「深呼吸の必要」(長田弘著:晶文社)
1984年に出版されたもので、第13回路傍の石文学賞受賞した作品。「あのときかもしれない」「おおきな木」という2章に分かれ33編の詩が綴られています。友だちのKさんに教えてもらって読みました。
【ときには、木々の光りを浴びて、言葉を深呼吸することが必要だ。日々になにげないもの、さりげないもの、言葉でしか書けないものをとおして、おもいがけない光景を、透きとおった言葉にとらえた《絵のない絵本》。風の匂いがする】と、
帯に書かれいましたが、その言葉通りの印象を受けました。
第1章は「きみはいつおとなになったのだろう」という問いかけから始まり、誰もが経験するような具体的な場面や言葉、それらに関する気持ちの変化を紹介しながら、最後に「そのとき、きみはもう、一人の子どもじゃなくって、一人のおとなになっていたんだ」とのまとめていく構成になっています。でも、どれも答えをおしつける内容ではなく、自分はどうなんだろうと考えさせてくれます。
特に印象に残ったのは、4に書かれた「遠くにいってはいけないよ」とのくだり。「わかっている」と言いながら黙って出かけたドキドキ感、夕食の時についたウソ、自分の経験がよみがえってきました。
著者が亡くなって、もう1年になるんですね。寂しさもありますが、これからも長田さんの言葉に出会えたらいいなと思います。
「言葉を深呼吸する」、とてもいいですね。
自分の中で、しっかりかみしめていきたい言葉です。
http://booklog.jp/users/na1129jr/archives/1/4794935269
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