しひの実の しひてはならぬ 道の恋 夢詩香
*しひ(椎)としひ(強ひ)をかけてみました。恋は、「請ひ」もあります。
この近くに、マテバシイか何かの木を、街路樹にした道があります。暗くて、あまり人が通らない道なんですが、近くに空き地があるんで、わたしは花の写真を撮るために、よくそこを通るんです。
そこでその椎の並木を見るたびに思うんです。椎の木がとても苦しそう。ドングリの実のなり方も、枝ぶりなんかも、なんだか見るからに苦しそうで、こんなところにいたくない、山に帰りたいなんてことを、木が全身で訴えているような感じなんです。
なんで椎の木なんかを、街路樹にしたんだろう。ほかに、街路樹に向いてる木はたくさんあるだろうに。もっと、木のことを考えてくれたらいいのに、なんて思う。
その道は、川が近くて、いつも冷たい風が吹いていて、とても寒そう。
どこか、もっといいところに連れていってあげることができたらいいんだけど、何もできなくて、見るたびに苦しい思いをするだけ。
写真も撮ってみたんだけど、どれも苦しそうに写っているので、載せられませんでした。で、ムラサキシキブで代用です。同じ実がなる木だってだけですけど。
恋でも何でも、誰かの嫌がることは、無理強いしてはいけませんよ。そんなことをすると、人生が暗くなる。
誰かが悲しむようなことは、やってはいけないです。