普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

国民を人質にした小沢戦術

2008-01-17 10:48:56 | 民主党

 昨日の民主党大会とその後の記者会見での小沢さんの発言にはがっくり来た。
 経済環境の悪化、格差、貧困、福祉、医療など一種の危機状態にある日本の現状を余所に、党利党略丸出しの発言だからだ。
 私は永続的な政権交代を希望している。
 そのためには民主党がもっと国民を向いた健全な党であってほしいからだ。

・大会のでの宣言
 地方の道路の建設、維持を推進し、ガソリン税の暫定税率を廃止しよう。

・記者会見での衆院再採決に退席問題での答弁
 自衛隊の海上給油は国にとっても、民主党にとっても大した問題ではない(だから私が居なくても問題ない)、私は忙しいのだの発言。

 私は自他とも認めるバリバリのB型なので、小沢さんの退席は「どうせ居なくても採決されるのだからと思って」の行動だと理解していたので、マスコミやブログで大きく取り上げられても問題にしていなかったし私のブログでも全然触れなかった。

 然し昨日の彼の発言の「海上給油は国にとっても、民主党にとっても大した問題ではない」には大きな意味があると思う。
 詰まり彼は実は「海上給油問題は日本の現状として絶対に避けては通れない問題」だと言う事が判っているので言わなくても良い事をつい洩らしてしまったのだ。
 何故なら、日本は湾岸戦争の時金だけ出した国際貢献で世界から大きな批判を浴びた時、小沢さんは自民党幹事長として「行動による国際貢献の問題」を身をもって知って居る筈だからだ。
 詰まり彼の「海上給油は国とっても、民主党にとっても大した問題ではない」発言は彼の本音の裏返しだと思う。

[小沢さんの今までの国会戦略]
・アフガンでの国際貢献は、アフガンの状況から見れば、陸上での自衛隊派遣は戦闘行為を伴う可能性がある。
 然し、政府は行動による国際貢献の必要性と、米国から日本の防衛の保障を確実にするために、安全な海上給油は何としてでも推進するだろう。
 だからこの問題を人質にして、絶対反対を唱えれば政府を追い込み解散、総選挙に持ち込める。

・然し、絶対反対だけでは世論の反発があるので、対案を作る。
 然し、余り実行性のある対案だと、福田さんの抱きつき政策で呑み込まれてしまう。
 そうなれば、解散、総選挙は遠い道になってしまう。
 そのためには政府、与党が絶対反対するような対案を作る。
  (前原さんが小沢さんから実際に聞いた話として中央公論に載っているそうだ。)

 然しこの実行性のない対案を出せば、そのボロが直ぐに出てしまうので、その提出は会期ぎりぎりまで延ばす。
 (実際の提出は小沢さんの指示で行われた。)
 その間政府、自民党から対案の提出を急かされたら、野党だから政府機関の援助がないとか色々の理屈を付ければよい。
 参照: 可哀相な民主党員

・そしてその提出も民主党が多数を占める参議院にする。
 そして審議継続としてそのまま(永久に)吊るしておく。

 

・一方、新給油法案を反対していれば、政府、自民党はこの法案は絶対通すために3分の2条項を使う羽目になり世論の批判を浴びるのは間違いない。
 それで、福田さんの問責決議、解散、総選挙に持ち込めば民主党が勝てる。

 彼の考え方はほぼうまく運んでいまの現状となっている。
 小沢さんの戦略の追い風になったのは、防衛省の汚職問題だ。

・一方彼の戦略で少し外れたのが、問責決議案がマスコミや世論で不人気だったので、やむなく引っ込めたため、政争は第二ラウンドに入った。
しかも彼にとって幸いだったのは、今度は原油高とガソリン税の暫定税率延長問題の追い風が吹いてきた。
・もう一つは対案の審議継続する予定が他の野党の反発に逢って、採決になり可決されて衆議院に廻されたしまったことだ。
 しかし、衆院での審議は新給油法案が通った後で、マスコミの関心も薄くなっているので対案のぼろがでる影響も少ないだろう。

[小沢さんのこれからの国会戦略]
 いままでの小沢さんのやり方から考えて、暫定税率延長問題も新給油法案問題と同じ手口といったら失礼だが同じ戦術を使うと思う。
・政府は今年度の予算は絶対に通さなければならない。
 これを人質に取らぬ手はない。
 それには原油高とガソリン税の暫定税率問題と言う民主党に神風が吹いている。
・民主党は参議院で歳入関連法案の成立を阻止する。

・その間、政府、与党やマスコミから暫定税率が無くなった後の約2兆6000億円の税収減を補う対案を出せとの圧力がかかるだろう。
 また地方から小沢さんが約束をした道路の建設や維持の問題はどうするのかと言う地方からの批判が出てくるかも知れない。

 その時の言い訳の仕方は新給油法案の対案への攻撃の言い訳で学習済みだ。
 政府機関の応援がないとか、色々の珍答弁をしながら、ぎりぎりまで延ばせばよい。
 その時民主党優勢の参議院でどうでも出来る。

・3月末までに歳入関連法案が成立しなければ、旧法案の期限の示すように、ガソリン代は1リットル当たり約25円下がる。

・国を預かっている政府、与党は今年度の予算成立ため、関連法案を何としてでも成立させる。
 そのためには暫定税率を復活させるため、不人気の3分の2条項を使うかもしれない。
 その時こそ、何度も同条項を使ったとして首相問責決議を出せる、(と多くの民主党の人達が言っている。)

 それよりも一旦下がったガソリン代が政府が3分の2条項を使ったためにまた上がると言う国民に与えるショックは大きい(と鳩山さんが言っていた。)
 その間に国の予算が成立しないために、色々の問題が出てくる、ガソリン代は乱高下するなどの批判が起こる。

 その時は何でも政府の責任にしたがるマスコミは、民主党のことは言わずに政府を攻撃してくれるだろう。
 そうなれば民主党は絶対に勝てる。

 民主党は「国民生活第一」をスローガンにしている。
 然し今度の小沢さんの戦略は政府予算を人質にしたつもりで実は「国民生活」を人質にした戦術のような気がしてならない。

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3 コメント

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問題外 ((ノ_-;)ハア…)
2009-06-23 21:32:57
どうしようも無く誘導された人種の意見としかとれませんね。全部読む気にもなりませんでした。
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Unknown (無党派A)
2008-01-18 22:30:33
コメントを頂きまして有り難うございます。
私も18日のブログに書きましたが、小沢さんが首相になって野党から攻撃されたときどの様な態度にでるか心配しています。
今後ともご助言とサポートをお願い致します。
返信する
Unknown (world)
2008-01-18 08:48:29
過去にある有名人が「小沢氏は大物ぶっているが大成はしない。あの傲慢さが有る限り信頼されない」と言った人がいるが其の通りになりつつあると思う。故田中角栄の後ろ盾が有っての力だったのに自力と勘違い。虎の威を借りても虎が居なくなれば終わり。利用根性に染まった者は信用出来ない。いい年こいて其れが分かってない。
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