目も見えぬ 赤子に金を 与えては ひと世の夢を 地獄に流す
*今週は第3館からいきましょう。これはオリンピックに寄せた4首のうちの一つです。
最初、それらを詠んだとき、タイトルを「オリンピックのために」とするのはまずいんじゃないかという意見もあったのですがね、わたしが強行しました。テレビで見たオリンピックの様子が、あまりにひどかったからです。
裏で嫌なことばかりしている馬鹿が、自分を選ばれた良い人間だと思い込んで、メダルをぶら下げてたいそううれし気に笑っている。その様子が、目もあてられぬほど、ひどかったのです。
彼らは自分たちが努力して、メダルを得たのだと思い込んでいる。しかしそのことは、まるごと嘘なのです。彼らは、不正な霊的援助を駆使して、馬鹿が作り上げた、偽物のアスリートなのです。
彼らは自分の霊では何もやってはいない。日頃の訓練も何もかも、他霊が自分の肉体を動かしてやってくれているのです。本人は、他霊がやってくれている自分の人生を、眺めているだけなのです。
そんなずるい人間たちが、たくさん集まって、オリンピックのお祭りで騒いでいる。あまりにも愚かな風景だ。
メダルをとれば、世間にもてはやされて、望み通りの幸せが得られると思っている。馬鹿は何もわかってはいない。かたちばかりのきらびやかな栄光と引き換えに、何を失うのかを、まるでわかってはいない。
まだ目も見えぬ赤子というのは、何も勉強していなくて、大事なことが何もわかっていない人間ということでしょう。そんなものに恐ろしく高い金を与えてしまったら、そのあとが大変なことになる。
馬鹿がずるいことをして、恐れ多い栄誉を盗んだことになり、その罪を支払うために、地獄のような思いを味わわねばならなくなるのです。