1992年9月号のCREA(クレア)は、「THE少女マンガ!!」という特集で、漫画家さんのインタビューも多く、資料的に大変参考になります。その中で、美内 すずえ氏は、
ひとつの作品は突然変異みたいに出てくるんじゃなくて、少女マンガ家ならある作品を見て、ああこの作者は幼い頃にあの作品を熱心に読んだんじゃないか、今あのマンガ家に影響を受けているんじゃないか・・・と言ったことが実感的に分かるんですね。
と言ってます。判ります そういう作品多いです。お話が同じという意味じゃ無いですよ。
で、例をひとつ。
石森(当時)章太郎先生の少女マンガで、「きりとばらとほしと」という作品があります。初出は 「少女クラブ」 の多分1962年頃。1部から3部に分かれた読切り短編で、三つ合わせても長いものでは有りません。
これ、吸血鬼のお話で、1部 きり は1903年7月のオーストリア、2部 ばら は1962年8月の日本、3部 ほし は2008年9月のアメリカという設定になっています。主人公のリリが、1部で吸血鬼になり、時間を越えて生きるというお話。
私には2部日本の巻で、リリがばらの花を折って枯れさせながら、「吸血鬼よほんものの・・・」と言っている場面が印象に残る。
きりとばらとほしと
さて、前出のCREAで、萩尾 望都先生が、インタビューの中で、
以下 引用
「ポーの一族」の発想は ?
不老不死の人間の話って面白いんじゃないかと。そこから思いついた作品なんですね。私が小学校のころ石ノ森章太郎さんが「きりとばらとほしと」という吸血鬼のオムニバスを描いてらっしゃるんですよ。馬車が出てくるような時代に吸血鬼にされてしまった少女が、自動車がびゅんびゅん走っている現代からロケットが飛び交う未来まで生きてるっていう物語・・・。それがとても印象に残ってて。
と答えています。「きりと~」にインスパイアされて「ポーの一族」が生まれたんですねー。
で、次の吸血鬼のお話は・・・。私がこの3連休に読んでいた、木原 敏江 「銀河荘なの!」 初出誌 週間マーガレット 1974年26号~44号。
この中に出てくるマダム・セレメーとその息子3人が吸血鬼です。昔は父親や一族いたようだけど。と言っても、この一族はトランシルバニア星人という宇宙人で、昔ながらのドラキュラタイプの吸血鬼では無いという設定です。
この作品、木原ファンサイトの「あ~らDOZI様!」の中で、いろんなマンガ家さんたちがお手伝いしているというのを読んで (なんと池田 理代子先生がメシスタントという豪華ぶり ! )、読みたくなり まんだらけ にて秋田文庫版210円で購入。
私の持っているのは、秋田文庫平成11年12月10日初版のもの
ワクワクしながら点検していくと、学園のモブシーン(秋田文庫 P42)で大島 弓子氏発見 ! さすが大親友さん。おっと、望都様も壁にかかった絵(P28)と、「ジークフリートの日記」(P69)の中と、P253には、「とつべつ出演 ポーの一族 望都画 」 とキャプション入りで麗しのエドガー様が~。
その他、えっ、これって忠津陽子先生じゃ、とか、私には分からなかったけど、島津響子、花郁悠紀子、名香智子、あべりつこ、佐藤史生各先生達がアシスタントというかお手伝いというか、加わっているという話です。昔はマンガ家さんたちの交流が深かったのですね。この作品をお持ちの方は特に学園内のモブシーン、じっくり見てください。摩利と白菊 (摩利と新吾) 迄いますよ。(笑)
えっ大事なストーリーの方は・・・。基本はラブコメですが、途中しんみりする所も。特に最後はDOZIさまのメッセージが強いです。キャラの中で私のお気に入りは、長男の女嫌いのヘルメス教授。大人の魅力ですが、この中ではどう考えても30歳代、しかも前半くらい。私から見れば息子ですけど、そんな事はマンガを読んでいる間は忘れて、どっぷりその世界に浸りましょ。
今回のフィリップ(DOZI様名物スター) は、主人公ビクトリアの死んだ父親の売れっ子作家だった フィリップ グレイ という事になってますが、ヘルメスは彼に似ているという事で、亜フィリップです。しかし、フィリップの証拠である目頭の水滴はありません。
この年になると、ドジで間抜けな豆だぬきちゃんの当時の木原作品ヒロインは、流石に感情移入できないけど、男性の登場人物にはすんなり入っていけます。当時から木原先生は大人っぽい方だったのね。出版社や担当さんに言われて等身大のヒロインを描いていたけど、本当はもっと後の作品に出てくるような男性(しかも美形)を主人公に描いてみたかったのでしょう。
あら、長くなっちゃった。
とにかく、こうして連綿と吸血鬼マンガは続いていくって・・・あれっ?私、1980年~2000年台のマンガ、詳しくないんだった。どなたか、この年代で吸血鬼が出てくるの教えてください ! 今は・・・無いですよねー
今、書きたいことが目白押しで、
「時空を飛び越えて愛し合う男女の物語の系譜」
「なぜ、萩尾 望都 銀の三角 は 11人いる! より有名で無いのか」
などを草稿中です。
10月13日、「マンガの中の吸血鬼の系譜」 を見つけたので、こちらの追加としてUPしました。 ↓
マンガの中の吸血鬼の系譜
ひとつの作品は突然変異みたいに出てくるんじゃなくて、少女マンガ家ならある作品を見て、ああこの作者は幼い頃にあの作品を熱心に読んだんじゃないか、今あのマンガ家に影響を受けているんじゃないか・・・と言ったことが実感的に分かるんですね。
と言ってます。判ります そういう作品多いです。お話が同じという意味じゃ無いですよ。
で、例をひとつ。
石森(当時)章太郎先生の少女マンガで、「きりとばらとほしと」という作品があります。初出は 「少女クラブ」 の多分1962年頃。1部から3部に分かれた読切り短編で、三つ合わせても長いものでは有りません。
これ、吸血鬼のお話で、1部 きり は1903年7月のオーストリア、2部 ばら は1962年8月の日本、3部 ほし は2008年9月のアメリカという設定になっています。主人公のリリが、1部で吸血鬼になり、時間を越えて生きるというお話。
私には2部日本の巻で、リリがばらの花を折って枯れさせながら、「吸血鬼よほんものの・・・」と言っている場面が印象に残る。
きりとばらとほしと
さて、前出のCREAで、萩尾 望都先生が、インタビューの中で、
以下 引用
「ポーの一族」の発想は ?
不老不死の人間の話って面白いんじゃないかと。そこから思いついた作品なんですね。私が小学校のころ石ノ森章太郎さんが「きりとばらとほしと」という吸血鬼のオムニバスを描いてらっしゃるんですよ。馬車が出てくるような時代に吸血鬼にされてしまった少女が、自動車がびゅんびゅん走っている現代からロケットが飛び交う未来まで生きてるっていう物語・・・。それがとても印象に残ってて。
と答えています。「きりと~」にインスパイアされて「ポーの一族」が生まれたんですねー。
で、次の吸血鬼のお話は・・・。私がこの3連休に読んでいた、木原 敏江 「銀河荘なの!」 初出誌 週間マーガレット 1974年26号~44号。
この中に出てくるマダム・セレメーとその息子3人が吸血鬼です。昔は父親や一族いたようだけど。と言っても、この一族はトランシルバニア星人という宇宙人で、昔ながらのドラキュラタイプの吸血鬼では無いという設定です。
この作品、木原ファンサイトの「あ~らDOZI様!」の中で、いろんなマンガ家さんたちがお手伝いしているというのを読んで (なんと池田 理代子先生がメシスタントという豪華ぶり ! )、読みたくなり まんだらけ にて秋田文庫版210円で購入。
私の持っているのは、秋田文庫平成11年12月10日初版のもの
ワクワクしながら点検していくと、学園のモブシーン(秋田文庫 P42)で大島 弓子氏発見 ! さすが大親友さん。おっと、望都様も壁にかかった絵(P28)と、「ジークフリートの日記」(P69)の中と、P253には、「とつべつ出演 ポーの一族 望都画 」 とキャプション入りで麗しのエドガー様が~。
その他、えっ、これって忠津陽子先生じゃ、とか、私には分からなかったけど、島津響子、花郁悠紀子、名香智子、あべりつこ、佐藤史生各先生達がアシスタントというかお手伝いというか、加わっているという話です。昔はマンガ家さんたちの交流が深かったのですね。この作品をお持ちの方は特に学園内のモブシーン、じっくり見てください。摩利と白菊 (摩利と新吾) 迄いますよ。(笑)
えっ大事なストーリーの方は・・・。基本はラブコメですが、途中しんみりする所も。特に最後はDOZIさまのメッセージが強いです。キャラの中で私のお気に入りは、長男の女嫌いのヘルメス教授。大人の魅力ですが、この中ではどう考えても30歳代、しかも前半くらい。私から見れば息子ですけど、そんな事はマンガを読んでいる間は忘れて、どっぷりその世界に浸りましょ。
今回のフィリップ(DOZI様名物スター) は、主人公ビクトリアの死んだ父親の売れっ子作家だった フィリップ グレイ という事になってますが、ヘルメスは彼に似ているという事で、亜フィリップです。しかし、フィリップの証拠である目頭の水滴はありません。
この年になると、ドジで間抜けな豆だぬきちゃんの当時の木原作品ヒロインは、流石に感情移入できないけど、男性の登場人物にはすんなり入っていけます。当時から木原先生は大人っぽい方だったのね。出版社や担当さんに言われて等身大のヒロインを描いていたけど、本当はもっと後の作品に出てくるような男性(しかも美形)を主人公に描いてみたかったのでしょう。
あら、長くなっちゃった。
とにかく、こうして連綿と吸血鬼マンガは続いていくって・・・あれっ?私、1980年~2000年台のマンガ、詳しくないんだった。どなたか、この年代で吸血鬼が出てくるの教えてください ! 今は・・・無いですよねー
今、書きたいことが目白押しで、
「時空を飛び越えて愛し合う男女の物語の系譜」
「なぜ、萩尾 望都 銀の三角 は 11人いる! より有名で無いのか」
などを草稿中です。
10月13日、「マンガの中の吸血鬼の系譜」 を見つけたので、こちらの追加としてUPしました。 ↓
マンガの中の吸血鬼の系譜
わかります!!
完全に影響された画風の人とか
どことなく同じにおいを感じる人とか、
で、「銀河荘なの!」
ですが、
まさに「ときめきトゥナイト」
ではないですか~!!
きっと木原敏江の影響を受けてるはず~!!
昔の漫画家さんってほんと楽しそうに交流してますよね。今の人もそうなんだろうか?
出版サイドが出さないだけないかな?
>吸血鬼を題材にした漫画
う~んと「ときめきトゥナイト」以外では
篠原烏童さんの「純白の血」「夜明けのヴァンパイア 」
秋乃茉莉さんの「夜の過客」
垣野内成美さんの「吸血姫美夕」
冬目景さんの「羊のうた」
う~んまだあった気がするんだけど・・・
「ときめきトゥナイト」って読んだ事無いーー。読みたい マンガ喫茶行かなくちゃー。ありがとねー。
UPしたとたん、続々とお返事がぁ~。ありがとうございます。うわうわ、私の知らないマンガばかりだわ。皆さんにいろいろ教えてもらって、楽しいやら、読むもの増えて忙しいやら、嬉しい悲鳴の日々です。これらも、覚えておいて、いつかは読みます ! ほんと、マンガ談義は楽しいわー。
昭和60年位から出ているので…
新しいモノではないですネ(笑)
一話完結なので何処から読んでもOKです。
マンガ喫茶向けですよ~ん。
話は少し物悲しいかな…?
「ホラーコミック」や「サスペリア」に連載されていました(月刊誌)でも、怖くはないです。
マンガ喫茶には確実にある本だと思います!
「ポーの一族」とはタイプがかなり違いますが
内面の苦悩は吸血鬼のソレなんで(笑)
篠原烏童作「夜明けのヴァンパイア 」はアン・ライスの「夜明けのバンパイア」が原作だと思います。映画では「インタビューウィズバンパイア」です。こちらの作品も私的にはオススメ!です。
「純白の血」は悲しかった…
だから、囲いのあるマンガ喫茶が良いかも(笑)
ありゃりゃ、たれぞ~さんとダブってるワ。
吸血鬼物でパッと浮かぶのは私はこの3本でーす。
>「吸血姫美夕」垣野内成美作
マンガ喫茶で背表紙だけはよく見てました。この方読んだ事なくて (雑誌の中では読んでるかなー) 知らないとつい手に取りませんよね。皆さんに教えてもらって、幅が広がりますね。今度マンガ喫茶で読んでみます。
>篠原烏童作「夜明けのヴァンパイア 」はアン・ライスの「夜明けのバンパイア」が原作だと思います。映画では「インタビューウィズバンパイア」
「インタビューウィズバンパイア」見ましたよー。それのマンガ版なんだ。これもマンガ喫茶にあるかなー。「純白の血」も面白そうだし。はぁ~読みたいものが続々と・・・。
~今の「吸血鬼」モノはアニメで追っかけてます♪(^o^)。
1年つづいて今回終った「BLOOD+」は主人公、小夜(さや)とその血を飲んで
吸血鬼(この物語では翼手(よくしゅ)と呼ぶ)となりその下僕になった青年・ハジと
人間の正義の味方派と敵方、小夜(さや)の双子の妹の翼手(よくしゅ)派の闘い。
この秋に始まったアニメでは「吸血鬼」モノの「ブラック・ブラッド・ブラザーズ(BBB)」
が私は一番気に入ってます。こっちでは放送されないんですが、毎週無料配信で
見れるんで嬉しいんです♪(^o^)。
(↓)「ブラック・ブラッド・ブラザーズ(BBB)」サイト
http://character.biglobe.ne.jp/BBB/
望都センセの「銀の三角」という作品は知りません
ぜひ草稿を仕上げて読ませてください~
「ポーの一族」は一番好きな漫画でして
手持ちの本がかなりくたびれて来ているので、新しいのも買っておこうかなぁ~などと思っています。
この夏は「ダンス・オブ・ヴァンパイヤ」(帝劇の舞台ですが)を何度か見たのですが「ポーの一族」の方がずっと面白いぞぉ~ と個人的には思っています(笑)
今はアニメに行ってますか。それと、BLものでは結構見ているような、って、私BLは直野 儚羅さんしか読んだ事無いんですけど。この方、動物と子供の絵がむちゃ、可愛くて・・・。(BLだろ~?なんか違うような)
アニメまでは流石に見てられないです。
tooru_itouさん、守備範囲が広くて、HP見てると無限を感じますね。
いらっしゃいませ。 「ポーの一族」繋がりでトラバさせて頂き、早速お越しいただき嬉しいです。
>望都センセの「銀の三角」という作品
名作ですよ。つねづね、「11人いる!」より知られていないので、不満に思っていたものです。発表された雑誌が原因だとは思いますが。詳しくはそのうちUPしますね。
舞台の話題を見に、又伺います。これからも宜しくお願い申し上げます。