読売新聞が厚労省分割について概略次のような社説を出しています。
厚生労働省は大きすぎる。
厚労省の大きさは予算規模からも明らかだ。政府の今年度当初予算では、一般歳出52兆円のうち厚労省予算が25兆円を占める。
総務省や内閣府などの分割・再編もにらんでいるようだが、社会福祉行政の信頼回復を図るためにまず厚労省改革に絞って具体案を練るべきだろう。
暮らしにかかわる施策の大半を受け持つ厚労省は、国民の関心が高い問題を数多く抱えている。
インフルエンザ、雇用対策、年金記録問題、医療・介護の人材確保――。挙げればキリがないほどの難題を1人の厚労相で担当しているのが現状だ。
これでは、重要問題のすべてを十分に検討し、迅速に判断するのは難しい。所管分野が広すぎて大臣の監督権が弱体化していたことが、社会保険庁などで数多くの不祥事を招いた一因でもあろう。
医療政策は厚労省に一本化されておらず、文部科学省が医学教育と大学病院を、総務省が自治体病院を所管している。少子化対策も内閣府や文科省、経済産業省などに分散している。
厚労省の仕事とこれに近接する他省庁の仕事を、国民のニーズに合わせて仕分けし、適正規模の官庁に集約する必要があろう。
麻生首相は、医療・介護・年金などを所管する「社会保障省」と雇用・少子化対策などを受け持つ「国民生活省」に再編する案を示している。
経済が低迷し、社会に不安感が漂っている。だからこそ、厚労省の刷新を急ぐ必要がある。
分割・再編して、問題ごとにきめ細かく対応する体制をとれば、国民は政府の意気込みを感じ、社会福祉行政への期待は高まるのではないか。
将来への安心感が増すことで、消費者心理が改善し、景気も明るさを取り戻していくだろう。
[私の意見]
<分割案に賛成の点>
・私は安倍内閣や福田内閣の時、厚生労働省の抱えている問題が余りにも多すぎること、そしてその伏魔殿的な体質のため、舛添さんに特別に複数の補佐する人を配置することを提言したことがありました。
その点で、厚生労働省を分割して、担当大臣の荷を減らすことには賛成です。
・また少子化担当大臣など実働部隊を持たない役職を幾ら作っても、そして大臣がいくら頑張ってもその成果は知れた物だと思います。
然も少子化は日本の将来の姿に色々の大きな影響を及ぼすのに、その効果的な対策を見つけるのが難しいなど、少子化問題の難しさから、分割化からは余り大きな成果は期待できないかも知れませんが、少なくとも今まで以上の成果は期待できると思います。
・厚労省は国土交通省、農林水産省と並んで今の政府の官庁では一番不祥事の多いところです。
だから分割化による職員達の意識の向上と、大臣の負担減少による、下部へのより細かなチェックが出来ることから、不祥事などもかなり減る様な気がします。
<問題点>
この種の改革案で直ぐに出て来るのは、官僚の抵抗と改革案の弱体化、そしてその点に付いての野党とマスコミの政府の弱腰姿勢への攻撃です。
今回の厚生労働省の改革案も今までの二の舞と言われないように、着実に進めて言って貰いたいと思います。
いつも言うことですが、行き詰まりかけている地方分権、公務員制度改革も含めて、麻生さんのリーダーシップの発揮を期待しています。
当面の担当大臣の舛添さんは、分割に消極姿勢と報道されていましたが、改革反対勢力と見られないように指示を受けた与謝野さん、河村官房長官、甘利さんなどと共に前向きに進んでいって欲しいと思います。
前にも書きましたが、次期の衆院選でもし自民党が負けたとしたら、その敗因の大きな要因の一つとして、自民党政府の官僚制度改革への弱腰とマスコミや批評家ら指摘されるのは間違いないと思います。
改革に一番必要なのは、麻生さんのリーダーシップの発揮です。
麻生さん、頑張れ!!!
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日本の官僚の歴史観は教育を受けて居ないのですからいい加減なのは確かですが、加えて政治家が、その上を行く歴史音痴では官僚を指導どころかお世話になるのが落ちです。
官僚を生かし切れない日本の政治家の力量が問われて居るのに気が付かず、官僚いじめをすれば国民は政治を見てくれる。甘過ぎるんじゃないでしょうか?
官僚を生かすも殺すも政治家の力量である事を改めて認識して国家の「有為」な人材を国家の為に使って欲しいものです。民主党の様に政権を取れば官僚に辞表を提出させ・民主党の意向に合わなければ使わない?ファショは困ります。
強い政治的リーダーシップをもって、厚労省分割に取り組んでいただきたいと思います。省庁のあり方というのは「これがベスト」というのは無いのでしょうが、問題点が見つかれば改革していくのが当然のことです。