歯にしみる 酸きをたへつつ いちご噛む 夢詩香
*今日は俳句です。今週は一首だけ歌が詠めたのですがね、こっちのほうが良い感じがしたので、これを取り上げました。
古語では、「しみる」は「しむる」ですが、この場合「しみる」のほうが感覚的に痛い気がして、「しみる」にしました。
先日、息子がいちごを買ってきて、少しわたしに分けてくれたのですが、その赤いみごとないちごを噛むと、とてもすっぱくて、歯にしみてくる。その痛みを感じながら、自分の罪を認めて受け入れるというのは、こんな感じなのだろうかと思いました。
いちごやりんごなどの赤い実は、罪の隠喩でもあります。
自分のまいた種が育って、大きな実がなり、それを自分で食わねばならない。それはあまりに苦い実だ。自分のやってきたことがそのままこもっている。
いちごを食べながら、自分の中にもある苦い思い出をかみしめ、それらをすべて認めていく。あれもわたしであったのだ。未熟で何も知らなくて、馬鹿なことばかりしていたわたしも、わたしなのだ。
いちごは歯に刺さるほどすっぱくて、食べていると少し涙がにじんだ。
馬鹿だった自分を飲み込み、また自分を始めていく。二度と馬鹿なことはしない。新しい自分をかけて、この世の幸せのために、よいことをやっていこうと、心に決める。
少し句を発展させてみましょう。
あやまちの 酸きをこらへて いちご噛む 夢詩香
どうでしょう。どっちがいいでしょうか。