小諸 布引便り

信州の大自然に囲まれて、風を感じ、枝を眺めて、徒然に、社会戯評する日帰り温泉の湯治客です。愛犬の介護が終了しました。

BS 戦国武将の決断、徳川家康

2012年09月14日 | 映画・テレビ批評
BS 戦国武将の決断、徳川家康
関ヶ原以後、そのわずか一日の戦いで、作られた集権型幕藩体制が、実はそうではなく、あの戦い自身も、見方によれば、黒田も伊達も、もっと長期化すると戦略を練っていた節があるし、決戦の時に、遅れた秀忠軍も、視点を変えれば、撤退に備えたり、第二回戦を見据えていたりしたという見方も、確かに、頷けなくはない。主力部隊なしでの戦さを決断した家康も、流石に、豊臣恩顧の陣営に、いつ、裏切られるかと、怯えながら決断したのは、さすが、「負けない戦い」の真骨頂であろうか?日本人のリーダーの原型みたいに、観られている家康自身も、外様の豊臣の大名を分権的に、つなぎ、西国不介入という方針の下、地方分権統治をせざるを得なかった当時の背景とか、なかなか、これまでの歴史観とは、異なる見解が、述べられていて、興味深かった。小早川の寝返りだけでなく、毛利との不戦密約など、或いは、関ヶ原自体が、初めから想定された戦場だったのか、先走って、先鋒が、進みすぎた結果だったのか?戦場での「想定外」の連続的な事態に対して、如何に、リーダーとして、決断したのか?「想定外の事態が、当たり前な状況」(何が起きても、不思議ではない状況)の中で、絶望の中の寛容を大切にして、乗り切ったのは、やはり、欧米型の、或いは、信長型のリーダーシップとは、異なる日本型の在り方を、再考しているのかも知れない。その点では、これまでの家康のイメージを覆すような論点、脳外科医の茂木氏による見方など、歴史学者だけの解説とは、異なる面白い視点であったと感じられた。