「奨学金が日本を滅ぼす」(大内裕和著:朝日新書)
今年2月に、〈「ブラックバイト」と命名した著者が奨学金問題の本質と解決策に初めて迫る〉として紹介。出版された本です。
多額の奨学金を抱えている多くの学生の存在やそれが返せなくなっている現実、日本学生支援機構の取り立てのすさまじさ(例:北海道釧路市で亡くなった息子さんの奨学金の取りたてを受けた高齢の両親の話し)等々、この間の報道でその一部は知っていましたが問題の大きさや異常さを改めて確認した思いです。
ちょうど長男(高3)が進路選択の時期、先日学校から説明会資料をもって帰ってきました。我が家も借りてもらわないと進学は難しいです。彼はあまり言いませんが、下に妹がいるのでそのことも意識しながら考えているようです。資料を見ると本にも書いてありましたが、利子なしの方が借りれる上限額が低いのですね。そのことの説明は、支援機構のパンフレットにはありませんでした。安心して勉強ができる環境を整えることは、未来の社会に豊かさをもたらすと思いますが、人間に対する信頼がないのだなと感じます。
親の所得によって将来が決まるような社会であってはならないと思います。自己責任で、問題を片づけるような社会であってはならないです。〈「生まれながらの差別」に鈍感な日本社会を変えていきたい〉と最後に書かれていますが、奨学金に限らない多くの分野に共通する指摘だと思いました。
お勧めします。
http://booklog.jp/users/na1129jr/archives/1/4022737042
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