野の隅に 細き紅おく ほとけのざ 夢詩香
*秋も深まり、だんだん寒くなってきましたが、ほとけのざは咲いています。
野原の隅っこで、小さく遠慮深げに、でもはっきりと紅を主張して咲いている。
寒い季節に、小さくとも紅い色を見つけると、寄っていきたくなりますね。そこにあたたかなものがあるような気がする。
咲いても、明日には消えてしまうかもしれない小さな花。でも花は決して消えていかない。季節が廻ればまた咲いてくれる。永遠の約束のように。
春も夏も秋も冬も、めぐる季節の約束を守るために、だれかが見えないところでたゆまぬ努力をしてくれている。その大きな愛があるからこそ、わたしたちは季節ごとに出会える。
美しいですね。
冬に傾く季節の中で、見つけた野の隅の小さな紅の花。しばし心を温めてくれる。
すばらしいこの世界で、たびたびと結ばれ、生きることをうれしくしてくれる出会い。
だれかのためによいことをしたくなるような、幸せな気分になれる。