若さで鬼門は超えられず
J開幕以降19戦19敗。
そんな鬼門・カシマスタジアムに乗り込んだグランパスのスターティングイレブンは、平均年齢が22・36歳というフレッシュなメンバーだった。
こうなると期待するのは、もちろん若手ならではアグレッシブさを全面に押し出した戦いだ。
しかし、期待したほどの活力を発揮することはできなかった。
立ち上がりこそ玉田、杉本のスピードを生かしたサイド攻撃でペースを握ったグランパスだったが、前半21分に最初のピンチをむかえると、あっさり先制を許す。
すると、序盤の勢いは一気にトーンダウン。
横パスが多くなり、攻め手は杉本の突破のみになってしまう。
これではほぼベストメンバーのアントラーズを崩せるはずがない。
「(立ち上がりは)若手中心にしては良かったと思う。ただ、勝つことにもっと貪欲にならならないと」
地元での試合にどうしても勝ちたかったという杉本は闘争心の足りなさを指摘する。
技術や戦術以前に、戦う姿勢ができていなかったのだ。
明日へつながる初ゴール
そんななか、溢れんばかりの闘志を見せてくれたのが本田と巻だ。
本田は警告を受けるほど激しいあたりを見せ、中盤でボールを追い続けた。
そのファイトが身を結んだのが同23分。
相手GK曽ヶ端目指して、本田が猛烈なチェイスをかける。
するとそれまで完璧なゴールキーピングを見せていた曽ヶ端にこの日唯一のミスが生まれた。
フィードが本田に当たったのだ。
そのこぼれ玉を巻が拾うと、相手DFをふたり背負いながらもドリブルを開始。
十分に間合いを計り、左足を振りぬくと、ボールはネットを揺らした。
巻佑樹のプロ入り初ゴールである。
だが、そんな記念すべきゴールにも巻はまったく歓喜の色を見せなかった。
一目散にボールを拾うと、センターサークルに全力疾走。
「負けていたので追いつかないといけないと思っていた」
そう言って唇を噛んだルーキーは、負けることをことさら嫌がった。
「もっとがむしゃらにゴールに向かっていきたい。チームのためにもっと献身的に動きたい」
悔しさを隠そうともせず、次戦以降の抱負を語るその目は向上心に満ちている。
一方、ゴールをお膳立てした本田には、怒りの色さえ浮かぶ。
「(主力の出場停止、休養で)チャンスを貰っているのに、こんな戦い方をして腹立たしい。もっとできるはず」
チームメイトの力を信じているからこそ、結果が伴わないことに納得がいかないのだ。
「サッカーだから、アンラッキーなこともある。次から切り替えてがんばる」
オリンピック予選も控える背番号24は、悔しさをにじませながらもしっかり前を向いた。
春の珍事では終らせない
彼らのコメントを聞いていると、名古屋ははっきりと変わっているように思える。
勝ったり負けたりを続け、中位に甘んじていた昨年までとは違う。
リーグ戦の好成績を自信につなげ、勝利の味を覚えてきているのだ。
あとはさらにその下――本田がもっとできると言う選手たち――の意識が変われば、グランパスは一皮向けるだろう。
14日のリーグ戦には、欠場した主力が戻ってくる。
藤田や中村、ヨンセンらに杉本ら中堅、そして本田を筆頭にした若手。
世代や実績を超え、チームがひとつになったときグランパスは万年中位を返上するはずだ。
J開幕以降19戦19敗。
そんな鬼門・カシマスタジアムに乗り込んだグランパスのスターティングイレブンは、平均年齢が22・36歳というフレッシュなメンバーだった。
こうなると期待するのは、もちろん若手ならではアグレッシブさを全面に押し出した戦いだ。
しかし、期待したほどの活力を発揮することはできなかった。
立ち上がりこそ玉田、杉本のスピードを生かしたサイド攻撃でペースを握ったグランパスだったが、前半21分に最初のピンチをむかえると、あっさり先制を許す。
すると、序盤の勢いは一気にトーンダウン。
横パスが多くなり、攻め手は杉本の突破のみになってしまう。
これではほぼベストメンバーのアントラーズを崩せるはずがない。
「(立ち上がりは)若手中心にしては良かったと思う。ただ、勝つことにもっと貪欲にならならないと」
地元での試合にどうしても勝ちたかったという杉本は闘争心の足りなさを指摘する。
技術や戦術以前に、戦う姿勢ができていなかったのだ。
明日へつながる初ゴール
そんななか、溢れんばかりの闘志を見せてくれたのが本田と巻だ。
本田は警告を受けるほど激しいあたりを見せ、中盤でボールを追い続けた。
そのファイトが身を結んだのが同23分。
相手GK曽ヶ端目指して、本田が猛烈なチェイスをかける。
するとそれまで完璧なゴールキーピングを見せていた曽ヶ端にこの日唯一のミスが生まれた。
フィードが本田に当たったのだ。
そのこぼれ玉を巻が拾うと、相手DFをふたり背負いながらもドリブルを開始。
十分に間合いを計り、左足を振りぬくと、ボールはネットを揺らした。
巻佑樹のプロ入り初ゴールである。
だが、そんな記念すべきゴールにも巻はまったく歓喜の色を見せなかった。
一目散にボールを拾うと、センターサークルに全力疾走。
「負けていたので追いつかないといけないと思っていた」
そう言って唇を噛んだルーキーは、負けることをことさら嫌がった。
「もっとがむしゃらにゴールに向かっていきたい。チームのためにもっと献身的に動きたい」
悔しさを隠そうともせず、次戦以降の抱負を語るその目は向上心に満ちている。
一方、ゴールをお膳立てした本田には、怒りの色さえ浮かぶ。
「(主力の出場停止、休養で)チャンスを貰っているのに、こんな戦い方をして腹立たしい。もっとできるはず」
チームメイトの力を信じているからこそ、結果が伴わないことに納得がいかないのだ。
「サッカーだから、アンラッキーなこともある。次から切り替えてがんばる」
オリンピック予選も控える背番号24は、悔しさをにじませながらもしっかり前を向いた。
春の珍事では終らせない
彼らのコメントを聞いていると、名古屋ははっきりと変わっているように思える。
勝ったり負けたりを続け、中位に甘んじていた昨年までとは違う。
リーグ戦の好成績を自信につなげ、勝利の味を覚えてきているのだ。
あとはさらにその下――本田がもっとできると言う選手たち――の意識が変われば、グランパスは一皮向けるだろう。
14日のリーグ戦には、欠場した主力が戻ってくる。
藤田や中村、ヨンセンらに杉本ら中堅、そして本田を筆頭にした若手。
世代や実績を超え、チームがひとつになったときグランパスは万年中位を返上するはずだ。