風はどこ吹く、カヤックが通る

フォールディングカヤック、自転車で行ってきます

冬の沖縄合宿その2

2018年12月24日 | カヤック
次の目的地は初となる津堅島だ。


リーフの白波を避けるため、直線でのルートはとらず、少し遠回りのルートを選択。


追い風、追い波ではあるが、今度は右リーンをかけながらフォワードストロークが主体だ。


ところが、にわか修理のフットペダルに足を踏み込んだ瞬間、ブチっと鈍い音が続けて二回耳に飛び込んできた。ワイヤーが切れた音だとわかった。再び足は宙ぶらりん状態になり、リーンをかけても踏ん張れない漕ぎを余儀なくされた。
踏ん張れないK1はいつも以上に大きく感じ、コントロールすることが難しかった。

やはり集団からは大きく離された。
カヤックの漕ぎというものは何か一つでも欠けたら意味は無い。人馬一体ならぬ「人艇一体」、全ては連動しているのだ。


なんとか津堅島のビーチに到着。手漕ぎになっていた分、疲労も溜まっていた。




上陸した頃から北風が強まってきた。冬型の気圧配置が強まるのは夕方以降だと思っていたが、予想よりも早そうだ。


風裏になる場所で昼休憩することに。


本日の昼食はタカノリさんが準備してくれるのでありがたい。
出来上がるまでの間、持参した天草産スイートスプリングをみなさんに食べていただいた。


本日のランチはオーガニックのパスタを使用した特製スピリチュアルペペロンチーノ。


ガーリックにオイルサーディンが入ったエスニックな味付けで美味だった。


しばし休憩したのち、再度私はフォワードストロークの練習、その他のメンバーはスターンラダーについての講習を大瀬さんから受けた。

帰りはほぼ向かい風の中でのルート。約2時間のタフなパドリングになる。


漕ぎ始めは北風約15KT。瞬間的には20KTを軽く超えている。ソロでは漕がないコンディションだ。

とりあえず漕がなければ帰ることは出来ない。宙ぶらりんだったペダルはネジで固定したものの、今度は近過ぎて力が伝わらない。ちゃんと座って調整すべきであった。。

漕ぎ始めて、程なく風が強まり、波も大きくなってバウが海水で洗われる回数が多くなった。追い潮に正面から北風が当たって風浪が立っていたのだ。救いは進行方向に対して正面方向からの波と追い潮だけだ。次第に波と風に気をとられて気づくと腕漕ぎになっていた。グループの先頭を行くタカノリさんのペースもそれほど速いペースではないはずであったが、午前中の疲労も溜まっていて、私の遅れは顕著になっていった。もはやこのままではグループに離される一方であった。

経路の半分くらい漕いだ頃だったろうか?グループから離れて私を待っていた大瀬さんから私をトゥラインロープで牽引してグループまで追い付くとのこと。最終手段である。パドリングを止めて水を飲む余裕すらなかったので、喉はカラカラだった。大瀬さんのはからいで少し喉を潤して、パドリングを続けることができた。

グループに追いついた後、いったんロープを外して1人で漕ぐが、また次第に遅れをとり、再び引っ張っていただいた。

風を避けるため、半島の風裏にずらして進むが、それでも時折吹く突風に艇が振られ、リーンをかける余裕すらなかった私には緊張が走った。そんな中でも大瀬さんはメンバーそれぞれに励ましの声をかけて「今夜のビールはうまいですよー!」と笑いを誘っていた。

ようやく風の影響の及ばないエリアにたどり着いた。
当初、出艇したポイントへ移動するには地形の影響を受けない吹きさらしを通過するため、北風をモロに横から食らう。

ここで大瀬さんから本日のゴールを勝連半島に変更すると伝達があった。他のメンバーもホッとした様子であったが、私の遅れが無ければあのメンバーであれば問題無く出艇場所へ戻れていたのではなかろうか。自分自身のスキルの未熟さを痛感するとともに、非常に申し訳無く感じた。




穏やかな藪地島の風裏。先ほどまでとは別世界だ。


屋慶名の港に到着。


気温はそれほど下がってはいなかったが、濡れたウェアに風が当たると寒い。


出艇場所で待っていた妻に連絡し、車をここまで持ってきてもらい、私が出艇場所までドライバーを輸送。カヤックをそれぞれカートップにして撤収した。


撤収後は宮城島の合宿所兼タカノリさんのお宅で晩餐。ご自身も疲れているはずなのに休むことなく食事の準備をしていただき、さらに家族も押しかけて恐縮です。


地元宮城島産の鶏肉を使用した月桃チキンオーブン。月桃の香りが絶妙で鶏肉のほかエリンギにジャガイモ、玉ねぎ等、素材の味が凝縮されて美味であった。




ラストはエスニックな特製カレー。お米は大瀬さん地元のマキノ産米でマッチしていた。ご馳走様でした。

遅くまで家族ともどもお世話になってお礼とお別れの挨拶をし、我が家は帰宅。

メンバーは明日も漕ぐ予定だそうだが、風は引き続き強い予想だ。疲れた体にはきついと思うが、これこそがグランストリームの合宿であり、スキルの維持向上を求めてみなここに集っている。覚悟を決めて参加しているからこそメリハリのついた漕ぎができるのだろう。

振り返ると今回、私はその覚悟が万全でなかった。沖縄本島内のフィールドであるし、1日だけの参加ということで心のどこかに甘さがあった。道具に対しても漕ぎに対しても反省しっぱなしの一日であった。

天候を予測することにより風や波の影響を受けないポイントを漕いできた私は、根本的に漕ぎに対する意識が高くなかった。レジャーとしてのカヤックであれば今のままでもなんとかなるかも知れないが、求めるところはそこではなかったはずだ。

カヤックを始めて約10年。旅の道具としてのカヤックを追及するには、まだまだ道のりは遠い。このことに改めて気付かせてくれた今回の経験はきっと無駄にはならないだろう。

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2 コメント

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Re:お疲れさまでした。 (n_nissing)
2018-12-25 15:00:12
ありがとうございます。
冬の沖縄の風の強さは知っているだけに漕ぐことはいままでありませんでした。
今後は沖縄カヤックセンターのタカノリさんにマンツーマンのトレーニングを頼もうかと考えています。
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お疲れさまでした。 (MASA)
2018-12-25 14:16:45
合宿と言うだけあってハードだったのですね。
来年は参加してみたく思います。
カヤックもやればやるほど奥が深いですね~。
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