世の人を みなすくはむと せし人の 思ひ出深き 月の白飴
*今週は二首ばかり詠めました。厳しい妨害の中で、少しだけ感性のアンテナに露がからんだという感じです。まだまだスランプの暗夜は抜けられませんが、がんばっていきましょう。
月の白飴とは、人類のすべてを救い、次の段階に導こうとしていたかのじょの、甘い甘い救いの夢の象徴です。かのじょは人類を愛していたので、だれひとりとして見捨てることはできなかった。すべての人を救いの船に乗せ、愛の天国に導こうとしていたのです。
実際、かのじょが発表したあの日記には、すべての人を救える方法が書いてあった。すばらしい自分自身。そこに目覚めれば、人間は救われる。しかし、嘘で生きている人間は、そこになかなかたどり着くことができない。
嘘を捨てれば、自分の本当の姿が出てくるからなのです。それは、自分一人の幸福のために、他者を犠牲にして生きてきた、自分の心がそのままあらわれた、とても醜い姿なのだ。そうなるのが嫌なばかりに、馬鹿な人はなかなか自分に目覚めようとしない。
実際、かのじょが夢見ていた、すべての人を救うということは、無理でした。多くの人間が、嘘を捨てられず、嘘のまま生き通して、人間を落ち、美しい愛の天国にたどりつけなかった。
悲しいことですが、これが現実です。甘い甘い愛の天使は、人類のために夢に向かって活動していたが、あまりの人間の現実の前に、倒れざるを得なかった。
しかしだからと言って、かのじょのしたことが無駄だったわけではない。かのじょがあの日記にこめたメッセージを受け取った人は、かなりいたからです。本当の自分に目覚め、愛の天国へのカギを勝ち取った人も、いたのです。
人類の救いを、この世に打ち立てることができたのは、甘い夢を描いて、そのためにすべてをかけて働いてくれた、かのじょのおかげなのです。