【日本 7-12 キューバ】
第5回世界大学野球選手権の予選ラウンド第3戦、日本はキューバに7対12で敗れた。先発の藤岡貴裕(東洋大3年)が2被弾で3点を先制されると、その後も菅野智之(東海大3年)ら4投手をつぎ込んだものの、キューバ打線を止められず。16安打4本塁打を浴び12失点と打ち込まれた。
打線は2回、鈴木大地(東洋大3年)の3ランなどで4点を奪い一時は勝ち越し。9回にも相手エラーと4本のヒットで3点を返す粘りを見せたが、反撃も及ばなかった。
日本は予選ラウンドを2勝1敗で終え、B組2位が確定。準々決勝の相手と日程は、明日2日に決定する。
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175センチ、75キロ。決して大きな体ではないが、秘めたパンチ力は本物だ。3点リードを許した2回、1点を返しなおも2死一、二塁。打席に立った鈴木大地(東洋大3年)が初球を狙い打ってフルスイングする。次の瞬間、鋭いライナーがライトスタンドに突き刺さった。初回の3失点で意気消沈するムードを吹き飛ばす、逆転3ランだった。
「球の速いピッチャーを予想していたけど、思ったほどではなかったです。相手がキューバというのは意識していませんでした」
打ったサンチェスは昨年のWBCメンバーだ。“格上”ともいえる投手を打ち砕き、マウンドから引きずり下ろした。鈴木はこの日、第1打席でセンター前ヒット、第5打席でもライト線に二塁打を放つ大当たり。4打数3安打・1四球・3打点・1本塁打の大活躍だった。しかし、チームは敗れただけに、会見では終始渋い表情。「日本は3四球で満塁のチャンスをもらったときに生かせなかった。ここ一番の集中力で相手が上だったと思う」と敗因を分析した。
東洋大では入学以来、5シーズンで東都リーグ4度の優勝、3度の日本一に輝いた。その常勝軍団において、勝負強さを買われ4番を務める。その持ち味は、時に中軸よりも頼りになるポイントゲッターになる。準々決勝からは負けられない戦いが続くトーナメント戦。何度となく訪れるであろう“ここ一番”で大地の勝負強さが力を発揮する。
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圧倒的パワーに、ただ苦笑いを浮かべるほかなかった。厳しく内角を突いたつもりが、白球はレフトスタンド中段に突き刺さっていた。
マウンド上の藤岡の表情からは「あれを持っていくかあ」という諦めとも、感嘆ともつかない気持ちが読み取れた。
決して調子が悪いようには見えなかった。直球は最速147キロを計測し、変化球のキレもいつも通り。だが、キューバ打線の破壊力は、一段も二段も上だった。「日本では通用する真っすぐが通用しなかった」と藤岡は悔しがる。榎本監督も「指示通り内角を攻めたが、中途半端になった。その分だけファウルにならなかった」と悔やんだ。
榎本監督は「次はケンカ野球。もっと厳しく内角を攻めさせます」と再戦に意欲を見せた。この日の敗戦で日本はB組2位、キューバは同1位が確定し、再び対戦するには両チームともに決勝まで進出しなくてはならない。筆者は今後の投手起用は、準々決勝を野村裕輔(明治大3年)、準決勝をエース斎藤佑樹(早稲田大4年)の先発と予想する。そして決勝は、再び藤岡に先発マウンドを託しての総力戦になるだろう。藤岡は2回以降、キューバの強力打線が相手でもある程度試合を作れることを予感させた。カーブをうまく使ってタイミングをずらす場面もが見られたからだ。もし、筆者の思惑通りに事が進んだとしたら、藤岡はこの日の反省を生かし、しっかりと役割を果たしてくれるはずだ。
第5回世界大学野球選手権の予選ラウンド第3戦、日本はキューバに7対12で敗れた。先発の藤岡貴裕(東洋大3年)が2被弾で3点を先制されると、その後も菅野智之(東海大3年)ら4投手をつぎ込んだものの、キューバ打線を止められず。16安打4本塁打を浴び12失点と打ち込まれた。
打線は2回、鈴木大地(東洋大3年)の3ランなどで4点を奪い一時は勝ち越し。9回にも相手エラーと4本のヒットで3点を返す粘りを見せたが、反撃も及ばなかった。
日本は予選ラウンドを2勝1敗で終え、B組2位が確定。準々決勝の相手と日程は、明日2日に決定する。
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175センチ、75キロ。決して大きな体ではないが、秘めたパンチ力は本物だ。3点リードを許した2回、1点を返しなおも2死一、二塁。打席に立った鈴木大地(東洋大3年)が初球を狙い打ってフルスイングする。次の瞬間、鋭いライナーがライトスタンドに突き刺さった。初回の3失点で意気消沈するムードを吹き飛ばす、逆転3ランだった。
「球の速いピッチャーを予想していたけど、思ったほどではなかったです。相手がキューバというのは意識していませんでした」
打ったサンチェスは昨年のWBCメンバーだ。“格上”ともいえる投手を打ち砕き、マウンドから引きずり下ろした。鈴木はこの日、第1打席でセンター前ヒット、第5打席でもライト線に二塁打を放つ大当たり。4打数3安打・1四球・3打点・1本塁打の大活躍だった。しかし、チームは敗れただけに、会見では終始渋い表情。「日本は3四球で満塁のチャンスをもらったときに生かせなかった。ここ一番の集中力で相手が上だったと思う」と敗因を分析した。
東洋大では入学以来、5シーズンで東都リーグ4度の優勝、3度の日本一に輝いた。その常勝軍団において、勝負強さを買われ4番を務める。その持ち味は、時に中軸よりも頼りになるポイントゲッターになる。準々決勝からは負けられない戦いが続くトーナメント戦。何度となく訪れるであろう“ここ一番”で大地の勝負強さが力を発揮する。
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圧倒的パワーに、ただ苦笑いを浮かべるほかなかった。厳しく内角を突いたつもりが、白球はレフトスタンド中段に突き刺さっていた。
マウンド上の藤岡の表情からは「あれを持っていくかあ」という諦めとも、感嘆ともつかない気持ちが読み取れた。
決して調子が悪いようには見えなかった。直球は最速147キロを計測し、変化球のキレもいつも通り。だが、キューバ打線の破壊力は、一段も二段も上だった。「日本では通用する真っすぐが通用しなかった」と藤岡は悔しがる。榎本監督も「指示通り内角を攻めたが、中途半端になった。その分だけファウルにならなかった」と悔やんだ。
榎本監督は「次はケンカ野球。もっと厳しく内角を攻めさせます」と再戦に意欲を見せた。この日の敗戦で日本はB組2位、キューバは同1位が確定し、再び対戦するには両チームともに決勝まで進出しなくてはならない。筆者は今後の投手起用は、準々決勝を野村裕輔(明治大3年)、準決勝をエース斎藤佑樹(早稲田大4年)の先発と予想する。そして決勝は、再び藤岡に先発マウンドを託しての総力戦になるだろう。藤岡は2回以降、キューバの強力打線が相手でもある程度試合を作れることを予感させた。カーブをうまく使ってタイミングをずらす場面もが見られたからだ。もし、筆者の思惑通りに事が進んだとしたら、藤岡はこの日の反省を生かし、しっかりと役割を果たしてくれるはずだ。