小諸 布引便り

信州の大自然に囲まれて、風を感じ、枝を眺めて、徒然に、社会戯評する日帰り温泉の湯治客です。愛犬の介護が終了しました。

函館・江差・松前の桜10景を訪ねる:

2016年04月30日 | 旅行

何と、函館は、カニ族で北海道を周遊した頃から、もう45年ぶりである。今年は、これで、花見が、3度目である。東京・小諸・函館と、、、、、、、。ブラタモリで見た函館の街並みが、見たくなったので、2泊3日のお手軽な旅に夫婦ふたりで参加した。もっとも、開通したばかりの新幹線ではなくて、往復飛行機の旅である。年寄りには、こちらの方が、楽なのかも知れない。ついでといっては何であるが、江差・松前は、行ったことがなかったので、ぐるりと、観光バスで、廻れたのは、幸いであった。少なくとも、今後、これらの小さな地方都市でも、充分、観光的な価値がおおいにあると、実感した。しかも、景気の反映というものは、やはり、人が来て初めて、そして、お金がそこに落ちなければ、ニシン御殿も、建たないし、ましてや、ニラの栽培で、儲からなければ、ニラ御殿も建つわけがない。その意味でも、地方都市の栄枯盛衰は、その建物にも、皮肉にも、表れていることが伺われて、面白いモノである。それにつけても、歴史とか、文化とかというものは、カネでは、買えないものである以上、今日、遺されたものは、大変貴重な観光資源であることが了解されよう。函館などと云うところは、浦賀に上陸したペルリ提督が、有名であるものの、考えてみれば、当時のことを慮れば、北の海防というものは、既に、当時から、重要であったことがここからも窺える。何も、横浜開港だけが、唯一の開かれた港ではないのである。函館も、そのうちの一つだった訳である。しかも、昔から、『北前船』による海上交通による物流拠点であれば、当然、文化自身も、一緒に、お菓子なども、京風のものが、移転されて独自の発達をみたものであろうことは、成る程と納得される。鰊御殿なというものも、当時の豪商の富と文化と心意気を、今日まで、調度品や部屋の佇まいなど、伝えていて、趣きがある。観光の在り方というものは、何も、有名な京都や東京ばかりに限ったモノではないことが、了解される。それにしても、町の発展の仕方、街並みの歴史的な作られ方、函館戊辰戦争の歴史とか、考えてみれば、コンテンツというものは、そこかしこに、いくらでもあるものであり、バスで、容易く、峠を越えても、戊辰戦争当時は、山道を迂回して、激戦が繰り広げられたことが、実感、理解されよう。それにしても、有名な函館山の夜景には、中国人観光客や外人観光客が数多くて、それこそ、押すな押すなの盛況ぶりには、驚きました。又、それが、そっくりそのまま、翌朝の大沼公園でのホテルの朝食会場にも、反映されているとは、想像だにすら、していませんでしたが、それはそれは、凄まじいものでした。12台のバスの内、10台が、中国人観光客のバスで、わずか、2台が、我々、日本人客のバスだったそうです。そして、函館朝市にも、同じ光景が、反映されているとは、凄まじい勢いである。この人達が、間違いなく、個人旅行で、再び、ゆっくりと、リピートしてくれると、観光の裾野は、今後とも、大きく、拡がることは、間違いないでしょうね!文化・体験型へと、爆買い型から、移行してくることは、必至であり、たからこそ、コンテンツが重要になってくることでしょう。疑いのないところですし、対日感情も、当然、変化してくることでしょうね。まるで、蒙古襲来の如き様相でした。トラピスチヌ修道院では、昔、バター飴が有名だったのに、今日では、平均年齢が高齢化してしまい、クッキーの生産に、移行してしまったと、一寸、淋しい説明がありました。そう言えば、細長い缶のバター飴を昔、お土産に買ったのを、懐かしく想い出しました。45年前に見た五稜郭での『碧血の碑』(義に殉じた人の血は、碧い)という碑が、戊辰戦争の激戦地の峠のダムの横にも、あることを、ガイドの説明で、知りました。石川啄木の記念館が、土方歳三とともに、あるのも、時代を反映しているのでありましょうか?函館市内の坂道や市街路面電車の風景も、各国の基督教会の建物も、なかなか、街並みを保存することで、景観も含めて、観光地というものは、鰊御殿でも、豪商の商家でも、建築遺産というものは、やはり、保存することで、付加価値が高まることが、再認識される。それでも、人口の減少が止まない現実は、おおいに、困ったことである。もっとも、皮肉にも、都市が衰退すればするほど、都市遺産というものが、逆に、価値が上がってくるという現実には、本当に、困ったことである。ヒトが、足を運び、そして、リピーターとして、再び、やってくるようになり、そこに、お金が落ちることで、又、元気になることは、やはり、必要不可欠であり、年寄りは、お金を地元に、落としてあげることくらいしか、出来ないのであろうか?実に考えさせられるものがある。小椋佳の作詞作曲で、美空ひばりが歌った、『函館山から、立待岬、、、、、』という歌を想い出す。