未熟者武道記

空手徒然。
二つの戈を止める武を核とし、諸諸と調和して溶け込んで。(いけたらいいな)

大先生

2019-03-21 20:51:30 | 日記
ニュースでもみるかとヤフーニュースを開いたら友人の師匠の記事が出ていました。猪熊先生。御歳九十九。お会いした当時は八十五辺りだったでしょうか。生きるパワーを感じる先生です。

何年か振りにふらっと立ち寄っても「おお◯◯君、よう来たなあ」と本気でやっていた訳でもない自分らの名前を憶えていてくれるのが嬉しいと友人は言っておりました。確かにすごく大事なことですね。

やはり私が香川に居た高校時代から空手道場の間では有名で、老眼が無いとか戦時中の癖か一人での食事中は横に長槍を置いていて、高弟であっても「これ以上近付いたら殺すよ」とか田舎ならではの嘘か真かわからない噂が飛び交っておりました。

大学在学中か卒業してからかその辺りで友人に連れて行ってもらい初めてお会いしましたが、噂の人物像とかけ離れた円やかな雰囲気のお爺ちゃま。記事の通り道場のスタイルはフリー。私の通った道場もそうでしたから田舎のスタイルなのかもしれません。私は正道会館に来た時は逆にそのシステマチックさにびっくりしましたから。私が指導中に出す思い付きやいい加減さはその名残です(笑)

当時まだ競技志向でしょうむない三流空手家だった私にも「あっ、この先生本物や」と分かる先生でした。見学だけで暇を持て余した私が拳をコツコツ何かに当てていたら「そんなことしたらいかん。拳悪するだけやで」と仰っていたのが凄く今でも頭に焼き付いています。癖で鉄骨等今でも殴ってしまいますが、部位が掌底等に変わる瞬間は猪熊先生の言葉が頭をよぎった瞬間です(笑)

組手もありませんでした。
師範代が技を試したい若者の技を受けてあげている光景はありましたが。生涯武道を考えた時、あの日は空手観が大きく変わるきっかけになった一日と言っても良い日でした。

もう一度お会いしとうございます。
ちょうどその友人が家を建てたので新築祝いに行った時また連れて行ってもらいますか。




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