読書にはまると俳句はちょっとさぼり気味になります。
でも今はそっちの方が面白いので、ついつい小説の方に手が伸びます。
少したまった句もありますが、ちょっと横に置いて、今回は読書感想文。
奨められて、絲山さんの本に先ず手を出したのは「ばかもの」でした。
平仮名4文字のタイトルで、なんとなく軽く読めそうな印象だったのです。
決着から書いてしまうと、若い頃ばかな生き方をし始めてしまった男女が、
紆余曲折を経て、人生の悲哀を味わい、十数年後、元のさやに戻って結ばれるというお話。
話の面白さは、結末に行きつくまでの紆余曲折だ。とても説得力があったと思う。
何年か前に映画化もされていたようで、主演は女は内田由紀。男は・・忘れた。
映画もぜひ見てみたいのですが、残念ながらうちには機械が無いのです。パソコンでは見れるけどね。
2作目は「末裔」です。
ちょっとファンタジー的な色合いが濃い物語。(ファンタジーは大好きです)
主人公は区役所に勤めるあまりうだつの上がらない定年間際の男。
数年前に奥さんを亡くして、喪失感を抱えたまま働いている。
ある日、帰宅すると玄関の扉に鍵穴が無く(?)、家に入れない。
そこからさまざまなおかしな出来事が続いてゆく。
まず奇妙な男に窮地を救われる。しかし彼もほどなく謎の言葉を残して姿を消す。
そして会社の同僚女性との軽いいきさつ・・・。(恋愛関係ではなく)
後半でそのいきさつの背景が明かされますが、そこのところは省略です。
男にはこどもが二人いる。
長男は結婚しているが子供が出来ない。妻に敷かれている生活で、
父親が困っていてもすぐに駆けつけてくる事もできない。
娘の方はほとんど会話らしい会話もなく、母親の死後は家を出ている。
若い頃、男は北鎌倉に住んでいた叔父(数年前に死去)を慕っていた。
家に入れずピンチが続く中、たどり着いたのは廃屋になっているようで小綺麗な叔父の家。
そこから都内の職場に通い、幾日かを過ごす中で「オキナインコ」や不思議な犬との出会いもあり、
徐々に落ち着きを取り戻す。そして時々妻に、語りかけるような手紙を書く。
書けば気持ちが少しずつ救われて行く。
留守かと思っていた叔父の家は、実は映画志望の娘が時々立ち寄るねぐらになっていた。
或る晩突然、娘がその家に現れる。男は初めて娘とじっくり会話を交わし、娘の生き方を知る。
その会話の中身が自分としては大変面白かった。
もうすでに詳しいところは忘れていますが、
男は墓参りをし、墓碑名から先祖の名前を知ることになる。
そこに書かれた名前は「梶木川乙治」、彼を救ってくれた奇妙な男の名前と一致!
書き落としているところもありますが、静かに読める物語で、好きなお話です。
「妻を亡くした男の再生の物語」と帯には書かれたのかな。
ますます絲山さんが気に入りました。
「末裔」という言葉。考えてみると今生きている我々は全員「末裔」なのですね。
両親、その両親、そのまた・・・と遡ってみると、おびただしい先祖たちが居て、
確かにその末裔なのですね。それはまぎれもない否定しようのない事実。
今の人生で自分の子供を、子孫を残さなければ、その人は完全に末裔となり、
その血筋は傍系では残るとしても、直系では残らないという真実を改めて感じました。
で何?と問われそうですが、まぁそういうこと・・・。
ところで僕のペンネーム「郷左衛門」は会ったことのない四代前の先祖です。
父良雄、祖父与八、祖祖父与七で、その前の人。その先は分からないので、
今名前を知ることのできるいちばん古いご先祖様。
この人、ひょっとしたら僕が困ったときにこっそり助けてくれているのかも、ね。
でも今はそっちの方が面白いので、ついつい小説の方に手が伸びます。
少したまった句もありますが、ちょっと横に置いて、今回は読書感想文。
奨められて、絲山さんの本に先ず手を出したのは「ばかもの」でした。
平仮名4文字のタイトルで、なんとなく軽く読めそうな印象だったのです。
決着から書いてしまうと、若い頃ばかな生き方をし始めてしまった男女が、
紆余曲折を経て、人生の悲哀を味わい、十数年後、元のさやに戻って結ばれるというお話。
話の面白さは、結末に行きつくまでの紆余曲折だ。とても説得力があったと思う。
何年か前に映画化もされていたようで、主演は女は内田由紀。男は・・忘れた。
映画もぜひ見てみたいのですが、残念ながらうちには機械が無いのです。パソコンでは見れるけどね。
2作目は「末裔」です。
ちょっとファンタジー的な色合いが濃い物語。(ファンタジーは大好きです)
主人公は区役所に勤めるあまりうだつの上がらない定年間際の男。
数年前に奥さんを亡くして、喪失感を抱えたまま働いている。
ある日、帰宅すると玄関の扉に鍵穴が無く(?)、家に入れない。
そこからさまざまなおかしな出来事が続いてゆく。
まず奇妙な男に窮地を救われる。しかし彼もほどなく謎の言葉を残して姿を消す。
そして会社の同僚女性との軽いいきさつ・・・。(恋愛関係ではなく)
後半でそのいきさつの背景が明かされますが、そこのところは省略です。
男にはこどもが二人いる。
長男は結婚しているが子供が出来ない。妻に敷かれている生活で、
父親が困っていてもすぐに駆けつけてくる事もできない。
娘の方はほとんど会話らしい会話もなく、母親の死後は家を出ている。
若い頃、男は北鎌倉に住んでいた叔父(数年前に死去)を慕っていた。
家に入れずピンチが続く中、たどり着いたのは廃屋になっているようで小綺麗な叔父の家。
そこから都内の職場に通い、幾日かを過ごす中で「オキナインコ」や不思議な犬との出会いもあり、
徐々に落ち着きを取り戻す。そして時々妻に、語りかけるような手紙を書く。
書けば気持ちが少しずつ救われて行く。
留守かと思っていた叔父の家は、実は映画志望の娘が時々立ち寄るねぐらになっていた。
或る晩突然、娘がその家に現れる。男は初めて娘とじっくり会話を交わし、娘の生き方を知る。
その会話の中身が自分としては大変面白かった。
もうすでに詳しいところは忘れていますが、
男は墓参りをし、墓碑名から先祖の名前を知ることになる。
そこに書かれた名前は「梶木川乙治」、彼を救ってくれた奇妙な男の名前と一致!
書き落としているところもありますが、静かに読める物語で、好きなお話です。
「妻を亡くした男の再生の物語」と帯には書かれたのかな。
ますます絲山さんが気に入りました。
「末裔」という言葉。考えてみると今生きている我々は全員「末裔」なのですね。
両親、その両親、そのまた・・・と遡ってみると、おびただしい先祖たちが居て、
確かにその末裔なのですね。それはまぎれもない否定しようのない事実。
今の人生で自分の子供を、子孫を残さなければ、その人は完全に末裔となり、
その血筋は傍系では残るとしても、直系では残らないという真実を改めて感じました。
で何?と問われそうですが、まぁそういうこと・・・。
ところで僕のペンネーム「郷左衛門」は会ったことのない四代前の先祖です。
父良雄、祖父与八、祖祖父与七で、その前の人。その先は分からないので、
今名前を知ることのできるいちばん古いご先祖様。
この人、ひょっとしたら僕が困ったときにこっそり助けてくれているのかも、ね。
僕も時々は思い出すようにします。
本の感想、なかなか書けないんです。
ちょっと集中力がいりますね。
まぁぼちぼち・・・。