瞑想と精神世界

瞑想や精神世界を中心とする覚書

内的な変化

2006年10月13日 | 瞑想日記
9日に取り上げたケン・ウィルバー『グレース&グリット』のレビューの中で、いちばん感じることが多いのはトレヤの次の言葉だ。

「困難に立ち向かい、肉体的な健康を手に入れることや、社会で確固とした成果をあげることを、わたしは成功とみなしてきました。けれども今、わたしは、ものの見方の変化、つまり、より高い基盤からの選択とは、内的変化であり、内的選択であること、すなわちわたしたちの存在における内的な変容なのだと感じています。」

肉体的な健康すらも第一義的なことではない。それよりももっと大切なことがある。健康を失い、絶望的な病を経験することでこそ、内的な成長を遂げていくこともある。トレヤはまさにそうであった。

「内的な変化」は、肉体的な健康よりも、そしておそらく肉体的な死よりも大切なことなのだというメッセージが、私に深く働きかけてくる。肉体とは別の次元で健康になっていく、つまり霊的に成長していく。「限りあるいのち」を与えられた私たちに問われているのは、それだ。

日常の雑事に追われていると、こういう視点を忘れてしまうことが多い。しかし、日に何回か、ふと今ここに与えられているいのちを思う。そして、この日常的な雑務の中でこそ、内的に、霊的により解放されていくことが私たち一人一人の、もっとも大切な課題なのだということを感じなおす。


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