比企の丘

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あの戦争で・・・日本軍とアヘン・・・阿片王「里見甫(さとみはじめ)」・・・語り継ぐ責任

2008-08-29 | 語り継ぐ責任 あの戦争
今夜、正確に言えば明日の朝0:45~3:15・・・某テレビ局で太平洋戦争の歴史を探るスペシャル番組の再映があります。この中に「軍とアヘン」についての部があるようです。
前回のテレビは見ていませんので再映を見たいのですが、真夜中ですからね。収録してあとから見ることにしました。
阿片と日本軍」・・・たいへん恐ろしいテーマです。
私自身ズ~っと何も知りません。

ここに1冊の本があります。ノンフィクションです。
佐野眞一著阿片王 満州の夜と霧  (新潮社2005年刊)
著者はほとんどわからない話を追っていきます。つまりすべては夜と霧の中の話です。
阿片王「里美甫」(1896~1965年)、1932年満州において関東軍の嘱託辞令を受けて満州国通信社を設立。1937年上海の移り陸軍特捜部に阿片密売を依頼され「宏済善堂」を開く。1945年日本に帰国、1946年GHQにより逮捕、9月保釈。
宏済善堂・・・救済、慈善という意味ですが実態は中国本土で中国人に対するアヘンの販売です。その販売利益を宏済善堂がどう処理して、大本営に献上したり、現地派遣軍、特務機関に還流していたかは闇の中ですが軍民一体で広域暴力団顔負けの資金調達をしていたようです。
人脈の広い人で、岸信介(当時満州国国務院総務庁次長)、児玉誉士夫(上海で軍需物資納入を独占で行う)との交流もあります。この二人が戦後、首相、政界フィクサーとして表舞台に立つ中、里美自身は戦後20年、沈黙を守ったまま闇の中に消えました。
里美甫・・・数十万人の中国人を阿片中毒で廃人にした男、何故か極東裁判で無罪放免になった男、その人の墓は千葉県市川市国府台の総寧寺に。墓石の文字は岸信介の筆によるもの。

私自身、何一つ知らない人で、したがってこの本を読んでも実像が浮かんできません。おぼろげながら日本の軍隊は中国大陸で凄いことをしていたのだな~と言うことがわかってくる程度です。
戦争というものは何でもありです。聖戦でも何でもありません。無法もまかり通る、そんなことが見えてきました。

「語り継ぐ責任」・・・著者佐野真一の言葉です。

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