各位
生活保護基準引き下げにNO!全国争訟ネット
秩@下 義 樹
生活保護問題対策全国会議
代表幹事 尾 藤 廣 喜
全国生活と健康を守る会連合会
会 長 安 形 義 弘
中央社会保障推進協議会
事務局長 山 口 一 秀
生活保護基準引き下げに対する集団一斉審査請求について
本年8月1日、生活保護基準の引き下げが行われ、今後も2014年4月及び2015年4月に2段階目、3段階目の引き下げが予定されています。この引き下げは国家予算670億円の削減を目して行われたもので、生活保護世帯の実に96%、200万人以上の生活保護利用者の受給額が減少するという、対象、金額のいずれにおいても過去に例をみない最大の引き下げです。
しかしこの引き下げは憲法25条の趣獅フろにし、生活保護基準のいわゆるナショナルミニマム(国民的最低限)としての重要性を全く無視したもので、生活保護利用世帯はもとより、住民税の非課税基準や医療費自己負担限度額、就学援助基準、老齢基礎年金や最低賃金の水準など、市民生活のあらゆる場面に甚大な影響を及ぼします。
今回の基準引き下げによって、健康で文化的な生活な生活を営めなくなったという悲鳴に似た声が、全国各地から殺到しています。8月6日、7日に全国各地で実施された「生活保護基準引き下げにNO!全国一斉ホットライン」には964件もの相談が殺到し、うち少なくとも626件の当事者が、審査請求の申立代理や申立支援を希望されました。各地での担当者・支援者による個別面談や学習会・審査請求書記入会などの場でも、「減額されると暮らしていけない」、「来年、再来年にも下げられるなんて」等の声が相次ぎました。
私たちは、史上最大の基準引き下げに対しては史上最大の審査請求運動をもって対抗すべく、「1万人審査請求」を目指し、多くの保護利用者に参加を呼びかけてきました。その結果、現時点で把握し得ている限りで、全国各地で実に7,671世帯の方が審査請求を決意し、その数は今後さらに増えることが見込まれます。高齢者世帯、母子世帯、障害者・傷病者世帯及びその他世帯のあらゆる世帯類型、世帯人員の方々が、この一斉審査請求に参加しています。審査請求をした世帯に所属する生活保護利用者の正確な人数は把握できていませんが、既に優に1万人を超えているものと推測されます。
過去最多であった2009年でさえ、年間の審査請求申立件数は1086件に過ぎませんでしたので、実に6倍以上です。かつてない生活保護に対するバッシングの嵐が吹き荒れる中、不服申立をすると福祉事務所から嫌がらせを受けるのではないかという不安や、不服申立をしても良いのだろうかというためらいを持っている方々も多々おられました。しかし、こうした方も次々と、様々な不安や障壁を乗り越えて立ち上がったのです。これまで物言えぬ立場に押し込められてきた生活保護利用当事者が、このように前例のない規模で不服の声をあげたことは、生活保護制度上画期的な出来事であり、それだけ今回の基準引き下げに正義がないことを示しています。また、年金支給開始年齢の引き上げ、軽度者の介護保険からの排除、医療費自己負担の増加等の次なる社会保障削減が予定されている中、最も声をあげにくい立場におかれた生活保護利用当事者が、これだけの規模で抵抗の意思を示したことは、社会保障制度全体を守る上でも極めて重要な意義を有しています。
政府・厚生労働大臣は、これほど多くの人々が審査請求を申立てたことを重く受け止めるとともに、一人一人の悲痛な声に耳を傾け、ナショナルミニマムを維持するため、来年4月の引き下げを即刻撤回し、引き下げ前の基準に戻すべきです。
以 上
写真は、大阪の一斉審査請求の記者会見及び申し立て時の写真。このままでは済まされないという当事者・関係者の思いが、熱くもりあがりました。
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