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インラック首相の失職、これが 司法クーデターか?

2014年05月08日 | タイの出来ごと、あれこれ
  
 タイの政情不安が、また 気生臭くなってきました。 インラック首相が 人事を
めぐる職権乱用で、憲法裁判所により失職の判決を 受け、昨日 離任しました。

タイの歴史上 初の女性首相として、在任期間は2年9カ月と2日でした。 反政府デモで追い詰めた
末に 司法機関が政権を 排除する仕掛けが成功した形です。 司法クーデターと言われる所以です。

 

他国の政治事情ですから 何とも言えませんが、こういうことが可能なんですねぇ~ 内閣総辞職とは
なりませんでしたが、総選挙も正式には決まっていません。 下院議員が いないまま、政治空白は
続きます。 迷走するタイ政権は、どこに向かっているんでしょう? 国内投資や外交が心配されます。

 人事の職権乱用って、なんでしたっけネ。 ちょっと 振り返ってみますネ ・・・

2011年のこと、当時のタウィン国家安全保障会議 (NSC) 事務局長を、首相顧問に異動させた
人事が 権力乱用で憲法違反だと言われています。 タウィン氏の異動は、インラック首相の

 
     <タウィン氏・・・>

元義兄にあたるプリアオパン副警察長官を 警察長官に昇進させた人事の玉突きで、これにより
当時のウィチアン警察長官が NSC事務局長に転任し、タウィン氏がポストを 失うことに ・・・

タウィン氏は異動後、これは不当な人事だとしてNSC事務局長への復職を 求める裁判で勝訴。
今年3月25日にタウィン氏がNSC事務局長への復職が閣議決定され、その後 首相の職権

乱用を 訴えていたわけです。 憲法裁判所は一昨日、インラック首相ら4人の証人尋問を
行ない、昨日 人事を めぐる職権乱用で、憲法裁判所は失職の判決を 下した次第です。

 ここで、ニュースクリックを 参考に、インラック首相の簡単な略歴を 紹介しておきますネ。

 

1967年生まれで 今年47歳。 タイ北部のチェンマイ出身で、9人兄弟の末っ子だそうです。 
夫との間に男の子が1人います。 タイ国立チェンマイ大学政治学部卒業後、米ケンタッキー

州立大学で行政学修士号を 取得し、帰国後、兄のタクシン・チナワット元首相が創業したタイ
携帯電話サービス会社やチナワット財閥の不動産会社などの経営幹部を 務めていました。

 

2011年の議会下院選でタクシン派プアタイ党から出馬し、プアタイが過半数を 抑え勝利。 政治
経験はありませんでしたが、兄タクシンの代理のような格好で タイ初の女性首相となりました。

“美しすぎる首相” なって揶揄されながら、いろいろな難題も まぁまぁ 無難に乗り越えてきましたが、
昨年、タクシン元首相の恩赦を 目指したことが運のつきか、これに猛反対した反タクシン派との政治

 

抗争が本格化してしまいました。 バンコク封鎖という大規模な反政府デモを 受けて、12月に下院の
解散に追い込まれました。 2月に行なった総選挙も妨害に遭い無効とされ、現在に至っていました。

 今度は赤シャツのタクシン派が黙ってはいないでしょう。 10日にバンコク郊外でデモ集会を 始めると
言えば、反政府派は、14日から予定していたバンコクでの大規模集会を 9日に始めるとしています。
 このようなガタガタは、もう慣れっこになってしまったけど、年内に決着がつくかなぁ~  


P.S. インラック首相と閣僚9人が失職としたことで残る閣僚26人で緊急閣議を 開き、
   ニワットタムロン副首相兼商務相が首相代行を 務めることを 決めています。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
司法クーデター (ただの酔っ払い)
2014-05-08 10:30:22
裁判官は何をしても罪になりません。
チェンワッタナーの合同庁舎前の道路を封鎖して市民が困っていても正当なデモと思っているようですね。
返信する
タイのバランス感覚 (ランパーン)
2014-05-08 12:00:35
昨日の夕方、シーロム通りでは、反タクシン派の凱旋行進が行われていました。
沿道には、OLや住民など鈴なりに大歓声を上げ、笛をピーピー吹いて、インラック失職を歓迎していました。
さすが、80%以上のバンコク都民が反タクシン派であることが再確認されました。

タイの裁判所、権力強いですね。
タクシン派は徹底的に嫌われてる様です。

どうしてここまでタクシン派が、司法、選管、次官以下の行政職員に嫌われてるのか、考え直したほうがいいと思いますね。

司法クーデターと言われる位、タクシン派は裁判所に負け続けているんですが・・・・・言い方変えると、それだけタクシン派は違法性の高い行動をとる政治家が多いということでしょうね。
一部、とんでもないゴロツキ議員や閣僚が居ますね。

インラック・タクシン傀儡政権は2年続きましたが、コメの高値買取政策を筆頭に失政の連続でした。

このまま、タクシン傀儡政権が続くと、タイの財政破綻が目の前にやってきます。

インラックさんは海外旅行が大好きで、日本でのショッピングも大好きなようですから、今度は官費ではなく、自費で遊びに来られてください。
しかし、コメの買取汚職などで、裁判所から呼び出しがあるようですから、難しいのかも?

そして新首相になった二ワットタムロン氏(タクシンファミリーの大番頭)ですが、彼は調整能力は非常に高そうですので、軍や警察との対立を避ける様な動きが期待できそうです。

インラックは美人首相ということで、人気が有ったのですが、所詮「タクシンの傀儡」に過ぎず、タイの政治の混迷はタクシンファミリーが政界から引退しない限り、永遠に(?)続きそうです。
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