小諸 布引便り

信州の大自然に囲まれて、風を感じ、枝を眺めて、徒然に、社会戯評する日帰り温泉の湯治客です。愛犬の介護が終了しました。

南欧の銀行は、大丈夫なのか?:

2014年11月02日 | 社会戯評
南欧の銀行は、大丈夫なのか?:
我々は、喉元を過ぎれば、熱さを忘れてしまうように、リーマンショックも、欧州の金融危機も、過ぎ去ってしまえば、今や、遠い過去の記憶の彼方へと消え去ってしまったものなのであろうか?小さい記事であるが、ギリシャやイタリアや、スロベニアなどの総じて、南欧の銀行が、そうやら、欧州中銀によるストレス・テスト(資産査定)の結果、25行も、芳しい結果ではないと、改めて報じられていた。総じて、世界景気への懸念が叫ばれ始めている中で、欧州では、デフレ傾向への懸念とも相俟って、資本不足に伴う貸し渋りや自己資本比率の引き上げのために、融資への一層の慎重さがましてくれば、一段の景気押し下げにもなろうかとも思われるが、どうにも、明るい兆しが見られない。おまけに、ウクライナの対ロ政策の行方次第では、或いは、これまで、欧州景気の下支えに貢献してきたドイツも輸出の不振やら、対ロ制裁から、先行きに不安が出てくるようにでもなれば、欧州経済・金融危機の再来という悪夢も、まんざら、予想せざるを得ないような成り行きである。考えてみれば、日本もついこの間、公的資金を投入して、劇的な回収不能な債権を処理したばかりであったことを想い起こす。成長著しい新興国でも、複雑に絡まった影の不良資産が、不動産市場の低落につれて、いつ何時、顕在化してくるかは、誰しもが容易に想像出来るような状況になりつつあるかも知れない。これまで、余りにも、心理的に、悲観論が跋扈していたから、出来れば、明るい、楽観論のマインド・コントロールの解けるような方向性を指示してきたが、何やら、最近では危なっかしい局面続きである。アメリカは、ブレーキを踏み始め、日本は、アクセルをふかし、欧州は、デフレ突入寸前、中国派、不動産価格下落や景気の先行き不安定などと、、、、、、。TPP交渉も、各国の政治的な思惑が交錯して、二進も三進も行かぬ成り行きであり、年内交渉の基本的な合意すら、危ぶまれ始めている。それにしても、多国間交渉というものは、厄介なものである。一度は、欧州危機も、何とか回避されたが、これから、再び、危機の再来とは、ならぬのであろうか?