事務局長通信

きんようび通信No.326

きんようび通信No.326

2017年3月17日

▲3月半ば・卒業式シーズン、高2息子・中2娘もそれぞれ式に出席していた。「なんか嫌やな」と娘が漏らした言葉には、不安と期待が入り混じっているように思う。来年の今頃はどうなっているか、親としても様々にドキドキである。

▲自分の時がどうであったか、寒かったこと以外はあまり覚えていない。最近では、国歌斉唱を強要される雰囲気があり主役の子どもたちを置き去りにしている感も否めない。けれども、埼玉県飯能市にある「自由の森学園」は、少し違っている。

▲卒業式を最後の授業として位置づけて、校長先生が生徒に語りかけている。今年は、相模原障害者殺傷事件のことが取り上げられた。(そもそも人間や生命という言葉に「価値」という言葉をつなげるべきではない。「価値」ではなく「尊厳」という言葉で自分をそして自分の人生を見つめていくことが大切)、聞くものの心に直接伝わってくる。

▲3年前に亡くなった詩人「吉野弘」、山形県酒田市生まれ・若い頃高村光太郎の「道程」を読んで感銘を受けていたそうだ。入隊5日前に終戦、終戦後は労働運動に専念し体調を崩した後に詩作を始め数々の作品を残した。その一つが、自由の森学園卒業式で紹介された。多くの人に知ってほしい。

『 生命 ( いのち ) は 』 作:吉野 弘

生命 ( いのち )は
自分自身だけでは完結できないように
つくられているらしい
花も
めしべとおしべが揃っているだけでは
不充分で 虫や風が訪れて
めしべとおしべを仲立ちする

生命 ( いのち )は
その中に欠如を抱き
それを他者から満たしてもらうのだ

世界は多分 他者の総和
しかし 互いに
欠如を満たすなどとは
知りもせず 知らされもせず
ばらまかれている者同士
無関心でいられる間柄
ときにうとましく思うことさえも許されている間柄
そのように 世界がゆるやかに構成されているのはなぜ?

花が咲いている
すぐ近くまで
虻 ( あぶ ) の姿をした他者が
光をまとって飛んできている
私も あるとき
誰かのための虻 ( あぶ ) だったろう
あなたも あるとき
私のための風だったかもしれない


【今日は何の日】
http://www.nnh.to/03/17.html

【今週の一句】
酒飲み川柳
掘り起こす
出てくるものは
ゴミ・疑惑

【今週の歌】
・「Dream Of Me」…Alison Krauss
先日は17年振りに発売された「Windy City」より。抜群の安定感、必聴ですね。

https://www.youtube.com/watch?v=uSX3PHYWaTE

【今週のグルメ情報】
・「大洋軒」…JR大阪環状線福島駅から徒歩1分
ビックな皿うどん、あんと麺のバランスがとてもよかったです。
https://tabelog.com/osaka/A2701/A270108/27005163/



【追伸kirakira2
3月もあと2週間

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