普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

家庭内殺傷事件

2008-01-25 15:58:44 | 政策、社会情勢

 21日の英字新聞輪読会で珍しく時間が30分程余ったので、例によって雑談(日本語)になった。
 なにしろ問題意識を持つお喋り好きな小母さん達が多数を占めている会なので、話題は次々に発展し転げて行った。
 最初は当日の資料のケニアの暴動に関連して、日本では家庭内暴力殺傷事件が次々に発生しているが日本はどうなるのか→そう言えば学級崩壊もまだ止まらないのは→(それからどう言う経緯でそうなったのか忘れたが)何故今の人達は転んでも手を付かずに簡単に頭を打ってしまうのかと言う話題→そして最後に「女性は年を取ると転んだだけでも骨折するから気をつけねば」と言う年寄り(私)のお節介で時間になった。

[昔の家庭とコミュニティー]
 今日は最初の話題の家庭内暴力殺傷事件の続発の理由と言うマスコミでも余り取り上げてないことを考えて見たい。
(また昔の話しになりますがちょっと辛抱して聞いて下さい。)
 戦前の「貧乏人の子沢山」の人達が大勢を占めていた時代は、親達は子供を養うためになりふり構わず働かねばならなかった。
 それを見ている子供達も家で忙しくしている母親の手伝いや下の子の子守りなどされられた。
 子供達は多くの家の子や近所の子供達の間で、協力して遊ぶためには少々の我慢も必要な事、逆に自分が不利にならぬ様に自分の立場をしっかり保つことを学んだ。
 つまり今の言葉で言えば自立だ。
 仕事を持つようになっても、多くの人は親の苦しいやり繰りを見ているので、給料はそっくり親に渡した。

 勿論親達の間でも今と同じ様に浮気や性格の不一致などで離婚の危機に何度か直面したに違いない。
 親達にも貧乏同志で互いに助け合うコミュニティーで愚痴たりアドバイスを貰う事ができた。
 それでも苦労して育てた子供への愛情と養育の責任から互いに辛抱し合ってきたのが昔では離婚が稀だった理由だと思う。
 それとコミュニティーの評判も離婚を妨げる一因となったかも知れない。
 詰まり家庭内はがっちり固まっており子供社会もコミュニティーも存在し、子供もそれなに自立していた。
 この様な状況で家庭内の暴力殺傷事件などごく稀にしか起こらなかったのは当然だと思う。

[家庭とコミュニティーの変化]
 戦後情勢は大きく変わった。
 経済の拡大に伴い家族全体または家族の一員の転勤が始まった。
 核家族化→コミュニティーの縮小だ。
 私も例外ではなかった。
 会社から転勤を命ぜられたことを母に告げると母から涙がポロリとこぼれた。
 私が生れて以来母を泣かせたのはこれが最初で最後だった。

 それともう一つの大きな変化は戦後の教育と社会環境の変化に伴う、人の考え方の変化だ
[家族の孤立と家族関係の希薄化]
・核家族化→コミュニティーの縮小に加えて、プライバシーの考え方の浸透→家庭の孤立
・女性の職場進出(これ自体は悪いことではない)→家庭から母親の影が薄くなった→家族関係の希薄化
離婚の増加→家族関係の希薄化
・権利重視、義務や責任の無視または軽視の教育→自分中心の考え
・それが進んで、育児より自分中心で考える親の増加
 世田谷区の調査
によれば少子化の原因として「子育てより自分の生活を楽しみたい」若い人が約45%もいるそうだ。

[少子化の悪影響]
・少子化→親の子供への過度の愛情→それを当然と思う子供、辛抱出来ない子供→甘える習慣のついた子供
これだけ可愛がったのだからと言う親の子供に対する甘え
・少子化→家庭内外の子供社会の縮小による社会生活で必要な思いやり、忍耐などの社会訓練不足
・学校での同年代の密閉社会で育った子供

[その他]
性のモラルの希薄化
・弱いものを助けると言う男らしさのなくなった男性、思いやりや優しさと言う女らしさの亡くなった女性の増加
  その他家庭内暴力、殺傷事件にな多くの要因があると思うが、上のような要因でほぼ説明が出来ると思う。

[家庭内暴力、殺傷事件の続発]
・その場限りの欲望で生れ子、子育てより自分に生活を楽しみたいのに思いもよらず生れ子に対しては、大多数の親はその子に対して親としての愛情を注ぐのが普通だろうが、その子を邪魔者扱いにし、果ては何の罪もないその子を憎むごく少数の親
・いずれの側に責任があるとを問わず、妻からの思いやりのない容赦ない口の攻撃に、弱いものに暴力を振るうの恥ずかしいとも思わず、妻を暴力を加える夫
・希薄な家族関係と親は子供を守るのは当然と思う学校で人権など権利重視の教育を受けた子供などな。

 そこに何らかのストレスが加わったとき、壊れかかったコミュニティーとプライバシーの壁に阻まれて、仲介者の居ない密閉空間の家庭内の当事者の間で、そのストレスが異常に増幅する。
 然もその解決に当たっては、忍耐とか思いやりなどのブレーキもなく、子や親に対する甘え自分の親だから、自分の子だから、余所様に迷惑はかからないと言う、理屈にならない異常な考え方が働くのが家庭内の暴力、殺傷事件の続発に繋がっていると思う。

 勿論個々の事件では老老介護の行き詰まりなど心情的には同情できるものがあり一概に批判出来ないものも多いと思うし、外国ではDVの話しは良く聞くが、殺傷事件についてどうなっているのだろうか。
 私は今のような家族内の殺傷事件の続発は、最近の日本独特の現象に思えてならないのだが。

 私はどの事を取り上げても何らかの提案をすることにしているが、この件ばかりは私が考えたような原因を辛抱強く一件ごとに潰すしか思い付かないのは残念だ。

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