花満ちて母堂亡くせる人のあり

2017年04月10日 | 俳句
寅さんの歩いてさうな土手の春

一点の曇りもなくて春愁か

カツ丼の黄に添えたるや三葉芹

早咲きの桜四本に見とれをる

うららかや爺と孫との会話聴く



室咲の薔薇五本を買い求む

忘るるも嘘重ぬるも鳥雲に

瑣事に揉め大事捨て置かれたる春

クリスマスローズ満開春の雨

号で呼び号で呼ばれて春麗



梅林の紅薄まりて残る白

春水の流るるごとき句友かな

メールとは秘密の文か弥生尽

初桜こころ浮き立つ新句会

球春や予想外るる事多し




「クリニック贈」のベンチや桃の花

エイプリルフール真逆を願ふとか

梅は散り桜は蕾花は桃

颯爽と風に向ふや春コート

囀といふよりむしろ叫びかな




あまりにも見事に咲けば春愁

眼瞑りて囀ぢつとぢつと聞く

春愁や打ち続けたるキーボード

囀やちゆんではなくてちゆと聞こゆ

花の雨二分咲きならばよしとせむ



春の宵攀といふ字はよづと知る   ※登攀 よぢのぼる

折々に学びし詩歌花の下      ※大岡信

満開の桜通りの桜かな

禍禍しき幹より銀の桜かな

この年の桜の記憶雨の中



怪獣の暴れし跡か春落葉

見せばやと椿一輪千切りとる

花眺む花に溺れてしまふまで

制帽の徽章白線さくら散る

桜木の大樹の根本花一輪

あらためて桜多きを思ひ知る


2 コメント

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Unknown (きりぎりす)
2017-04-20 07:29:58
色と光あふれる春となりました。調子は益々よさそうですね。これからもどうぞお励み下さい。
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俳句三昧 (けんと)
2017-04-20 21:48:07
コメント有難うございました。

名古屋句会が始まって、ますます俳句三昧になりそうですが、
頭の痛いこともあります。

問題は句会の会場探しです。
泥江町の国際センターは便利で快適な会議室ですが、
ちょっと会場費が高くて、先生への謝礼があまり出せません。

名古屋市中区の生涯学習センターと婦人会館イーブル名古屋をあたったところ、
会場費はお値打ちですが、予約に手間取ります。競争率も高いので確保は不安定・・・。

高くても当分は国際センターかな。
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