タイでは7月より医療目的での入国も条件付きで許可しています。昨日の続きになるかな …
今後さらに2,300人前後の入国が許可される予定で、渡航目的としては一般的な疾病治療に加え、
性転換手術や不妊治療も上位に挙がっているといいます。タイ保険省の試算によると、滞在
費用や手術費などで計1億4,100万バーツ(約4億7,000万円)の収益が見込まれるとのこと。

<メディカルツーリズムでのケアー>
タイでは以前から主力観光産業の一つとして、医療サービス(診断や治療など)をオファーする
メディカルツーリズム(医療観光)に力を入れて来ています。数年前から ゆうに1,000億バーツ
(約3,400億円)を超す規模とされるタイの医療観光産業は、年々 成長しているようですヨ。
その代表的な病院グループが、バンコク ドゥシット メディカル サービス(BDMS)です。
1969年に一つの病院からスタートし、1972年にBDMSと正式な名称となって以来、今や タイ
最大の医療ネットワークを展開しています。 昨日 話したバンコク病院もその一つです。

<日本人がよく利用するサミティベート病院>
現在、BDMSは六つの大手病院グループ、バンコク・サミティベート・BNH・パヤタイ・ロイヤル・
パウロ記念などの病院を運営しており、パタヤやプーケットなどのタイの人気のリゾート地や
近隣国のカンボジアに30以上の病院を持ち、東南アジア一といわれているタイのメディカル
ツーリズムをけん引しています。大手バムルンラード病院の筆頭株主(25%)もBDMSですネ。

<バムルンラード病院>
病院での治療費が高いといわれる米国や欧州、社会保険制度が確立していない国々から
高額費用がかかる手術を受けるためだけに来タイする外国人も多いといわれています。
或いは、視力のレーシック手術、ダイエット、性別適合手術、美容整形外科手術など、医療
保険が適用されない治療においても、タイは自国より安価で受けることが可能ですからネ。
特に、世界各国から多くのLGBTの人たちが、性転換手術を受けに来タイしています。性転換
手術が行なわれる数は世界一ということもあり、その技術は非常に高いと言われています。

全体的な医療技術の高さだけでなく、タイには「国際基準の医療の質と患者の安全が優秀」と
認定される JCI(Joint Commission International)と呼ばれる施設病院が 66 存在しています。
ちなみに日本は 28 施設かな。JCI 施設の数だけでもタイ医療は進んでいると理解できます。
タイは世界的にもコロナ感染者数と死者数を最小限に抑えた国として評価されていることもあり、
アフターコロナのメディカルツーリズムについて、これまで以上にニーズが見込めるとしています。
BDMS の2019年売上高837.7億バーツ(約2,764億円)だそう。今後 どこまで伸ばすのでしょう。


「タイでゴルフ友達になりましょ」 のホームページです



タイの病院事情には詳しくないのですが・・・タイ国には独占禁止法は無いのでしょうか?タイには公正取引委員会のような組織があるようですが、どうも寝たきり状態みたいですね。
https://r.nikkei.com/article/DGKKZO57043870Z10C20A3FFJ000
BOMSが大きくなり、高度な医療が提供されるのは結構なんですが、独占化が進むと、治療費が高騰し、困った問題になります。
日本には国民皆保険制度の下、医療水準は病院間によって、大きな差はなさそうですが・・・
超格差社会のタイの場合は、国公立病院とBOMSのような高級私立病院では、医療水準が大きく異なります。
現地の国公立病院に行くと分かりますが、貧困層の患者で溢れかえり診察を待つ時間が大変かかります。また、医師も研修医レベルの方が多く、能力に?が付く方が多いです。優秀な医師はBOMSなど私立病院に移り、公立病院には研修医レベルしかいなくなっています。
タイの病院事情にはタイ社会の歪が色濃く反映されています。