去る3/15、南座へ三月花形歌舞伎夜の部を観てきました。
今回は1階後部中央。初めて座ったのですが、結構よく見えるもんですね。
1.御摂勧進帳(ごひいきかんじんちょう)2幕
第一幕 暫 山城国石清水八幡宮の場
熊井太郎…松緑
稲毛入道…権十郎
鷲尾三郎…亀寿
下河辺行平…巳之助
川越太郎…松之助
岩手姫…廣松
村雨姫…新悟
音羽丸…松也
女鯰若菜…萬次郎
是明君…彦三郎
女暫の男版と思いながら観てました(いえいえ、これ逆)。
男だけあって、花道で座ってはるときは迫力満点。合引をずっと後見さんが支えてはりました。
お茶?お冷?を別の後見さんが持ってきて、両手の凧みたいなのをガバっと開けるときも後見さんが手伝ってはりましたね。この凧みたいなのは松緑さんのところの紋でした(多分)。
大薩摩さんの肩衣の紋がやっぱり三升。
ずっと巳之助さんと新悟さんが舞台にいて美男美女で綺麗でした。
廣松さんは初めて拝見。女形さんなんですね。
最初上手にいたときは左側に手を上げていて、後で下手に移動したら手が右側に。知らなかった。
意外な前髪の松也さん。迫力あったなあ(苦笑)。
女鯰若菜が萬次郎さんというのもなんか意外。女暫では菊之助さんや七之助さんだったもんで。
花道の熊井太郎に「橘屋のねえさん」と言われてたなあ。
印象的だったのが4人のお公家さん。「ふなっしー」だの「おもてなし」だの寒いギャグ満載。客席が凍っていました。
おしまいには巳之助さんと廣松さんが南座初お目見え、ああめでたいと松緑さんの手締めがありました。
巳之助さんすごく観ている感じがしたのは、松竹座や私が東京に観に行ったときに出てはることが多いからだったんですね。
第二幕 芋洗い勧進帳 加賀国安宅の関の場
武蔵坊弁慶…松緑
富樫左衛門…亀三郎
源義経…梅枝
常陸坊海尊…松之助
山城四郎…廣松
駿河次郎…竹松
鷲尾三郎…亀寿
斎藤次祐家…團蔵
上手の御簾から一瞬勧進帳が聴こえたような気がしたのですが、気のせいかしらんと思いながら、勧進帳なのに舞台が荒事ちっく。
鳥屋口から弁慶以外の義経一行が花道七三で、さて安宅の関ですがどう越えましょうみたいな台詞。
義経もべらべら話すので、ものすごくわかりやすいなと思いました。
鷲尾三郎の亀寿さん、もしかして初めて拝見かも。亀三郎さんよりさらに爽やかな口跡でいいですねえ。
義経一行が捕まりそうなところ、真っ赤いでたちの弁慶が花道から登場。
隈取もあるし、荒事ちっく。
やっとここで、富樫の亀三郎さん登場。なんと良いお声なんでしょう。
聞きほれている間にまた引っ込んでいかれました。出番短すぎ。普通の勧進帳で山伏問答が観てみたいものです。
富樫が通行許可しているのに斎藤次祐家は弁慶を捕らえて木に縛り付ける。義経一行が関を越えたとわかると、実はわしは弁慶じゃあと大暴れ。
番卒たちの首を次々はねる。その首を斎藤次祐家たちがバスケットボールのように舞台中央の桶に放り込んでいく。
おしまいには弁慶が桶の首を芋を洗うようにかき混ぜていくのであった。
わかりやすくて面白かったのですが、どうも。
というのも、暫も勧進帳も主人公の松緑さんの台詞の発声と間がものすごく悪かったのです。荒事ではなかったですがこれまで観てきてそんな風に思ったことなかったのですが。お身体の調子でも悪いのでしょうか?
2.京鹿子娘道成寺 道行より鐘入りまで
白拍子花子…菊之助
所化…松也、巳之助、竹松、新悟、廣松
さてさてお待ちかねの本命の菊之助さんの娘道成寺です。藤十郎さん(当時鴈治郎)のと、富十郎さんのしか観たことがなく、約20年ぶり。
最近お能の道成寺を観たばかりですので、もう本当に楽しみにしていました。
所化さんたちが「聞いたか~聞いたかぁ」と状況説明。これから桜の下、般若湯や天蓋で楽しもうというところ、花道から黒地に桜の刺繍(だったと思う)の美しい白拍子が登場。「是非中に入れて欲しいので候。」「女人禁制だから入れないので候。」みたいな問答があり、お能だからやっぱり候なのかあと思いました。
いつのまにやら、舞台中央上手よりに座ってはった浄瑠璃さんが横にスライドして退場(いつも笑ってしまう)、そしてぶわっと長唄さんたちが舞台に。
なんと杵屋東成さんに禄丈さん、三味線には禄山さんもいてはる。きゃぁ~。禄山さんがスッキリして男前さんになってはる。
鳴物は笛二人、鼓三人、大革に太鼓。豪華じゃないですかぁ。
菊之助さんは黒→赤→引き抜きで鴇色→引っ込んで肩脱ぎで薄い緑→引っ込んで藤色→引っ込んで黄色っぽい袖に大きな柄→引っ込んで紫の着物に黄色の帯→引き抜きで白い着物、帯も黒に。鐘に上って肩脱ぎで鱗模様。
三味線「ちりりん、ちりりん…」にあわせて鞠つきの振りがすごかったなあ。
手ぬぐいを持った踊りではゆっくりした曲調で眠たくなりそうと思ったところ、長唄さんのそれぞれのソロパートがあり、気がついたら禄丈さんであわわわわ。と。
銀色の音のなる何か(名前がわからない)を手にして踊るところは、三味線の主旋律が一人、四人は伴奏っぽく、それに三人の鼓の掛け合い。踊りも激しく、もう大変(私も)。
所化さんたちが祈っても蛇の亡霊の威力はつよく、脚をあげてひっくりかえってしまう。
髪の毛振り乱す清姫の亡霊。
お気に入りの役者さんにお気に入りの長唄さん、今回は踊りは観たいは、長唄さんも気になるはで、とっても大変興奮した道成寺でした。
今回は1階後部中央。初めて座ったのですが、結構よく見えるもんですね。
1.御摂勧進帳(ごひいきかんじんちょう)2幕
第一幕 暫 山城国石清水八幡宮の場
熊井太郎…松緑
稲毛入道…権十郎
鷲尾三郎…亀寿
下河辺行平…巳之助
川越太郎…松之助
岩手姫…廣松
村雨姫…新悟
音羽丸…松也
女鯰若菜…萬次郎
是明君…彦三郎
女暫の男版と思いながら観てました(いえいえ、これ逆)。
男だけあって、花道で座ってはるときは迫力満点。合引をずっと後見さんが支えてはりました。
お茶?お冷?を別の後見さんが持ってきて、両手の凧みたいなのをガバっと開けるときも後見さんが手伝ってはりましたね。この凧みたいなのは松緑さんのところの紋でした(多分)。
大薩摩さんの肩衣の紋がやっぱり三升。
ずっと巳之助さんと新悟さんが舞台にいて美男美女で綺麗でした。
廣松さんは初めて拝見。女形さんなんですね。
最初上手にいたときは左側に手を上げていて、後で下手に移動したら手が右側に。知らなかった。
意外な前髪の松也さん。迫力あったなあ(苦笑)。
女鯰若菜が萬次郎さんというのもなんか意外。女暫では菊之助さんや七之助さんだったもんで。
花道の熊井太郎に「橘屋のねえさん」と言われてたなあ。
印象的だったのが4人のお公家さん。「ふなっしー」だの「おもてなし」だの寒いギャグ満載。客席が凍っていました。
おしまいには巳之助さんと廣松さんが南座初お目見え、ああめでたいと松緑さんの手締めがありました。
巳之助さんすごく観ている感じがしたのは、松竹座や私が東京に観に行ったときに出てはることが多いからだったんですね。
第二幕 芋洗い勧進帳 加賀国安宅の関の場
武蔵坊弁慶…松緑
富樫左衛門…亀三郎
源義経…梅枝
常陸坊海尊…松之助
山城四郎…廣松
駿河次郎…竹松
鷲尾三郎…亀寿
斎藤次祐家…團蔵
上手の御簾から一瞬勧進帳が聴こえたような気がしたのですが、気のせいかしらんと思いながら、勧進帳なのに舞台が荒事ちっく。
鳥屋口から弁慶以外の義経一行が花道七三で、さて安宅の関ですがどう越えましょうみたいな台詞。
義経もべらべら話すので、ものすごくわかりやすいなと思いました。
鷲尾三郎の亀寿さん、もしかして初めて拝見かも。亀三郎さんよりさらに爽やかな口跡でいいですねえ。
義経一行が捕まりそうなところ、真っ赤いでたちの弁慶が花道から登場。
隈取もあるし、荒事ちっく。
やっとここで、富樫の亀三郎さん登場。なんと良いお声なんでしょう。
聞きほれている間にまた引っ込んでいかれました。出番短すぎ。普通の勧進帳で山伏問答が観てみたいものです。
富樫が通行許可しているのに斎藤次祐家は弁慶を捕らえて木に縛り付ける。義経一行が関を越えたとわかると、実はわしは弁慶じゃあと大暴れ。
番卒たちの首を次々はねる。その首を斎藤次祐家たちがバスケットボールのように舞台中央の桶に放り込んでいく。
おしまいには弁慶が桶の首を芋を洗うようにかき混ぜていくのであった。
わかりやすくて面白かったのですが、どうも。
というのも、暫も勧進帳も主人公の松緑さんの台詞の発声と間がものすごく悪かったのです。荒事ではなかったですがこれまで観てきてそんな風に思ったことなかったのですが。お身体の調子でも悪いのでしょうか?
2.京鹿子娘道成寺 道行より鐘入りまで
白拍子花子…菊之助
所化…松也、巳之助、竹松、新悟、廣松
さてさてお待ちかねの本命の菊之助さんの娘道成寺です。藤十郎さん(当時鴈治郎)のと、富十郎さんのしか観たことがなく、約20年ぶり。
最近お能の道成寺を観たばかりですので、もう本当に楽しみにしていました。
所化さんたちが「聞いたか~聞いたかぁ」と状況説明。これから桜の下、般若湯や天蓋で楽しもうというところ、花道から黒地に桜の刺繍(だったと思う)の美しい白拍子が登場。「是非中に入れて欲しいので候。」「女人禁制だから入れないので候。」みたいな問答があり、お能だからやっぱり候なのかあと思いました。
いつのまにやら、舞台中央上手よりに座ってはった浄瑠璃さんが横にスライドして退場(いつも笑ってしまう)、そしてぶわっと長唄さんたちが舞台に。
なんと杵屋東成さんに禄丈さん、三味線には禄山さんもいてはる。きゃぁ~。禄山さんがスッキリして男前さんになってはる。
鳴物は笛二人、鼓三人、大革に太鼓。豪華じゃないですかぁ。
菊之助さんは黒→赤→引き抜きで鴇色→引っ込んで肩脱ぎで薄い緑→引っ込んで藤色→引っ込んで黄色っぽい袖に大きな柄→引っ込んで紫の着物に黄色の帯→引き抜きで白い着物、帯も黒に。鐘に上って肩脱ぎで鱗模様。
三味線「ちりりん、ちりりん…」にあわせて鞠つきの振りがすごかったなあ。
手ぬぐいを持った踊りではゆっくりした曲調で眠たくなりそうと思ったところ、長唄さんのそれぞれのソロパートがあり、気がついたら禄丈さんであわわわわ。と。
銀色の音のなる何か(名前がわからない)を手にして踊るところは、三味線の主旋律が一人、四人は伴奏っぽく、それに三人の鼓の掛け合い。踊りも激しく、もう大変(私も)。
所化さんたちが祈っても蛇の亡霊の威力はつよく、脚をあげてひっくりかえってしまう。
髪の毛振り乱す清姫の亡霊。
お気に入りの役者さんにお気に入りの長唄さん、今回は踊りは観たいは、長唄さんも気になるはで、とっても大変興奮した道成寺でした。