まよひつつ ますぐにのびる 菊の茎 夢詩香
*「きくのくき」って、回文になってますね。意識したわけじゃないけど、響きのいい言葉を組もうとしたら、なんとなくそうなってしまうようなとこがありますね。
キク科の花は好きです。そっけないくらい基本的なデザインだけど、それがいい。まじめなのが好き。
花の茎っていうのは、どれもみなまっすぐに伸びようとするものだけど、時々妙な感じで歪んでるものもありますね。
種が落ちたところがまずかったりすると、茎を曲げなきゃお日様を仰げないことがある。また、何かに邪魔されて、茎を曲げなきゃいけないこともある。
風とか、色んな動物とか、花にも迷う条件はたくさんある。
けれど結局、花は上を、太陽を目指して伸びる。なぜなら、あれが本当だから。一番大切なものをくれる、一番暖かいものだから。
花はみんなお日様を目指して伸びる。それが一番いいことだから。
わたしのあの子も、今は迷って、遠くに離れてしまっているけれど。なんとなく、道が歪んでしまってるけど。わたしは、あの子にとっては、一番暖かい、安心して帰ってこれる場所でありたいと思っている。
お日様みたいに光ることはできないけど。大きなものをあげることはできないけど。
いつでも帰って来れる、暖かい場所でありたいと思っている。