Toshiが行く

日記や趣味、エッセイなどで描く日々

小さな子とのおしゃべり

2020年06月20日 05時48分48秒 | まち歩き
              Sailing
                               歌  Rod Stewart

     I am sailing  I am sailing  Home again  'Cross the sea
     I am sailing,  Stormy waters  To be near you,  To be free
     I am flying,  I am flying     Like a bird  'Cross the sky
     I am flying,  Passing high clouds  To be with you, To be free
     Can you hear me, can you hear me  Through the dark night, far away
     I am dying, forever crying  To be with you,   who can say
                               (写真はお借りしました)

      ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂

出勤の道すがら、すぐ前を3歳か4歳ほどの男の子が、
おそらく保育園に行くのだろう、父親に手を引かれ、
何か楽しそうに話しながら歩いていた。
この子には覚えがある。
2年ほど前は、確か父親が押すベビーカーに乗っていたはずだ。
こんなに大きくなったんだ。
             
   実を言えば、この子をしかと覚えていたのではない。父親の方。
   いつも、ちょっと洒落た、印象に残るいで立ちなのだ。
   この日も、黒のマニッシャハットをロングヘアの上にちょこんと乗せている。
   日によって、これがバケットハットやニットキャップなどとさまざまに変わる。
   それから白の長袖のコットンシャツ、その上に、これも日によって
   さまざまに色が変わるのだが、グレーのベストを合わせ、
   それにやや幅広のパンツという様相だった。

そんないで立ちの父親がベビーカーを押し、少し大きくなると
今度は手を引いて保育園の送り迎えをしている、そんな光景だ。
それも、男の子は父親を見上げ、しきりに何か話しかけるなんて、
実に微笑ましいではないか。朝から気分が良い。
              
   心和ませてくれる小さな子の話をもう一つ。
   妻に同伴して、スーパーへ買い物に出かけることがある。
   そこで、ベビーショッピングカートに乗せられている小さな子をよく見かける。
   男の子もいれば、女の子もいる。
   ベビーカートに乗せられるほどだから、まだ1、2歳だろう。
   どういうわけか、その子たちが「変なお爺ちゃん」と言わんばかりに、
   興味深げにこちらをじっと見るのだ。男の子、女の子関係なく。
   それで、こちらが見返すと、プイと目をそらしてしまう。
   こちらもわざと横を向く。すると、またこちらを見るのだ。
   たまにニコッと笑ってみると、これまた横を向いてしまう。
   面白いから、そんなことを何度か繰り返した。
   そして、バイバイと手を振って離れていくと、
   顔と目はこちらをずっと追ってくる。
   「俺って、何か変な格好しているかな」そっと妻に聞いてみた。
   「あの子にきいてみたら」とニヤリとする。
   どうやら、妻はその子とのやり取りに気付いていたらしい。


常勝軍団

2020年06月19日 05時22分37秒 | エッセイ
       さあ、始まるぞ。待ちに待ったプロ野球の開幕だ。
       今年はコロナウィルスが球界も直撃、プロ野球は開幕できなくなるし、
       高校野球も春、夏の甲子園大会が中止になってしまい、
       野球ファンは消沈の中にあった。
       それがやっと、プロ野球の開幕にこぎつけたのだ。
       無観客試合という寂しさはある。
       だが、野球を見れる、それだけでよいではないか。
       この際、それ以上のことは望むまい。
            
福岡に住む者にとっては、もちろん4年連続日本一を目指す
福岡ソフトバンクホークスを全力応援だ。
今や“常勝軍団”の道をひた走るホークスだが、
思い返せば、無念な思いも随分してきた。
言うまでもなく、このチームの前身はダイエー、さらにさかのぼれば南海ホークスだ。
順序を逆にすると、経営難となっていた南海ホークスを、
福岡を拠点にしてアジアまで商圏を拡大しようと目論むダイエーが買収。
福岡ダイエーホークスとして1988年5月福岡移転が正式に決定した。

    もともと福岡には、西鉄ライオンズという強豪チームがいたが、
    やはり経営難で福岡を離れた。それが今、西武ライオンズとなっているわけだが、
    福岡市民にすれば「栄光のライオンズの夢よ再び」との思いは強く、
    福岡市、福岡市民の間でライオンズに代わるプロ球団の誘致に動いていた。
    福岡市側のそんな思いと、ダイエーの思惑が一致し、
    念願のプロ球団が再び福岡に誕生したわけだ。
                        
この時、ダイエーが打ち上げたのが「ツインドーム構想」だった。
ダイエーホークスの本拠地としてのドーム球場、
それにもう一つが屋内型遊園地を持つアミューズメントドームで、
「さすがダイエー」と博多っ子の度肝を抜いたものだ。
ただ、この構想は1992年に完成したドーム球場のみにとどまった。
さしものダイエーも「ツイン」にまでは力及ばなかったわけだ。

    野球の方に話を戻すと、市民の期待に反して成績はさっぱり。
    Bクラスが続いた。
    王さんを監督に招いたのは95年だが、不甲斐ない試合に怒ったファンが
    監督・選手が乗ったバスに生卵を投げつけるという事件も起きた。
    だが、王さんという人は選手としてスーパースターというだけではなかった。
    歯を食いしばりながら地道に力をつけていき、
    ついに99年福岡移転後初のリーグ優勝を成し遂げたのだ。
                       
この時の感激は忘れられない。テレビ観戦していたのだが、抑えのペトラザが
最後の打者を三振に仕留めた瞬間、それこそ飛び上がって喜んだものだ。
街に繰り出して、提灯行列したいほどの感激だった。
実際、川に飛び込んで喜びを爆発させたファンが何人もいた。
さらに、日本シリーズでも中日ドラゴンズを破って日本一になり、
“常勝軍団”の道を歩み始めたのだ。

    2004年には、今度はダイエーが経営不振に陥り、
    代わってソフトバンクが球団もドーム球場も買収し、今に至っている。
    日本一になったのは、99年以来合わせて8回だ。まさに“常勝軍団”。
    今年、4年連続日本一を達成し、その道を確固たるものにするはずだ。
    まずはロッテ3連戦。いただきます。
              
         こんな話で、他チームファンの皆さん申し訳ない。


メシウマ

2020年06月18日 05時37分55秒 | エッセイ
           水牛にゆらりゆらり

         
     沖縄県の石垣島のさらに西、八重山列島の一つに西表島がある。
     沖縄本島に次ぎ、沖縄県では2番目に大きな島だ。
     昨年7月、ここを3泊4日の日程で訪れた。
     さらに、この西表島と海を挟んで500㍍ほどの所に由布島がある。
     周囲2㌔の小島だ。島全体が亜熱帯植物園となっている。
     西表島と間を挟む海は満潮時でも1㍍ほどにしかならない。
     もっぱら、水牛車に揺られてゆったりと渡る。

      ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂


久しぶりにウオーキングへ出かけた。入院する前日の5月27日以来だ。
かかりつけの女医さんから、「高齢者は、体を動かすことをしないと、
筋力はたちまち落ちますよ。毎日、少しずつでも、
たとえばウオーキングなどで体を動かしてください」そう言われている。
それが20日間、何もしていない。
少々心細くもあり、また術後の体調もほぼ回復してきたので、
足慣らし程度のウオーキングを再開することにした。

   コースはいつもの通り、近くの御笠川沿い。
   17年前氾濫し、我が家を床上まで水浸しにした因縁の川だ。
   すでに梅雨。そう言えば、心なしか水かさが増しているような……。
   用心しなければならない。

さて、歩きながら何だかだと考えるのもいつものことだ。
「人の不幸は蜜の味」という。何の注釈もいらないだろう。
最近は同じ意味で、「他人の不幸で今日も飯がうまい」──
“メシウマ”と言うのだそうだから恐れ入る。
            
   なぜ、こんなことを言い出したのか。
   それは覚えたての「シャーデンフロイデ」という言葉が、
   ひっきりなしに頭をよぎるからだ。
   これは、他人を引きずり下した時に得られる快感のこと。
   さらに言えば、正義を振りかざして人を叩くと得られる快感であり、
   攻撃すればするほど、ドーパミンによる快楽が得られるという。

何事にも意見を異にする人たちがいる。そして、互いを批判する。
民主国家であれば、当然のことだ。
だが最近、批判を通り越して誹謗中傷の類が多いように思う。
特にSNS上で、そんなことが横行しているようだ。
そういう人たちは、間違いなく「自分こそが正義」だと固く信じ、
自分の正義の基準にそぐわない人を、正義を壊す悪人として叩く。
攻撃して、相手が弱れば「してやったり」の快感を得るのであろう。
                         こうしたことは個人対個人だけではない。
   政治の世界においては与党対野党、さらに国対国などということもある。
   それぞれが、自らを正義として相手を攻撃する。
   韓国を“くず”呼ばわりする北朝鮮。
   融和の象徴だった南北共同連絡事務所を爆破するなど、
   関係は急速に悪化している。
   北朝鮮にすれば、自らが正義であり、韓国の脱北者団体が
   大型風船で金正恩批判のビラを撒いたのを許した韓国政府は悪、
   そう決めつけてのことだというが、事はそう単純なことではあるまい。
   韓国をこれほど攻め立てている北朝鮮だが、
   「今日も飯がうまいわい」─そう、ほくそ笑んでいるとはとても思えない。
   独りよがりの攻撃で得られる快感なぞ、そんなものだろう。

落とし穴

2020年06月17日 05時16分45秒 | エッセイ
             野の廃屋


      阿蘇から白水ダムのある大分県竹田市に向かう途中、
      雑草に埋もれるようにポツンと建つ一軒の廃屋があった。
      周りはぐるり畑が広がっているから、おそらく農家だったのだろう。
      農業を見限って去った跡なのだろうか。
      屋根も壁も、あちこち雨風に任せるままになっている。
      すでに寿命は尽きた。ただ、倒壊する日を待っているように見える。
                            (2020年3月末撮影)

      ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂  ⁂

     懇意にしている経営者が語る、今どきの若者の一側面である。

今の若い人たちと交流して思いますのは、彼らは社会で大人と接した際、
大きなギャップを感じているのではないかということです。
特にビジネスの場におけるマナーとコミュニケーションについての悩みは、
相当に大きいようです。
            
   マナーというのは、本来は家庭や学校で学ぶべきものですが、
   それが身につかないまま社会人になったため、現実社会のありように
   戸惑わされているのではないでしょうか。

分かりやすい話をしましょう。
今の若い人たちは、固定電話を使ったことがほとんどないはずです。
この固定電話での相手は、たいてい見知らぬ人ですよね。
それだと、自然と敬語を交えて会話することになります。
そこで、意識しないまま社会における言葉遣い、
マナーを学ぶことになるわけです。
   
   でも、今は携帯電話の時代です。相手は、主に友人、知人、家族といった、
   いわば気安い人たちでしょう。敬語を使う必要もない。
   だから、対等の相手として馴れ馴れしく話す、
   つまり、ため口になってしまうのです。
                                
就職し、会社の上司、あるいは取引先と、そんなため口で
やり取りするとしたらどうでしょう。受け入れてもらえるはずがありません。
本人は、「間違ったことは言っていない。なのに、なぜか分かってもらえない」
とジレンマに陥り、それが悩みとなっているケースが案外と多いのです。

     便利な携帯電話が持つ、一つの落とし穴なのかもしれない。

こんなこともあるさ

2020年06月16日 05時28分29秒 | 日記
    
                 
     佐賀県さん、申し訳ない。ちょっと期待外れでした。
    アジサイは今が最盛期、また九州では知事さんたちの話し合いで、
    他県への行き来、越境ОKとなった。
    梅雨入りしてはいるが、この日は終日曇りとの予報。
    そうとあれば、お隣の佐賀県まで夫婦連れだって、
    アジサイ観賞へというのは、まあ自然といえば自然な話だった。
         
目的地は神埼市脊振町の高取山公園わんぱく王国・そよ風の丘、
それとそこから車で10分ほどの白木地区。
佐賀県観光連盟が、県内のアジサイ名所の1カ所として紹介している。

    まずは高取山公園を目指すことにした。
    ナビによると、一般道路を利用して1時間強。
    朝6時45分頃出発。まだ出勤前の時間だから道路は混んでおらず、
    順調に走行し、予定通り高取山公園には8時ちょっと過ぎに到着した。

平日の早朝ということもあったのだろう、人影はまったくない。
最初に目についたのは、山の斜面を利用した滑り台やローラースライダーだった。
山裾から山頂まで伸びており、あれを滑り降りるのかと思うとちょっと怖い。
遠くから見た感じではあるが、一種の絶叫マシンではないかと思えてくる。

    さて、肝心のアジサイだ。どこっ、どこにある。
    きょろきょろと周囲を見渡すと、園内の所々、
    あるいは滑り台やローラースライダーがあるあたりの山腹、
    それから道路沿い、そんなところに確かにアジサイはあった。
    花自体は今が見ごろに違いないのだが、アジサイが1カ所で妍を競う、
    「アジサイ園」みたいな想像は見事に外れた。
    仕方なく、あちこちのアジサイを一つずつ撮影することにした。
            
それでは、白木地区という所に回ってみるか。
観光連盟の紹介によると、ここは1998年頃から地区の住民が
川沿いから山の斜面、田畑の周辺、さらに道路に沿って
少しずつアジサイを植え続け、それが今では2000株以上にもなっているそうだ。
ただ標高600㍍の所にあるから、開花が平地より若干遅れるという。
さて、どうだろう。道も結構広いし、舗装もしっかりされている。
やがて、とんがり帽子みたいな急こう配の屋根の家が1軒、2軒と見えてきた。
背振山系だ。雪が結構降るのかもしれない。

    道沿いにアジサイが見える。車を止めて、付近を散策してみると、
    なるほど住民が丹精込めたアジサイが、
    山の斜面や水田の側などに咲いている。
    ただ、やはりこの日はまだ満開ではなかった。残念。
    もう1週間から10日すれば、再訪を促すには十分だろう。

    いささか、期待外れのアジサイ探訪ではあったが、
    自然の空気に触れるのはいいな。そんな価値ある1日だった。