月子のティーハウス
(moon child's tea house)
第2話 微笑む男の子
「微笑む男の子」は、幼い頃の友人をベースに作成いたしました
従って、ストーリーの中にご不快なキーワードがあるかもしれません
何卒ご容赦のほどお願い申し上げます
ゆったりとした日差しが、テーブルの周りを照らしている
時計は正午近くを指していた
月子がドアを振り返ると、男の子は黙ってティーハウスに入って来た
「いらっしゃい」月子が声をかけると、男の子は微笑んだ
本当は、ずっとずっと前から微笑んでいるようだ
「窓の近くのお席へ行く?」
男の子はうなずき、月子に椅子をひかれるとすぐに座った
(10歳に満たない男の子)月子は思った
男の子の服装は、白いシャツに半ズボン、靴は運動靴だった
それから瞳は半月のようであった
「ばやりすおれんじ」男の子は言った
デュラレクスのグラスに氷を入れ
月子はバヤリス・オレンジジュースを注いだ
それからストローを用意し、トレイに乗せて運んだ
「お待たせしました」
男の子はストローからオレンジジュースを飲んだ
「ぼくのなまえはまつざわたかし」
「せんせいはせんてんせいがんけんかすい(先天*眼瞼*垂)といってた」
「せんてんせいがんけんかすい?」
月子が繰り返すと、男の子は自分の瞳を指さした
「ようちえんをそつぎょうしてからはべつのがっこうへいった」
「でもずいぶんいじめられた、それからからだもよわかったからおやすみもした」
「とってもつらかったわね」月子は言った
「ようちえんのとき、となりにすわっていたともだちにおれいがいいたい」
「ありがとうって、そのともだちだけがぼくのとなりにいてくれたから」
「いいお友達だったのね」月子は頷きながら答えた
まつざわたかしくんも頷いた
「ここへくればだいじょうぶっていわれた」
「ええ大丈夫よ、かならず伝えるから」月子は答えた
まつざわたかしくんは、バヤリスオレンジを飲みほした
「ごちそうさま」
入って来た時と同じ様に
微笑みながら、まつざわたかしくんはドアへ向かった
そして小さな炎が消える様に「ふっ…」といなくなった
ご一読ありがとうございました
お忙しい中、ご訪問頂きありがとうございます
私も楽しく拝見しております
季節の変わり目です
ご家族の皆さま、どうぞご自愛ください
いつもありがとうございます✨
心温まる素敵な文章、いつもほっこり癒されています🤲
これからも楽しみにしています〜
今後も宜しくお願いいたします🙇♀️
(chami)