<<オカザキ監督の「ヒロシマナガサキ」>>
8月12日の読売テレビ系列で日系三世のスティーブン・オカザキさんの「ヒロシマナガサキ」の紹介があった。
・紹介の前の小学校での、米国の原爆の正当性を訴える教育とそれを受けた児童達の教えられた通りに答えるのインタビュー。
「ヒロシマ ナガサキ」は、14人の被爆した日本人の証言と、広島・長崎への爆撃に実際関与した4人のアメリカ人の証言を軸に構成されたもので、日米双方の視点から原爆がもたらした過酷な実態をとらえた作品だ。
その内容は、
・「1945年8月6日は何があった日か知っていますか?」という質問に、答えられない原宿の高校生
・原爆を運んだ元米軍兵士が、投下の成功に満足しているという話
・原爆投下のさいのきのこ雲
・エノラ・ゲイから帰還した兵士が勲章を受けるシーン
・原爆被災地の惨状
・むごたらしい被災者の写真
・被爆者たちが、いまだに多くの社会的偏見を被っている事実
などがオカザキさんの丹念に収集した事実を淡々展開して見せる。
この映画は6日には米国のゴールデンタイムで放映されたそうだ。
この映画を見た米国の人達のショック、原爆投下は酷すぎるという感想。
オカザキ監督の「米国は原爆投下を正当化する前に被爆者の話に耳を傾けてほしい」との訴え。
オカザキさんには4人のアメリカ人の証言が示すように、当然に米国側からの圧力があったのだろう。
その中で、中沢啓治の「はだしのゲン」の英訳版を読んで以来、25年にわたりこのテーマを追い続けた、彼の努力に対して一日本人として深く感謝したい。
<<マイク・ホンダ議員の慰安婦問題>>
この報道を見ていて同じ日系三世のマイク・ホンダ議員のことが頭に浮かんだ。
慰安婦問題についての彼の態度だ。
Wikipedia によると、彼は
ホンダは韓国側の主張を完全に支持する一方で日本側からの反論には全く耳を貸さなかった。
2007年2月25日放送の『報道2001』に出演した際も、
彼の主張の慰安婦が日本軍によって強制されたと信じる根拠について
・実際に被害者が語っている
・償いという形でアジア女性基金が起こっていること
・河野談話という形でコメントが出ていること
・首相が謝っているということ
ことを上げるだけだ。
これはオカザキ監督の事実を自分で確かめる手法に比べて、事実を確かめようともせず、自分の都合の良い報道だけを利用するやり方は明らかに政治家のそれだ。
それは、Wikipediaが言う様に、
・彼が戦時中に日系人強制収容所に送られた事
それで米国居住の少数民族に対して特別の感情を持っているようだ。
・9/11以後のイスラム教徒に対する偏見に抵抗
・彼を支持する中国系の反日団体の影響
などの傾向から来ているのかも知れない。
<<オカザキ監督とホンダ議員の比較>>
オカザキ監督の事実を元にして作られた「ヒロシマ ナガサキ」は全米に放映され、米国民に大きな感動を与え、原爆投下の正当性について少なくとも疑問を感じさせただけでも、日本、米国は勿論世界に大きな影響を及ぼすことになると思う。
一方のホンダ議員の自分の都合の良い情報に基づいた慰安婦問題決議は、全世界に日本に対する間違った感情を広めるだけで終わった。
それで一番の被害を受けたのは勿論日本で、一番喜んでいるのは北朝鮮だ。
この同じ日系三世の米国人の差はどうして起こった理由は是非知りたい所だが、オカザキ監督が映画人、ホンダ議員が政治家であること以外しか私の情報力では調べようがない。
ただ何となく想像できるのは、オカザキさんとのインタビュー記事であるように、彼自身は時には違和感を感じることもあるが、日本がルーツであると言う意識を持っており、日本に親しみを感じているそうだが、現地では日系人であることより、米国人であることを主張する人が多いそうだ。
ホンダ議員は後の部類に入るのだろう。
私は現役時代に、ブラジルで8ケ月ほど単身赴任をしたことがある。
ブラジルでは日本人の移住者が多いのが有名だが、そこで気付いたことがある。
同じブラジル語を喋る日本人の中でも、その言動が昔の日本人そのままの人と、考え方や行いが全く現地化した人がいた。
そして、何故か理由は判らないが、前者の顔つきは私どものように出張したての日本人のような顔をしており、後者の人達は日本人離れと言うか、どちらかと言えば中国人に似てくることだ。
そう言えばオカザキ監督の日本人らしい顔と日本人離れしたホンダ議員の顔。
考え方が変われば顔つきまで変わるのだろうか。
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スティーブオカザキ氏の映画が全米に感動だなんてありえません。
彼のドキュメンタリー作品は非常にマイナーな市場しかありません。市場とも言えないマニアックなものです。
それにアメリカでは原爆投下を容認するのはごく主流の歴史認識です。日本には少数派の否定意見が紹介されることが多いのです。
オカザキ氏のことも誤解しています。
日本のアジアへの戦争責任については日本人は過去を直視していないのではないかと批判しています。
だって同じ日本人ですら左右かみ合わず、議論にならない現実がありますね。それと、上のはなさんの指摘に、オカザキ氏が「日本人は過去を直視していないのではないか」と批判している、ということについて、
同感します。確かに原爆投下はひどい国際法違反だった、人道に対する罪でもある、と思いますが、被害にあったことも加害だったことも両方同じくらいに語り継がねば歴史に学ぶ、ということにならないと思います。多分オカザキ氏もそう考えているのでは、と思いますが。そのへんが米国流のフェアな精神で、事実を直視し、両面をしっかり見つめる、そういう気持ち。
それが日本人にかけているのではないか、と思います。もっと善悪に過敏になり、もっと徹底したフェアな精神を育てるべきだ、と思います。