「徹底検証 日本の右傾化」(塚田穂高編著:筑摩選書)
日本の右傾化、「何が、どこまで、進んでいるのか」を各分野の第一級の書き手21人が総力を上げて検証した本。「壊れる社会」「政治と市民」「国家と教育」「家族と女性」「言論と報道」「蠢動する宗教」と6つの分野(21章)で構成されています。
先の都議選の結果を受け多少の遅れが想定されるとは言え、この間の一連の政治動向を見ていると、日本の右傾化は顕著で改憲に向けた動きが強まる中、大きな危機感を感じています。しかしその全体像を把握することはできておらす、何が問題になっているかをつかみたいと思っていました。はじめにも書かれていますが、各分野各章が今の社会が抱える問題をつかむ入り口となる中身をもっており、読み終えて知らないことの多さ、深く物事をつかむ大切さを感じさせられた気持ちです。
とりわけ、〈新自由主義と社会ダーウィニズム、新しいレイシズム、有権者の右傾化、国の家庭教育への介入、税制で誘導される家族の絆(三世代同居税制があるのを初めて知りました)、WGIP論、暴走する権力と言論の自由等〉が、強く印象に残りました。
モノ言えぬ時代であってはいけない、人権擁護のために闘い、多様性を認め合うことが大事だと思います。首相の「こんな人たち」発言が問題になるのは、社会がまだ健全なんだと思います。自分のこの社会を構成する一員として、きちんと考え役割を果たしていきたいと改めて考えています。
みなさんにお勧めします。
http://booklog.jp/users/na1129jr/archives/1/448001649X
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