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月子のティーハウス(絵本)を作成しております

ほごねこお兄さん

2024年05月01日 | 月子のティーハウス(番外編・エピソード)

ほごねこ

今回は、保護猫のお話しをさせてください
駅前の広場では、時々保護猫の譲渡会が行われております
ケージに入った保護猫たちが
新しい家族との出会いを待っております

ある時、保護猫の募金活動をしているお兄さんに私は出会いました
大きな声で道行く人に呼びかけ、深々と頭を下げております

これほど熱心な呼びかけを聞いたことはありません
真摯に頭を下げる訴えに、私は心を動かされました

少額ですが寄付をさせて頂くと
チラシを持って、お兄さんが挨拶に来てくれました

私の住まいでは、ワンちゃんやネコちゃんの飼育は禁じられております
それをお断りした上でお話を聞きました

チラシの一番上に掲載されている子を何とか救いたいと
ガラガラ声で、お兄さんは言いました

「この子はFIV(猫エイズ)で、事故にも合っており
家族として迎える条件が厳しいのですが…」

そこでようやく私は気がつきました
この子を救いたいからこそ、熱心にお兄さんは呼びかけていたのです

弱いものを守ってあげたい
小さな命を救いたい

これがお兄さんの気持ちだったのです
悲しい保護猫、そして何て心の優しい若者でしょう

ネコが悪いのではなく、飼育を放棄するヒトに原因があるのでは?
私がたずねると、お兄さんは小さく頷きました

月子のティーハウス・第1話は
どなたにも親しみやすいストーリーで始めたいと
私は考えておりました

猫を登場させよう!私は思いました
その猫を、さくらと私は名付けました


(僕たちを大事にしてね

ご一読ありがとうございました

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第1話・さくら

2024年05月01日 | 月子のティーハウス(プロローグ・第1話~第5話)

ご訪問ありがとうございます

月子のティーハウス
(moon child's tea house)

第1話 さくら

陽光が輝きを増す5月の朝
ティーハウスの前には、山吹の花が咲いている

エントランスを掃除するため、月子はドアを開けた
1匹のきじねこがいた

「入っていい?」きじねこが尋ねた
「ええ、どうぞ…」月子は答えた

きじねこはするすると入り、朝日のあたる窓辺に行った

ホウロウの深皿にミルクを入れ
バターココナッツと共に、月子は差し出した

「ありがとう」

きじねこはミルクを飲み、バターココナッツを食べた
(シャクシャク、シャクシャク)

きじねこは話し出した
「僕には名前がないんだ、僕は名前がほしい」

ガラスボウルに水を注ぎ、もう一度月子は運んであげた
「名前がないの?」月子は尋ねた

「僕は野原に捨てられた」
「それから網に入れられて眠ってしまった」

「目が覚めたら近くにいたの?」月子は話した
「…そう」

月子は、きじねこの耳を見ていた…
「さくらくんでどう?」月子は問いかけた

「うん、さくらがいい」
きじねこ(さくら)は、うれしそうだった

「ありがとう、それからごちそうさま」
ティーハウスを出ると、さくらは雑草の中に消えて行った



ご一読ありがとうございました

 

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