昨日は、上野千鶴子さんの講演会に行ってきた。
上野さんは、ジュリーと同い年。東大名誉教授、社会学者、女性学、ジェンダー学
http://blog.goo.ne.jp/aran1104/e/8cbf2aac39e0fb36590f78e20bef5ded
学食で学生と一緒に食事、ご飯がSSサイズがあるのが嬉しい。
ロールキャベツと一緒に2品で270円、安上がり~ そして上野さんといえば「おひとりさまの老後」
私たちのラストステージ 誰と、どこで、どう生きる
http://www.konan-u.ac.jp/korec/vo/index.php/archives/2412
上野千鶴子さんの講演と、それを受けての率直で楽しい話し合いの場を企画しました。
第二部では壇上と会場の敷居を取り、それぞれの立場で老いを考えてきた論者たちが
議論のきっかけを創ります。講演者と参加者の熱い思いの交流が主役です。
皆さんの建設的な発言を歓迎します。
第一部 講演 14:00~15:20
私の老いと死をプロデュースする
上野千鶴子(社会学者・東京大学名誉教授・WAN理事長)
第二部 参加者とトーク 15:30~16:30
そうなんやけど、そんなことできるやろか?
柴田久美子(なごみの里)・小林文夫(まちづくり協議会)
田上時子(女性と子どものエンパワメント関西)・宮城公子(想像文化研究組織)・会場の皆さん
司会 上村くにこ(想像文化研究組織)
大学の講義室は、300人の聴衆で満員でした。友人は上野さんの顔が別に見えなくてもいい・・というが、私は前で見たいの!二列目のセンターに陣取った。始まる少し前から、スタッフと思しき女性たちが、壇上近くでマイクのテストなど、ウロウロやっている。 そのうちの一人の赤い髪の女性が時間になり、壇上に上がった。あ、あの人が上野さん、その人だったのか~
開口一番に、上野さんはいう
『嫁の介護、絶滅宣言』
『1人で死んで孤独死と言われたくない、在宅1人死と呼び方を変えよう』
『死・遺体、縁起でもない言葉を口にできる世の中』
『子や孫に、死ぬ時に周りを取り囲んで欲しいですか?』
と、次々に気分が暗くなるような問題を提起し、まず聴衆に軽く
ジャブを数発浴びせかける。 しかしその口調はあくまで上品で、甘い声、
物腰柔らかく、笑顔の関西弁。だから、重い話題も暗くならない。
第一部のお題は
「私の老いと死をプロデュースする」
自分で自らの死をプロデュースできるならば、いうことはない。
(どこで死にたいか、どういう医療を受けるか、誰に頼めるか・・・など)
私は興味津々・・・なのに、私の前の最前列の女性が始まってすぐに、
コックリ コックリ・・・・ お~い、上野さんの目の前で丸見えだよ
一部の講演では、ほぼ寝ていたな、この人。
「在宅死の条件」
私は別に、死ぬのは病院だろうが施設だろうが、どこでもいいの、
とにかく、人様になるべく迷惑をかけたくないと思っている。
政府は、病院よりも 在宅で死んでほしいという。
実際、在宅で死にたい人が多いのだが、お金と家族がないと
快適な在宅死は無理ということがわかる。
「トータル・ライフ・マネージメント」
ケアマネ・看護師・ヘルパー・医者・成年後見・ボランティア・民生委員・・・etc
これだけ沢山の人に助けられたら、在宅で安らかに死ねるのだ。
果たして死の間際に私の周りに、これだけの人がいてくれるだろうか?
(重ねていうが、私は別に在宅でなくてもいいのだよ。)
ボケて、徘徊して、寝たきりで、家族を疲弊させて・・・・
「こんなになってでも・・・」生きていて欲しい?
義母が亡くなる前、5年の介護で義父は疲れきっていた。長い介護の義母を見送った義父は、
その時、生きがいを確かに失った。もっと生きていて欲しかったと思っていたと思う、
しかし、あれ以上の介護はもう無理、限界だった。共倒れ寸前のところで、義母は逝ったのだ。
義母はボケていたので「生きていて良かった・・・」なんて、全くわかっていなかっただろうな。
上野さんは、地域によって受けられるサービスが違う、それを自分で探し、選ばなければいけないという。
手厚い医療をしてくれる、地域の医者。24時間の介護サービスを提供してくれる訪問介護。探せばある。「私は、それをしてくれる場所に引っ越します!」と高らかに上野さんは宣言したが・・・ 無理やなぁ~普通は・・・・それに、介護を担う 介護士の賃金が安くては、なり手がない。
と、文句ばかりを言っていますが、この間 1時間20分、公演をまったく退屈とは思わなかった、あっという間に時間がたった。今回の講演内容は、制度上で、今の私にあてはめるには、まだ無理があると思うが、探せば色々な選択があることはわかった。
ただ手をこまねいていては、受けるサービスも受けられないと言うこと。常に、アンテナは張り巡らせていなければ 損をするのは自分です。
このあと、討論に質疑応答。
パネリスト5人(殆ど60代半ば)のうち女性が4人。子供を持っている女性は、4人中で、たった一人だけという、一般的な社会の構成とは違い いささか偏ったパネリストの構成で、まさにお一人様が多し。一人娘を持っている60代のパネリストの女性が、御自身の介護体験を語った。
「介護は大変だったが、自分を成長させたと思う。でも娘には介護をさせたくない。」
その言葉に上野さんが噛み付いた
「あなたは自分が介護で成長したというのに、娘にはさせたくないんですか?おかしいじゃないですか?娘も成長させればいいじゃないですか」
確かにな~ でも、どっちの言い分もわかる。
その次に話したのが、「看取り士」という左端の女性。そんな職業があったのか・・・
この40代半ばくらいの女性が、討論中 ずーっと優しい笑みを絶やさず話し出せば柔らかい耳障りの良い、いい声で にこやかに話すその姿が まるで観音様か?というほどに、優しく清々しい・・・こんな人に看取られたら、どれほど最期を気持ちよく過ごせるのだろうか。感服してしまった、しかし「看取り士」なんて仕事を初めて知った。
調べてみたら、40代なんてとんでもない、私よりも年上の女性だった。
「なごみの里」柴田久美子(なごみの里)http://nagominosato.org/
看取りアドバイザー
なごみの里では“看取り士”が、余命宣告を受けた方の相談に対応しています。病院から在宅に安心してお帰りいただく際の調整役・相談役を、努めさせていただきます。
自宅に帰りたい、自宅で看取りたい。でも詳しいことはわからない……そんな皆様の心の支えになります。
最後の一般質問で、前の席で居眠りしていた女性が急に元気になって、質問していたのでビックリ・・・ 職業が、介護関係の人でした。とにかく質問時間が足りないくらいで、30分も超過して終わった。
最期は、上野さんの政府への不信、不満、選挙についての提言があり、政治集会のような様相になってきた。上野さん、これについては言いたいことが山盛りあったようだが、もう時間がない。また、こういう講座があれば 人生の指針に参加したいです。
他に感じたのは上野さんに、パネリストの女性、質問した女性たちの、皆さんがどなたも揃って、お洒落 それぞれが自分の個性に合ったオシャレをしていて、ファッション誌から抜け出てきたみたいだった。ちゃんと仕事をして、お洒落にも手を抜かない、私よりも上の世代の女性たち(上野さんはジュリーと同い年)だが、日本の女性って、素敵だな~と思いました。 元気を貰えました。
真ん中のメガネの女性が「看とり士」の柴田純子さん。
右端で、おそらくわざと下を向いて目線を外しているのが、上野千鶴子さん。
右の上野さんは小柄だけど、赤い髪に、大きな濃いオレンジ色のネックレス、細身の黒いパンツ。とてもオシャレでした。
この写真はいつとったんだろう?私と友人は、見えていないが、おそらく
この左側に座っていた。(看取り士のHPから)
実は、写真は取り放題で、まったく何の注意も受けませんでした。芸能人じゃないから、いいのか。
校内は、木々が色づいて、校舎の濃いダークブラウンの外壁の色に映えてキレイでした。二期咲の桜も咲いていました。
- 2014年11月30日