我々は情けなく無言でその小学校をあとにし、倒壊家屋だらけの町並を横目に起伏の激しい、とんでもない凹凸のできた道なき道を西に向かう。
場所は思い出せないが、ある倒壊家屋前を通過しようとしたとき一人のご夫人が我々の車の前に立ち「助けてください」とおっしゃる。
どうなさいましたか?できることがあれば何でも言うてくださいよ。
「この家のしたにお父ちゃんと息子がいてんねん、どうか助けてください」と、力も薄れかけた声で言いはる。
わしらは一応建築屋や、大工や。
家の解体や撤去作業はお手のもんや、任しとき!と普通なら、なんでもないことなんやが…
我々3人(1台のトラックには3人しか乗れない)は、目と目が合い立ちすくんだ。わしらの心は一緒なのが伝わる「あかんいらわれへん、このがれきの下に人いてはるんや。この木はずしたら荷かかって、崩れるかもしれん…」
ご婦人はわしらにすがる思いで頼んではるのもようわかる。
しゃのにわしら木一本すら動かすことできひん、ひざま付いて「助けて下さい!」て言うてはる人目の前にしても、わしら声上げて一緒に泣くだけで何もでけへんかった。
ごめんなさい、ほんとうにごめんなさい。と言う言葉だけ言うのが精一杯やった。
いまでもわしの心の奥底にはそのときの申し訳なさと、己の非力さに腹立たしいときがある。
いたる所の公園や広場、ちょっと広い道では被災者の方々が集まり昼夜を過ごしてはる。ほんまに想像を絶する光景やった。
煙が立ってる。
消防車なんかこれるわけ無い、道が無いんやから。
来たかて水が無いんやから。
自分の家が燃え尽きるのをただ呆然と立ち尽くして見てる人がいる。
わしらなんもでけへん、けどなんかせなあかんねん。
泣きながら泣きながら西へ向かう。
ぼちぼちトラックの積荷も軽くなりかけてきた、友達んちまでもつんやろか?
しやけど進むんや!あいつの顔見るまで東には向かん。
大阪へ荷物取りに帰った連中も、一睡もせんとリターンしてきてくれてる。
空になったかて、どっかで落ち合って物資は持っていける。
途中に思いついた追加物資で「薪」焚き火ようの薪と、スコップとビニールのゴミ袋ぎょうさん集めて来い!ちゅうた。
薪は倒壊した家屋いっくらでもあるんやが、己の潰れた家の木を焼くのは忍びなさ過ぎるやろと感じたから。
スコップとビニール袋はあの学生達に使って欲しかった。せめてこれで掃除してくれって言いたかったんや。
(5)へ…
場所は思い出せないが、ある倒壊家屋前を通過しようとしたとき一人のご夫人が我々の車の前に立ち「助けてください」とおっしゃる。
どうなさいましたか?できることがあれば何でも言うてくださいよ。
「この家のしたにお父ちゃんと息子がいてんねん、どうか助けてください」と、力も薄れかけた声で言いはる。
わしらは一応建築屋や、大工や。
家の解体や撤去作業はお手のもんや、任しとき!と普通なら、なんでもないことなんやが…
我々3人(1台のトラックには3人しか乗れない)は、目と目が合い立ちすくんだ。わしらの心は一緒なのが伝わる「あかんいらわれへん、このがれきの下に人いてはるんや。この木はずしたら荷かかって、崩れるかもしれん…」
ご婦人はわしらにすがる思いで頼んではるのもようわかる。
しゃのにわしら木一本すら動かすことできひん、ひざま付いて「助けて下さい!」て言うてはる人目の前にしても、わしら声上げて一緒に泣くだけで何もでけへんかった。
ごめんなさい、ほんとうにごめんなさい。と言う言葉だけ言うのが精一杯やった。
いまでもわしの心の奥底にはそのときの申し訳なさと、己の非力さに腹立たしいときがある。
いたる所の公園や広場、ちょっと広い道では被災者の方々が集まり昼夜を過ごしてはる。ほんまに想像を絶する光景やった。
煙が立ってる。
消防車なんかこれるわけ無い、道が無いんやから。
来たかて水が無いんやから。
自分の家が燃え尽きるのをただ呆然と立ち尽くして見てる人がいる。
わしらなんもでけへん、けどなんかせなあかんねん。
泣きながら泣きながら西へ向かう。
ぼちぼちトラックの積荷も軽くなりかけてきた、友達んちまでもつんやろか?
しやけど進むんや!あいつの顔見るまで東には向かん。
大阪へ荷物取りに帰った連中も、一睡もせんとリターンしてきてくれてる。
空になったかて、どっかで落ち合って物資は持っていける。
途中に思いついた追加物資で「薪」焚き火ようの薪と、スコップとビニールのゴミ袋ぎょうさん集めて来い!ちゅうた。
薪は倒壊した家屋いっくらでもあるんやが、己の潰れた家の木を焼くのは忍びなさ過ぎるやろと感じたから。
スコップとビニール袋はあの学生達に使って欲しかった。せめてこれで掃除してくれって言いたかったんや。
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