レディジョーカー 上巻から下巻へ

2008年04月14日 | 読書
少しづつ読み進んで、やっと上巻が終わり、下巻に入って100ページを過ぎる。
時折、緊張感が高まって面白くなる部分と、
株価操作の話などあまりに専門的になってきて、
自分には訳が分からんと開き直りながら読んだりする部分が交互に出てくる・・。


城山社長の苦悩はプライドのある男であるからこそ。
警察にはすべてを打ち明けず、犯人との孤独の対決を強いられてゆく。
その中で、合田刑事の冷静な忍耐強さ、
ギリギリのところで刑事と人間とを両立させている個性が、
少しづつ城山の心を溶かしつつあるようだ。
この部分が、後半から終盤への興味の核になってゆきそうな予感がする。


久保や根来といった個性際立つ新聞記者の動きも、
話のもう一つの筋を解き明かしてゆき、
政治献金に繋がる裏ルート地下金脈の流れが克明に描かれる。
世の中には救いのない巨悪を遂行してゆく悪人が存在し、
彼等はこの機に乗じ、犯人グループの稼ぎを遥かに上回る莫大な利益を目論む。
ひたすら特ダネを追いつつも、悪の流れを追い詰める正義もブンヤ達の持ち味。


ところで、ここ最近、
犯人グループの具体的な動きは作者の筆から欠落している。
果たして、彼等は計画通りに事を運んでいるのか?
土曜日に電柱に張った目印を見逃したことを契機として、
赤いビールを何箇所かに紛れ込ませたのは彼等の最初からの筋書きで、
相手に壊滅的な打撃までは与えず、真綿で首を絞める過程を楽しみながら、
積年の恨みの対象である企業から、目的の金額を奪取しようとしているのか。
この先どんな詰め方で20億を手にしてゆくのだろう?


そして、最後に事件はどんな結末を迎えるのだろうか・・・。

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