天下御免のすっとこどっこい

自分が読み返して「楽しかった」と思えることを書き綴っています。

2/19 国立文楽劇場「前進座特別公演」

2012年02月19日 | 舞台(歌舞伎以外)
今日(2/19)国立文楽劇場「前進座特別公演」に行ってきました。



たまたま、駅のポスターで「唐茄子屋」が上演されるとあって、この演目目当てで行こうと決めたのですが、文楽劇場のHPにも前進座のHPにもチケット購入について何も案内がありませんでした。
それで両方に電話で問い合わせると、「詳しくは文楽劇場さん、前進座さんにきいてください。」とそれぞれの返事。もう、大丈夫かいなと心配で心配で。
いろいろ聞いていくと結局、文楽劇場では窓口販売のみで、取り扱い枚数が少ないので前進座で購入がお勧めとのこと。
チケット発売日に前進座大阪営業所さんに電話すると、まず「何でお知りになりましたか?昨日の新聞広告ですか?」と質問から始まり、いろいろ会話。なんかこうほのぼの雰囲気やけど大丈夫なん?とまた心配になりましたが、
席はとちりの真ん中通路側を用意していただき、さらに、9,500円もするのにチケットと同封の振り替え用紙で後払い。
なんとまあ、親切というかほのぼのしていて、これはお芝居もこんな感じかなあと楽しみにしておりました。

■□■

1.毛抜 1幕

あらすじは割愛します。

松竹歌舞伎じゃない前進座の歌舞伎、とっても新鮮でした。
歌舞伎も演目もあらすじも知ってる、でも俳優さん一人も知らない。こんな体験初めてで。
贔屓目なしでじっくり観劇できました。
初めて純粋に歌舞伎を楽しめたような気がします。

粂寺弾正の嵐圭史さん、お顔ちっちゃい方でした。でもお芝居は大きくて、弾正のコミカルでちょっとエッチなところがすごく上手いなあと思いました。
何回か毛抜は見ていますが、毛抜でヒゲを抜く件、この方のが一番好きかもしれません。
いちばん良かったのが、幕外での引っ込みで、「こんな大きなお役をいただいて。」の後、何回も七三をこうでもない、ああでもないと行ったり来たり。面白かった~。

後でパンフレットを見てわかったんですが、腰元さんは女優さんがされてたそうです。
どおりでキレイなあと思いました。
しかし、巻絹と錦ノ前は女形さんでした。

客席の雰囲気もまったく違いました。
小原の万兵衛や玄蕃がやっつけられたあと、消し毛氈で退場するときなぜか客席から笑いが。
なんでここで笑いが。ちょっと不思議な気分でした。
それから、いろいろ登場人物が出てくるごとに掛け声があるのですが、ほとんどない。
決め台詞や動作で拍手のはずが、ない。
ほんと不思議な体験でした。

2.口上

前進座代表の中村梅之助さんはじめ、おそらく幹部の方たちによる、創立80周年の口上がありました。
遠山の金さんや伝七捕物帳でしか知らない梅之助さん。もう80歳を超えてらっしゃるのに創立からこれまでの前進座の歴史について笑いも交えてかくしゃくとお話されました。
私はもともと歌舞伎役者さんたちが離れて作られた劇団で、梅之助さんが代表としか知らなかったのですが、今回のご挨拶でもう少しわかったような気がしました。
今回は大名跡である嵐芳三郎襲名披露も兼ねた公演だったそうです。
今後は第三世代が中心となってますます発展していくとのことでした。

おしまいは「よよよい」の一本締めでと江戸の一本締めでおわりました。


3.唐茄子屋 1幕6場

道楽の末、勘当された糸問屋の若旦那徳三郎。身投げしようとするところ伯父の六兵衛に助けられる。徳三郎の性根をたたきなおすため、六兵衛は唐茄子を天秤ごと買い、徳三郎に売りにやらせる。
困り果てた徳三郎。ある貧乏長屋にたどりつき、慣れない天秤ごとこけてしまい、通りかかた大工に拾われる。伯父に唐茄子を全部売らなければ食べられないという徳三郎の話に大工は長屋の連中に唐茄子を買わせる、。その長屋の一人の住人後家のおたねの家で弁当を食べようとした徳三郎。おたねのあまりに困窮した生活ぶりを憐れみ、弁当と売り上げをすべて渡してしまう。感謝するおたね。しかしすぐさま大家が現れ、その金を店賃として取り上げてしまう。
天秤を空にした徳三郎。伯父の家に戻るが、売り上げがないので伯父は疑い、二人で貧乏長屋に。するとおたねは首を吊かけ、長屋連中に介抱されていた。
徳三郎を信じた伯父の六兵衛は家に戻してやるというが、徳三郎はそのまましばらく唐茄子売りを続けるという。

落語の「唐茄子屋政談」が原作の人情劇でした。

徳三郎役の嵐芳三郎さんと六兵衛の村田吉次郎さん、伯母のいまむらいづみさん、大工の藤川矢之輔さんがよかったです。
特に前半、徳三郎と六兵衛と伯母さんの三人の会話がとてもテンポがよくて、ぐいぐい引き込まれました。
嵐芳三郎さん、なよなよっとした若旦那がお似合いのようでした。
白塗りでキレイでした。上方のつっころばしのお役とか似合いそう。

出てくる人物、大家以外すべて善い人だらけでほのぼのっとしたお話でした。

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