たで食ふも 仕方なき身の ありがたさ 夢詩香
*最近、仕事でキャビアのことを調べる機会がありました。
食べたことないけど、キャビアっておいしいらしいですね。チョウザメの卵の塩漬けのことらしいですけど、それをとるために、人間はいろんなことをしてるみたいです。
フォアグラもトリュフも一生縁がなさそうです。どんな味なんだろう。食べてみたい気もするけど、貧乏だからいい。
年を取ってくると、あまりおいしいものを食べたいと思わなくなってきますよ。若い頃は、それはいろんなものを食べてたけど。焼肉やお寿司を食べるときは幸せでしたね。会社勤めをしていた時、忘年会かなんかでフグを食べたことがありますけど、あれもおいしかったです。
でもこの頃は、ラーメンもあまり食べたいと思わない。食事はだんだん質素になってきて、お茶漬けとか、うどんとか、ふりかけごはんとかばかり食べてる。ときどき、ツナ缶なんか開けるとうれしい。
チョコレートやポテチなんかも欲しいと思わなくなった。
なんでかなって気がするけど、たぶん、幸せになったからだと思う。
昔、あんなにおいしいものが欲しかったのは、いろんなつらいことがあったからじゃないかって思うんです。
今でも、夫や子供での苦労はそんなに変わらないんだけど。なんでかな、そんなに不幸だとは思わない。何が変わったんだろう。
おもちゃみたいな幸福が、いらないものだってわかったからかもしれない。