そんなに裾を上げてはりませんでした。このほうが想像力をかきたてられるかなと思いました。
こんなに美しかったら上人も気絶するわな、と納得してしまいました。
だんだん庵から前のめりになってくる右近さんの上人も良かったなあ。見てるこっちがそんな気分になってきてましたもん。
さて、本編はここからで。
口移しで水を飲ませたお姫様。いやん、えっち。
そんなこんなで、上人の弟子になると絶間姫。所化二人は剃髪用具を取りに退場。
さて二人っきりになると絶間姫、癪がおきた、お腹をさすれと上人に。
胸元に手をやる上人。右近さんの顔がえっちでねえ。なんなんでしょうねえ。
「おおおおっ!ふたつの取っ手があ!」「それは乳でございます。」
と、また喜んでお腹をさすろうと胸元に手をやる上人。さらにえっち。
乳で、その下は何とかで、癪を起こしたお腹をさすって、それでさらに進んで、「ごくらくじょーどぉ!(極楽浄土)」と叫ばれたときにはこっちが恥ずかしかったです。笑也さんがもうなんとも言えない表情で。
なんなん。これは!
夫婦になるしかないと杯を交わして、庵でべっといん!
上人が寝入った隙に縄を切る絶間姫。滝つぼから龍がどろんどろんどろんと。立派な龍でした。こうでなくっちゃ。
雷鳴がとどろき、大雨が。役目を終えた絶間姫は花道を引っ込んでいくのでした。
あとは、怒り狂った上人の大立ち回り。ぶっかえりで炎の衣装になって、柱巻きの見得だのいろいろあって、15人くらいの所化さんと立ち回り。円陣?の上に乗ったり、崖の上からトンボきる所化さんとか。おもだかやって感じで迫力満点。飛び六法で引っ込んでいかれました。ものすごい汗で大迫力でした。
いやあ、こんなに綺麗なお姫様見たの初めてかも。笑也さん満喫しました。はあ、よかったなあ。
2.瞼の母 2幕5場
番場の忠太郎 獅童
金町の半次郎 松也
お登世 春猿
半次郎妹おぬい 新悟
板前善三郎 猿三郎
金五郎 猿弥
半次郎母おむら 右之助
水熊のおはま 秀太郎
今回の大本命がこの作品。獅童さん絶対上手いやろうなと楽しみにしていました。
予想以上に良かったです。
9歳のときに別れた母を探して股旅の忠太郎。弟分の身代わりにならず者を斬り、弟分を堅気にさせ、追われる身となりながら、江戸で料亭の女将となっている母を探し出し、対面するが認められず、そのまま去る忠太郎。
中村錦之介さんの映画で有名ですが、未見で、今回初めて。長谷川伸作品ってなんかこうどこまでも不運で可哀想というイメージがあったのですが、これはそうでもなかったんですね。
弟分の松也さん、かっこいいし、台詞は良く通るし上手かった。映像の時代劇に出演されれば良いのにと思ってしまいました。
先月の松竹座公演ですっかりお気に入りな新悟さん。貧乏な村娘だったのですが、けなげな娘がまた上手い。声も良く通るし、すばらしい。裾が短くて足首が見えたのですが細い細い。びっくり。
先月は背の低い愛之助さん相手だったので、ものすごく膝を曲げてはったのですが、今月も角度は緩め(松也さんが背が少しあるので)でしたが、でも立ってる間ずっと曲げていて、それで上半身はまっすぐで。すごかったのが、家の中に入るとき、膝を曲げたまま走っていって、頭がぶつからないように入って行かれたんです。後々膝とか腰とか大丈夫なのかしらん。
松也さんの母の右之助さんがまた良かったです。これまでも拝見したことはあるのかと思いますが、忠太郎の手をとって筆を動かす件とか、息子想いの台詞が胸を打ちました。
水熊でのおはまと忠太郎の対面の場は正直泣けてきました。
とにかくずっとおっかさんに会いたくてたまらなかったと忠太郎。息子だと気づいたけれど堅気でないから正直な気持ちになれないおはま。
「上の瞼と下の瞼を閉じればおっかあの顔が浮かんでくる。」忠太郎の台詞はもうあきません。うるうるうるうる。
帰りがけの忠太郎とすれ違った妹お登世の春猿さん。
「あの人はだあれ、おっかさんと顔が似てたけど。前におっかさんが話していた忠太郎兄さんじゃないの。どうして追い返したの?店の半分を譲ったっていい。私は生まれたときからずっとおっかさんの側にいた。兄さんは違う。」もうこの台詞で目頭が熱くなりました。こんなに性格の良くてかわいい春猿さんも久しぶりというより、初めてかも。ちょっと新派ちっくやなあと思いましたが、私の涙腺を刺激するには良かったのかも。
秀太郎さん、9月の不知火検校での金のためなら娘も売ってしまうという悪女も見事でしたが、今月は正反対、娘を守るために目の前の息子に正直になれず嘘をついてしまうおはま。ちょっと意地悪い感じが本当に上手い役者さんやと思います。
おはまとお登世が忠太郎の後を追って探しに来ても「あってやるもんか。上の瞼と下の瞼を閉じれば…」でまたウルウル。おはまが忠太郎に会いたいと思っていても、もう忠太郎にはその心がなくなったのか、おっかあと妹のためにその場を去ろうと思ったのか。
本当、歌舞伎じゃない獅童さんが大好きです(←ものすごく褒めてます)。毎回感動させていただいて感謝でございます。
3.供奴
奴松平 松也
桜咲く吉原で主人とはぐれてしまった奴、松平が提灯を持って花道からやってきて踊りだす。
見得もタップダンス風な振りも、なんとなくこなれてない感がありました。
ごめんなさいです。
今回は花道ブロックの前方。丁度七三の正面。テンション高すぎました。
1.鳴神 1幕
鳴神上人 右近
雲の絶間姫 笑也
所化白雲坊 猿三郎
同 黒雲坊 門松
前回観にいったときは途中寝てしまって、ちょっと何がなんだか理解できていないところがあったのですが、いやあ、こんなにエッチだったとは!
所化のお二人が花道から「聞いたか~、聞いたか。」と登場。またぐらで温めたお酒だの蛸だのお話。
そしてしばらくすると、花道からカネを鳴らしながら雲の絶間姫登場。笑也さん、なんじゃこりゃ。というくらい、かわいいというか、美しいというか。もう、何これ?というくらい。かわいいお衣装もお似合い。ずっと七三で鳴神上人さんとやり取りしていて、合引に座られるもんだから、ず~~~っと、笑也さんばっかり見とれてました。声も澄んでいるので台詞もかわかりやすくて。50歳超えてらっしゃるんですよねえ。奇跡だと思います。
本舞台に行って、女人禁制で上人さんところでは話せないということで、所化二人に亡き夫の馴れ初めを話す絶間姫。川を渡ってのところで、そんなに裾を上げてはりませんでした。このほうが想像力をかきたてられるかなと思いました。
こんなに美しかったら上人も気絶するわな、と納得してしまいました。
だんだん庵から前のめりになってくる右近さんの上人も良かったなあ。見てるこっちがそんな気分になってきてましたもん。
さて、本編はここからで。
口移しで水を飲ませたお姫様。いやん、えっち。
そんなこんなで、上人の弟子になると絶間姫。所化二人は剃髪用具を取りに退場。
さて二人っきりになると絶間姫、癪がおきた、お腹をさすれと上人に。
胸元に手をやる上人。右近さんの顔がえっちでねえ。なんなんでしょうねえ。
「おおおおっ!ふたつの取っ手があ!」「それは乳でございます。」
と、また喜んでお腹をさすろうと胸元に手をやる上人。さらにえっち。
乳で、その下は何とかで、癪を起こしたお腹をさすって、それでさらに進んで、「ごくらくじょーどぉ!(極楽浄土)」と叫ばれたときにはこっちが恥ずかしかったです。笑也さんがもうなんとも言えない表情で。
なんなん。これは!
夫婦になるしかないと杯を交わして、庵でべっといん!
上人が寝入った隙に縄を切る絶間姫。滝つぼから龍がどろんどろんどろんと。立派な龍でした。こうでなくっちゃ。
雷鳴がとどろき、大雨が。役目を終えた絶間姫は花道を引っ込んでいくのでした。
あとは、怒り狂った上人の大立ち回り。ぶっかえりで炎の衣装になって、柱巻きの見得だのいろいろあって、15人くらいの所化さんと立ち回り。円陣?の上に乗ったり、崖の上からトンボきる所化さんとか。おもだかやって感じで迫力満点。飛び六法で引っ込んでいかれました。ものすごい汗で大迫力でした。
いやあ、こんなに綺麗なお姫様見たの初めてかも。笑也さん満喫しました。はあ、よかったなあ。
2.瞼の母 2幕5場
番場の忠太郎 獅童
金町の半次郎 松也
お登世 春猿
半次郎妹おぬい 新悟
板前善三郎 猿三郎
金五郎 猿弥
半次郎母おむら 右之助
水熊のおはま 秀太郎
今回の大本命がこの作品。獅童さん絶対上手いやろうなと楽しみにしていました。
予想以上に良かったです。
9歳のときに別れた母を探して股旅の忠太郎。弟分の身代わりにならず者を斬り、弟分を堅気にさせ、追われる身となりながら、江戸で料亭の女将となっている母を探し出し、対面するが認められず、そのまま去る忠太郎。
中村錦之介さんの映画で有名ですが、未見で、今回初めて。長谷川伸作品ってなんかこうどこまでも不運で可哀想というイメージがあったのですが、これはそうでもなかったんですね。
弟分の松也さん、かっこいいし、台詞は良く通るし上手かった。映像の時代劇に出演されれば良いのにと思ってしまいました。
先月の松竹座公演ですっかりお気に入りな新悟さん。貧乏な村娘だったのですが、けなげな娘がまた上手い。声も良く通るし、すばらしい。裾が短くて足首が見えたのですが細い細い。びっくり。
先月は背の低い愛之助さん相手だったので、ものすごく膝を曲げてはったのですが、今月も角度は緩め(松也さんが背が少しあるので)でしたが、でも立ってる間ずっと曲げていて、それで上半身はまっすぐで。すごかったのが、家の中に入るとき、膝を曲げたまま走っていって、頭がぶつからないように入って行かれたんです。後々膝とか腰とか大丈夫なのかしらん。
松也さんの母の右之助さんがまた良かったです。これまでも拝見したことはあるのかと思いますが、忠太郎の手をとって筆を動かす件とか、息子想いの台詞が胸を打ちました。
水熊でのおはまと忠太郎の対面の場は正直泣けてきました。
とにかくずっとおっかさんに会いたくてたまらなかったと忠太郎。息子だと気づいたけれど堅気でないから正直な気持ちになれないおはま。
「上の瞼と下の瞼を閉じればおっかあの顔が浮かんでくる。」忠太郎の台詞はもうあきません。うるうるうるうる。
帰りがけの忠太郎とすれ違った妹お登世の春猿さん。
「あの人はだあれ、おっかさんと顔が似てたけど。前におっかさんが話していた忠太郎兄さんじゃないの。どうして追い返したの?店の半分を譲ったっていい。私は生まれたときからずっとおっかさんの側にいた。兄さんは違う。」もうこの台詞で目頭が熱くなりました。こんなに性格の良くてかわいい春猿さんも久しぶりというより、初めてかも。ちょっと新派ちっくやなあと思いましたが、私の涙腺を刺激するには良かったのかも。
秀太郎さん、9月の不知火検校での金のためなら娘も売ってしまうという悪女も見事でしたが、今月は正反対、娘を守るために目の前の息子に正直になれず嘘をついてしまうおはま。ちょっと意地悪い感じが本当に上手い役者さんやと思います。
おはまとお登世が忠太郎の後を追って探しに来ても「あってやるもんか。上の瞼と下の瞼を閉じれば…」でまたウルウル。おはまが忠太郎に会いたいと思っていても、もう忠太郎にはその心がなくなったのか、おっかあと妹のためにその場を去ろうと思ったのか。
本当、歌舞伎じゃない獅童さんが大好きです(←ものすごく褒めてます)。毎回感動させていただいて感謝でございます。
3.供奴
奴松平 松也
桜咲く吉原で主人とはぐれてしまった奴、松平が提灯を持って花道からやってきて踊りだす。
見得もタップダンス風な振りも、なんとなくこなれてない感がありました。
ごめんなさいです。