音には「音声」と「音素」の二種類があり、音声とは実際の声、音素とは話者が認識している声である。例えば日本語の「ガ」の子音は母音の後ろにあるかそうでないかによって音声が違う(有声軟口蓋摩擦音と有声軟口蓋破裂音、それぞれIPA国際音声字母表記で[ɣ]、[ɡ])が、話者はこれらを同じ発音だと思っているし、意味の違いにはならない。これを音素が同じであるというように言う。対して、我々は“橋”(音素表記:/háꜜsi/)と“箸”(/hasíꜜ/)が別々の発音であることを知っている。このように、たった一つの音素の違い(ここではアクセントの違い)を除いて他が全て同じであるような二つの単語の関係を「最小対」と呼ぶ。
否定を表す単語や標識(マーカー)などの形態素(意味をもつ表現要素の最小単位)はnやlなどのそれ単体で伸ばしやすい音(=流音)や、聞こえ度の高い音(母音や[z]など)によって表されるか、形態素が2つに分割されて別々の場所に付いているいることが多い(ex:ない、ず、not、no、ne…pas(フランス語)など)。また、疑問を表す形態素は最初や最後に来ることが多い(ex:"What" do you want?、あなたは好きです“か?”、いづれの山か天に近“き”(係り結び)、など)。これらはいずれも疑問であるかどうか、否定であるかどうかをはっきりさせないと意味が全く変わってしまうからと考えられている。
言語類型論において、単なる「普遍性」と「部分的な普遍性」との区別をしておくことは大切である。例えば、英語や日本語は所有者を「-'s」や「〜の」のような所謂「接辞」や「接語」をつけて表現する。対してハンガリー語などの言語では、所有されている方の単語に接辞をつける。例えば「az embar háza」(その男の家)という句では、「az embar」に「〜の」という意味の接辞や接語があるわけではなく、「ház」(家)に「-a」という接辞がつくことで所有関係を意味している。英語や日本語のように、所有しているものに接辞がついたり、ラテン語などのように、動詞が主語によって形を変えるような言語は主要部表示型言語と呼ばれ、ハンガリー語のように所有されているものに接辞がついたり、動詞が目的語によって形を変えるような言語は依存部表示型言語と呼ばれる。主要部表示型言語と依存部表示型言語はひとつの言語で混ざり合っている時もあるが、例えば、所有しているものと所有されているものの両方に接辞がつく、というように、片方だけで済むようなことをやっている言語は稀である(トルコ語などが該当する)。
日本語は、世界でも珍しく主語が省けるのに主語に応じた動詞の活用がない言語であり、世界でも珍しく[ɸ](ファの子音。英語のfとは違う)及び[ɽ](単語の始めのラ行の子音)を持つ。
英語は、世界でも珍しく関係代名詞を持ち、関係代名詞を持つ自然言語の中でも珍しく関係代名詞がwhatのような疑問詞だけでなくthatのような指示代名詞から派生している他、世界でも珍しく不定冠詞を持ち、世界でも珍しく[θ]の音を持ち、世界でも珍しく、aの類音が[æ][ʌ][ɑ]と複数ある。
ケチュア語は、自然言語らしからぬとても規則的な活用をする自然言語。
人工言語アルカの語彙数は約15000語であり、創作クラスタの作る大体の人工言語はこれに準拠していると思われるが、まずは2000語をメドに作るといいと言われている。一音節の基本語彙を組み合わせて派生語を作っていくと、案外たくさん作れるかもしれない。
我々は傘を「差す」と言い、英語では「open」(開く)と言う。このように言語や文化によって言い方が異なる。セレンによれば、このような語法をもオリジナルで考えることでより進んだ人工言語を作ることが可能なようだ。
日本人の作る人工言語はラ行が多くなると言われる。というのも、日本語ではlもrも同じラ行にしてしまうからで、致し方ないとも言える。
エスペラント語で「不足」あるいは「不足する」と打つと18禁な単語が出てきてしまう……というように、人工言語では日本人が聞くと変に聞こえるような単語が出てきてしまう場合も往往にしてある。一見して普通の単語でも、活用などによっては下品な言葉が出てくる可能性があるので、そういうことを気にする場合はよく考えて作りたい。
ドイツ語
登録日:2009/09/18(金) 20:23:40
更新日:2019/07/04 Thu 15:40:40
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BLEACH GSG9 …ばーむくーへん? ←ばぉむくーひぇん アスカ ガンダム御用達 クーゲル・シュライバー ←要はボールペン ジェイド スパロボ セラフィックブルー ドイチュ ドイツ ドイツ語 ファフナー フンバルト・ベンデル 厨二病御用達 滅却師 独語 空耳 言語
食らえ!必殺!
クーゲルシュライバーッッッ!!!
ドイツ語とは、主にドイツ、およびその周辺で使用される言語。書いてある通りに読む、とよく言われる。
使用する文字はアルファベットに加えて、ウムラオトと呼ばれる変母音(a、o、uの上に‥がついたもの)と
エス・ツェット(ギリシア文字のβに似た文字で発音はs)がある。
ちなみにパソコンの使用などでウムラウトが出せない場合はa、o、uの後にeをつけて、エス・ツェットが出ない場合はssで代用する。
エス・ツェットは小文字扱いで大文字のエス・ツェットを使うことはまれ。
また、スイスドイツ語においては、ウムラウトおよびエス・ツェットの表記には代用形(ae, oe, ue, ss)のほうを用い、固有文字は使用されない。
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ドイツ語アルファベットの読み方
原則はローマ字読みと同じだが、eiはアイ、ieはイー、euはオイなど若干違うところもある。あとrはやたら舌を巻く。
よく例として挙げられるのはEinstein(アインシュタイン)。エインステインとは読まない。
しかし一部例外があるとはいえ、規則性があってないような英語とは違い、発音の規則さえ覚えてしまえば、たとえ単語の意味がわからなくても読むことはできる。
結局のところ規則に従ってローマ字風に読んでさえいれば、我々日本人が曖昧な日本語も理解できるように、向こうの人も理解してくれる。
拙くても頑張って話そうとする健気な幼女姿勢を見せる者に対しては人はわりかし寛大に接するものである。
英語のthに相当する発音が無いのも日本人にはありがたい。
他にもj,s,v,w,zも英語と発音が違い、それぞれ英語のy,z,f,v,tsに相当する。例えばJapan(日本)は"ヤーパン"と発音する。
ドイツの代表的な自動車メーカーVolkswagenは"フォルクスヴァーゲン"と読む。この綴りを英語で読めば"ヴォルクスワーゲン"となる。
ところが、日本語での正式名称(カタカナ表記および読み)はなぜか独英混ぜこぜの"フォルクスワーゲン"とされている。
……つまるところ、これは日本語にはvの音が存在しないことへの配慮である。要はリヒャルト・ワーグナーが実際にはヴァーグナーなのと同じ事情。
あとhのみ、無音である。無音といってもまったく発音しないわけでもないのだが、普通は直前の母音を伸ばすと考えて相違ない。
ウムラウトの発音については、文字通りというか、aeなら口を「あ」の形にして「エ」と発音すると近い音が出る。oe、ueについても同じ要領で発音する。
他にも多数細かい読み方はあるが割愛する。
もともとドイツ語と英語は共通の祖語を持つ言語で、両者は2000年ほど前に分化したと言われている。
そのため英語と共通の語源を持つ語彙が多く、同じ綴りでほとんど同じ意味の単語が多い。
また、綴りが違う語でも、発音に類似性があったり一部の文字に置換があったりする程度で、部分的な一致となるとさらに多くの単語が該当する。
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【綴りが同じor類似する単語の一例(独/英)】
ドイツ語の面倒なところには、「名詞の性別」と「不定動詞」にある。
とはいっても不定動詞は基本的に規則変化であるため、それを覚えてしまえば楽だが名詞の性別は地雷もあったりする。
例えば父親(Vater)は男性名詞、
母親(Mutter)は女性名詞、
子供(Kind)は中性名詞
とこのあたりはまあわかるが、
庭、学校、家、少女、牛乳、茶。これらの性別はどうだろう。
男、女、中性、中性、女、男なのだが。
ちなみに名詞の性別に対して不定冠詞(ein~、eine~)や定冠詞(der~、die~、das~)を格ごとに(~が、~の、~に、~を)使い分ける必要がある。
とは言うが辞書で調べればわかるのでそれでついでに覚える、という根気があればドイツ語はパーツの構成を覚えるだけなのでそのあたりはわかりやすい。
ここまで読んだ時点で気づいた勘のいいアニヲタ諸君もおられるかも知れないが、ドイツ語においては名詞の最初の文字は必ず大文字にする習慣がある。
知らない単語だとしても、その単語が名詞かどうかは文頭に置かれていなければ容易に判別できる。
ついでに言えば、"冠詞"+"なんちゃら"+"名詞"……という形の場合、"なんちゃら"は形容詞だろうとおおよその見当をつけることもできる。
そしてさらに言えば、通常小文字で書く形容詞の語頭を大文字にすると名詞化が起こる。(英語で言う「the+形容詞」のようなもの。)
例えば、gutは「良い」だが、Gutは「良いこと(もの・人)」となる。
初学者にとっては面倒なことこの上ないが、ドイツ語には英語では廃れてしまった格変化が残っているため語順の制約が英語よりも緩い。
つまり、冠詞の格変化の形を見れば、語順に頼らずとも文の要素(いわゆるSVOCMと呼ばれているやつ)の判別が可能だということ。(多少語順を変えても文意が通る。)
後は成立の歴史上方言の差が激しいので習ったところと違うところでは通じないことがよくある。
…と、ドイツ語の文法その他を抜きにして、ドイツ語は多く中二病患者やゲームの登場物の名称に好かれる傾向にある。
なぜかと言われれば(おそらく)発音が無駄にかっこいいからである。
数字を数えるだけでも
null(ヌル、0)
eins(アインス,アインツ[慣]、1)
zwei(ツヴァイ、2)
drei(ドライ、3)
vier(フィーア、4)
fuenf(フュンフ,フンフ[慣]、5)
sechs(ゼクス、6)
sieben(ズィーベン、7)
acht(アハト、8)
neun(ノイン、9)
zehn(ツェーン、10)
elf(エルフ、11)
zwoelf(ツヴェルフ、12)
dreizehn(ドライツェーン、13)
…
sechzehn(ゼヒツェーン、16) ※16と17は形が崩れる
siebzehn(ズィープツェーン、17) ※語末or子音の前にある「b」の音は「p」
…
zwanzig(ツヴァンツィヒ、20)
dreissig(ドライスィヒ、30) ※30だけzがss(エス・ツェット)になって~ssigになる
…
sechzig(ゼヒツィヒ、60)
siebzig(ズィープツィヒ、70)
…
と発音する。
21以上99以下の(10で割りきれない)数字は、und(英語のandに相当。)をつけて表記・発音する。このとき一の位を先に言う。
仮に23ならdreiundzwanzig(ドライウントツヴァンツィヒ)と読む。要するに「3と20」という表記法。20をnullundzwanzigなどとは読まない。
(数詞に限った話ではないが)ドイツ語では一つの単語であることを示すためにスペースを空けずにくっつけて書く。おかげで長くなると読みづらい。
100はhundert(フンデルト)と読み、200はzweihundert(ツヴァイフンデルト)。
……だが、101はeinundhundertではなくhunderteinsとする。前後がごちゃごちゃして混乱しやすい。
いくつか野暮ったい例を挙げると、zweihundertzweiundzwanzigは222、dreihundertfuenfundsechzigは365である。アラビア数字ならたった3文字で済むのに。
1000はtausend(タウゼント)。1万は英語と似た表記で、zehntausend(ツェーンタウゼント、つまり10千)と書く。同様に10万はhunderttausend(100千)。
一方、100万はeine Million(英語っぽく書けば a million)となり、200万は複数形でzwei Millionenとなる。
例えば、200万ユーロは、英語ではtwo million eurosだが、ドイツ語ではzwei Millionen Euroとなる点が対照的。
なおEuroはドイツ語ではオイロと読む。Europa(欧州)もオイローパ。どうでもいいが、地域名のオイローパは中性名詞だが、女神オイローパは女性名詞。
10億(1000百万)はeine Milliarde、1兆(1000十億)はeine Billion。ちなみにMillion、Milliarde、Billionはいずれも女性名詞である。
序数(第nの~、n番目の~)は、原則、特定の語尾(19までは-t、20以上は-st)をつけるだけという比較的シンプルなもの。
例外は1のerst、3のdritt、8のacht(語形変化なし)の3つで英語よりは少ない。あとは7をsiebentとせずにsiebtと簡略化するケースがあるくらい。
ただし、建物の階数の数え方はアメリカ方式ではなくイギリス(欧州)方式なので注意が必要。
日本語で言う「1階」は「das Erdegeshoss(the ground floor)」で、「2階」が「der[das] erste Stock[werk](the first floor)」。
倍数を表す際には-fachを、反復数(回数)を表す際には-mal(付加語の場合は-malig)をつける。
西暦の記述は、1099年以前と2000~2099年は普通に数字として読めばおk。
1100~1999まで(と2100~2999年まで)は桁を2つに区切って間にhundertを入れる。1Q984年ならneunzehnhundertvierundachtzig(19*100+4+80)と書き、読む。
幸い、我々アニヲタが生きる時代の表記・読みは比較的易しい。世紀を前後にまたぐと一気に面倒になるが。
今年(2019年)は、zweitausendneunzehn(ツヴァイタウゼントノインツェーン)、2000と19。
それから、ドイツ語圏では、小数点に,(カンマ)を使い、桁の区切りに.(ピリオド)を使う(日本と逆になっている)ため、少々戸惑うかも知れない。
区切る桁数は上記の記数法を見てもわかるように3桁ずつ。(例: 1.234.567.890 Euro、円周率は3,14)
数詞に関してはフランス語ほどではないが英語よりもややこしい部類。
ちなみに上記の5(fuenf)のueや、12(zwoelf)のoeは正確にはウムラオトである。
またこの記事の冒頭のセリフ「クーゲルシュライバー」もなかなか格好いいように感じるが、
要はボールペンである
ほかの単語も格好よく
分度器→ヴィンケルメッサー
セブンイレブン→ズィーベンエルフ
007→ヌルヌルズィーベン
下痢→ドルフファーレン
騎士→リッテル
豚→シュヴァイン
豚の塩漬け→アイスヴァイン
マンモス→マムート
弓→ボーゲン
メイス→シュトライコルベン
ナイフ→メッサー
鳩→タウベ
タマネギ→ツヴィーベル
「豚」ですらコレである
他にも黒い森という地名もSchwarzwald(シュヴァルツヴァルト)となり、
かの有名なブリッジストーンをそのままドイツ語にはめると、Brueckestein(ブリュックシュタイン)となる。
尤も全部の単語がそうではなく、
毒→ギフト、死→トート、鮫→ハイ、など日常で使う単語と変わらないような響きのものも結構ある。
他には医療用語はカルテやケロイドなどドイツ語が多い。理由は医療が発達したのがドイツ中心であったため。
後、「風邪」=流行性感冒,発熱性消耗性疾患を日本語ではかなり文字数を食うが、ドイツ語では比較的楽だからというのもある。
また、アルバイトという言葉もドイツ語である。主な意味は労働、副業、内職などで英語のwork(ing)に近い。カタカナのアルバイトよりも広い意味で用いられる。
それからスキージャンプの用語であるK点のKはドイツ語の極限点の頭文字である。
あとどうでもいいがヨーロッパの国では6をセックスと発音するところもある。ニヤニヤするのは日本人と英語圏だろうか。
(もっとも、我々の意味するところのSEXと英語でのそれは、主とするところが異なるが……)
更にどうでもいいがガンダムのジオン公国でも使われている。
リック・ドムⅡ(リック・ドム ツヴァイ)
ドムフュンフ
ノイエ・ジール
等々
他に連邦軍のジムはゲムと発音する(偽装ジムのゲム・カモフや鹵獲ジムのゲファンゲナー・ゲム等)。これはドイツ語にはザ行に当たる発音がないため。
ただ
ザクⅡはザクツーである。
公国も最初は大日本帝国がモデルだったが、いつの間にか(あの人のキャラのせいで)ナチス・ドイツにすりかわった名残だろう。
Wのゼクスもドイツの6からきている。
一方ガンダムSEEDにおいても、MSの武器の名前にドイツ語が頻繁に使われている。
00ではCBの外部組織のMSにドイツ語の名前がついている。
銀河英雄伝説における銀河帝国の公用語も、ドイツ語に近いものとなっている。(但し遠い未来の為、現代と微妙に差異がある)
例:黒色槍騎兵=シュワルツ・ランツェンレイター
◆ドイツ語が使用されている国々 ※()内はそれぞれの国名のドイツ語表記と読み
ドイツ連邦共和国 (Bundesrepublik Deutschland, ブンデスリパブリーク ドイチュラント)
オーストリア共和国 (Republik Österreich, リパブリーク エスタライヒ)
スイス連邦 (Schweizerische Eidgenossenschaft, シュヴァイツェリシェ アイトゲノッセンシャフト 通称: die Schweiz)
リヒテンシュタイン公国 (Fürstentum Liechtenstein, フュルステントゥム リーヒテンシュタイン)
オランダ王国 (Königreich der Niederlande, ケーニヒライヒ デア ニーダーランデ 通称(海外領土を除く本土): die Niederlande)
ベルギー王国 (Königreich Belgien, ケーニヒライヒ ベルギエン)
ルクセンブルク大公国 (Großherzogtum Luxemburg, グロースヘルツォークトゥム ルクセンブルク)
その他各国のドイツ人コミュニティー(東欧、北欧、ロシア、アメリカ、イタリア北部など)