先週、プラユット首相とタイ放送通信委員会 (放送通信事業を監督する会) が、テレビ局のある
生中継が 「倫理違反だ」 として批判したことが、話題になりました。 事の顛末はこうです ・・・
バンコク都内の大学で講師のワンチャイ容疑者(60)が同僚の講師2人(56・54)を射殺して逃走。
親族や元上司や教え子による長時間に及ぶ説得にもかかわらず、所持していたピストルの銃口を自ら
頭部に向けて発砲し自殺した場面を生中継したという事件。 生で見たら だいぶ衝撃的なシーンです。
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<教え子も祈りましたが ・・・>
容疑者が書き残したものが見つかり、それによると、射殺した講師2人は容疑者に嫌がらせをされていた
ために殺害したとのことでした。 そう、こうして恨みや嫉妬で銃が活躍する、タイは銃社会なんですネ。
フィリピンのように外国人が銃で被害に遭うことは稀ですが、タイの銃による殺人率は米国に匹敵すると
聞きます。 普段は温和なタイの人ですが、個人的な関係やビジネス取引のこじれで 「メンツ」 をつぶした、
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つぶされた、或いは男女間の嫉妬やトラブルでの銃殺人事件は頻繁に起きてしまっています。 そう言えば
学生間での銃による殺傷事件も、年に10件前後はあるでしょうかネ。 これもちょっと信じられません。
ですが、タイはアジアで最も銃による殺人率が高い国の一つとされ、10万人あたりの銃による殺人率は
3.48人であり、これは隣国のカンボジアの3倍で米国とほぼ同等だそうですヨ。 全くもって銃社会です。
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社会に出回っている銃の数は、タイ政府によれば、人口約6,700万人に対して、登録されている銃だけで
610万丁あるといいます。 闇に出回っているものを含めれば計1,000万丁近くあると言われています。
米国などは 「タイには我が国に匹敵するほどの銃文化があり、銃が関係した殺人件数では世界一の
レベルになりつつある」 と警告さえしています。 処が米国が長年にわたって銃規制を論じているのに、
タイでは、これほどの銃が及ぼす人的被害があっても、全く気にする様子がありません。
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もちろん法律上ではタイも銃規制は厳しいんですヨ。 所持についても取り締まられており、政府の銃器購入
許可申請の基準も厳しく、財産・不動産の所持状況、銀行での預金高などまで調べられます。 ただし、この
申請はあくまで家に置く護身用の許可であって、携帯用の許可申請は更に内務省警察署への再申請が必要です。
ですが、現実にはある場所で売られていたり、闇ルートや横流しもあると聞きますからネ。 銃を抹消するには
5年やそこらでは難しいでしょうから、タイ政府も もうそろそろ動かないとねぇ~
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