急に寒く感じる。
昼間はまだ25度に届く日がこれからもあるようだが。
総選挙、アメリカの大統領選挙。
その結果は、なんとももやもやが深くなるような。
国内政治と国際政治のかじ取りは大変だ。
結果発表(2回にわけて)
鵙猛ける俺がことなら放つといて 瞳人
〇(春生)中七下五は作者の叫びか。
〇(ちせい)本音と言うか、吟行に忙しかったのかもしれません。
UFO の聖地と言はる芒原 アゼリア
◯(まきえっと)UFOを信じていた日を思い出しました。夜、空き地に見に行きました。
指立てて風に刈田の明日を見る 宙虫
◯(楊子)もう次の耕作を考えている農夫です。
◯(餡子)良く漁師がこういう動作をして「風を読む」のだそうですね。
◯(卯平)少々ゴタゴタしてはいるが、刈田に佇む詠み手の心情が上五で伺える。「明日を見る」が別の措辞であれば更なる選を考えるかも知れない
枯れながら風を自在にねこじやらし アネモネ
〇(瞳人)悠然とした風情はうかがえますが
◎(楊子)とてもうまいなあ。表現が的確で無駄な言葉がありません。
◎(あき子)ねこじゃらしの自立が感じられて、力強さも漂っています。
◯(アダー女)枯れ行く姿になろうと猫じゃらしはしたたかに我が思いのままに最後まで猫じゃらしです。
〇(春生)風に操られているのではなく、操っているようですね。
◎(めたもん)さり気無くふわっと詠んでいるようですが読み返していて、軽やかな味わい(=魅力)に気づきました。
◯(宙虫)流れる文体が猫じゃらしの違う一面を見せてくれる。
仄かなる刈田の匂ひ鳶の鳴く 仙翁
〇(春生)大景が表現できています。
◯(道人)この刈田には稲藁が散在している。その匂いに反応したのか、鳶の声が一際高く聞こえて来そうな句。
◯ (アゼリア)刈田の匂いの措辞に惹かれました。
◯(宙虫)空間を上手に見せてくれる。晩秋の景がいい。
水音が縫う穭田のパッチワーク 珠子
〇(あき子)縫い目の手作り感がパッチワークと共通していますね。
◎(まきえっと)言葉の選び方がいいですね。
とんぶりを和えるパスタもご当地味 藤三彩
◯(泉)いかにも美味しいご当地パスタ、という感じです。
〇(アネモネ)とんぶりのパスタ美味しそうです。
父の背の夢より覚めて芒原 卯平
〇(めたもん)「父の夢」ではなく「父の背の夢」としたことにより、余韻のように父の残像が芒原に重なって見えてきます。
◎(珠子)父の「背」の夢から「芒原」へ着地。沁みます。
◯(楊子)昔の父に背の思い出でしょうか。
◯(あちゃこ)温かな父の背の思い出。
〇(春生)子ども時代の思い出か。
〇(カンナ)上手い句だと思います。
◎(道人)父の背ナには薄原がよく似合う。
◯ (アゼリア)昔こんなことがあったような。
◯(宙虫)芒原の季語がよく働いている。
雨に跳ねてコキア紅葉はゴムボール 幹夫
〇(仙翁)跳ねてゴムボール、面白いですね。
コスモスの迷路半世紀さ迷う カンナ
〇(珠子)「半世紀さ迷う」にドキリ。でも美しい花の迷路でよかった。この先はウィンターコスモスの迷路へと誘われることでしょう。
◎(餡子)日本はそうだったのかも・・・。コスモスのように美しいと思っていたのは幻影だったかも。
◯(まきえっと)世界中がさ迷っている感じですね。
◎(宙虫)半世紀・・・本当だなと思う。
芒野に似た大都市に憧れる 泉
◯(幹夫)昔クールファイブが歌った「東京砂漠♪」を思い浮かべた。
〇(ちせい)芒野と大都市を結びつけるとは。
女郎花群れて原野のストライキ 楊子
◯(藤三彩)黄色の花を検索すると米国のボーイング社ストライキが出て来る黄信号。
◯(泉)何となくユーモラスな俳句だと思います。
◯(アダー女)一見、集団で咲き、風が吹こうが健気に咲く姿は嫋やかな女っぷりだが、最後まで踏ん張って咲く姿はまさにストライキでも起しているような強い女達の集団にもみえますね。うん、したたかに生き抜く女の底力を感じます。
◯(カンナ)意味がよくわかりませんが面白い句。
タブレットの秋耕日誌夕餉時 あき子
◯(泉)SNSは驚異的に進歩していますね。
◯(楊子)確かにそんな時代でしょう。俳句に新しさを思い切って使うことも大事です。
◯(餡子)今までは「農日誌」というのがありました。 今やタブレットですか。年寄りには理解できね。
〇(アネモネ)今風な秋耕日誌です。
鉢のコキア枯れしを箒にしてみたし アダー女
帚木は刻のカプセル紅葉して あちゃこ
◯(藤三彩)源氏物語第二帖「帚木」の意味ならばヒノキの名木のこと。で秋の季語として紅葉する。
〇(珠子)箒木はまん丸くて確かに紅葉のガチャガチャ。「刻のカプセル」がいいですね。
〇(アネモネ)「帚木は刻のカプセル」とてもいい措辞だと思いました。
◯(カンナ)中七に独自性があって良いと思います。
◯(幹夫)「刻のカプセル」との表現が素敵だ。
◯(道人)ゆっくりと紅葉して行く箒木を時間のカプセルになぞらえたところに惹かれた。
眺望に巻き戻る過去女郎花 めたもん
◎(ちせい)走馬灯と言うほどではない、巻き戻る過去。
◯ (アゼリア)巻き戻せぬーという措辞は良く聞きますが巻き戻るは新鮮に思いました。
この村のほか知らぬ祖母おみなえし 餡子
〇(瞳人)これも人ひとりの生きてきた重みというような
◯(藤三彩)嫁いだ後に村から外へ出る機会なくということはあったんだろう。でも娘を頼って冬季は都会へといこともあるだろう。
◯(楊子)昔は一村ですべてが完結していました。それでも幸せないい時代だったのかもしれません。おみなえしも穏やかな感じでいいです。
〇(珠子)私の祖父母も父母もそうでした。多分その前の代もずっと。生まれた土地にへばりついて生きるしかなった時代。この女郎花、初秋に咲き忘れたのでしょうか?
◎(泉)大都市への人口集中と地方の空洞化。と言うのは大げさかな?
◯(あちゃこ)似た設定の句はみかけますが、リアルのもつ哀愁を感じます。
〇(あき子)祖母を想う気持ちが、おみなえしに託されているようです。
〇(仙翁)おばあさんは、それでいいのですね。
◎(春生)清く美しく生きて来たんですね。
〇(めたもん)山村生まれで海を見たことがないとか、そんなお年寄りが昔はいましたね。季語がいいと思います。
◎(卯平)この句の眼目は「祖母」。揚句でもし他の親族であったならあまりインパクトはないだろう。「おみなえし」より「女郎花」の方がより上五中七を活かすであろう。詠み手の祖母に対する思い。
◯(道人)過疎化がテーマ。親の代から都会暮らしの世代が今の日本。「おみなえし」の平仮名表記の妙。
◯(宙虫)生まれ育ち、家を継ぎ、子育てをして・・・。そんな女性多かったでしょう。守ってきたものは多い。
つづく
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