結果発表1からの続きです。
椰子の下七面鳥のクリスマス 瑠璃
元日の常と変らぬ散歩道 餡子
○(ちせい)季語は「元日」。何時もと同じ散歩道。しかし清新の気が満ちて居る。
○(幹夫)健康の為いつもの散歩道・・・さあ元日だ。
〇 (多実生) 散歩は気分転換にコースを変えますが、所詮歩き馴れた道です。
◎(仙翁)そう、元日と言えど、何も変わってはいないかも。
〇(瞳人)すずめのえさやりもおなじです。
◎(泉)元日と言っても、昨日の今日です。散歩も、いつもと変りません。
山茶花咲く父母在りし日も亡き今も アゼリア
○(ルカ)寂しいけれど寂しさともしっかり向かい合ってる作者に共感しました。
○(敏)満目枯れ果てたこの季節、花を咲かせる山茶花は、人の世の無情、運命の儚さを呼び覚ますものなのでしょうか。
〇 (多実生) 生家の座敷の前の山茶花も同様です。
〇(仙翁)人は変わっても、自然の景色は、以前のように。
〇(瞳人)父母のこいしき齢というものですね。
〇(珠子) あえて「咲く」と言いたかったのでしょう。変わらずに存在してくれるものの大きさとあたたかさ。私にとっては故郷の田んぼと山河。
◎(藤三彩)「庭を掃いておいてね」という声が聞こえそう
○(アネモネ)「山茶花」がいいですね。しみじみと読ませていただきました。
(選外)(道人)時は移ろえども自然は変わらず。無機質な都会の生活にも山茶花は毎年咲き継いで、年の節目には兄弟や親類とともに父母のことを思い出させてくれますね。
師走尽き鉄の構図の無人駅 敏
○(ルカ)鉄の構図、言葉が面白い。
〇(春生)「鉄の構図の」がうまいです。
冬夕焼見たくて電車乗り過ごす まきえっと
〇 (多実生) 冬夕焼けは意外に長い時間見られます。こんな事も有りそうですね。
〇(仙翁)もっと乗って行けば、もっと夕焼けが大きく見えるか。
○(アネモネ)ほんと、そんなときってありますよね。同感です。
◯(道人)冬の夕焼けは短いけれど余韻が残る。こういう気分はよく分かります。
(選外)(ちせい)季語は「冬夕焼」。その心理がよく分かりました。
列島を雪と快晴二分する 多実生
○(幹夫)二分は列島縦断か横断か。北国に冬は寒い。
○(泉)日本海側と太平洋側とでは大違いです。大雪の恐怖は、私には理解できません。
○(瑠璃)列島はくっきりとお天気が分かれていますよね。
淑気満つ始発電車の連結器 春生
○(ルカ)連結器に着目したところがいいですね。
○(幹夫)元朝始発電車の連結器の音が聞こえてきそうだ。
○(ちせい)季語は「淑気満つ」。何か物に惹かれる。山口誓子の 「夏草に 汽缶車の車輪 来て止まる」が思い出されます。
◯(あちゃこ)これから初詣に出かけるのでしょう。電車まで書かず連結器を表現していただけると、より景がはっきりするのでは。
◎ (アゼリア) 連結器ー目の付け所が鋭いと感心いたしました。
○(敏)年の初めに出発しようとしている電車の瑞々しさが伝わってきました。
〇 (多実生) 連結音の記憶は、踏切を止められ貨車の入れ替えが三回程あり、何回も学校を遅刻の苦い体験です。
◎(瑠璃)淑気満つるのが始発電車の連結器とはなかなか思いつきません。
◎(珠子)寒々とした音にさえ淑気。焦点化が小気味よい。
○(アネモネ)「連結器」はたぶん始発電車の連結器の「連結の音」のことなんでしょう。いかにもだと思いました。
寒夕焼背中貫く汽車の音 ルカ
〇(まきえっと)「貫く」から寒さが伝わってきます。
〇(仙翁)確かに、汽車の音が背中に響くことはありそうです。
〇(珠子)背中を貫く汽車の音は忘れられない思い出なのかもしれません。
◎(宙虫)何か大切なものを想い出したような一瞬を感じます。SLの重厚な音で・・・。
(選外)(ちせい)季語は「寒夕焼」。背中貫くが極めて詩的私的だと思いました。私には伝わらなかった。
寒天の下にうごめく大都会 幹夫
○(餡子)人っ子一人見えないが、都会のマンションでは、それぞれの暮しが営まれている。冬の空の下。色々な人生模様がうごめいているのだ。
山茶花の紅白活ける美肌の湯 藤三彩
広島は最近、ひどい寒さが続いています。この時期なのだから、寒いのは当然なのでしょうが、体には大変です。今年もボツボツと俳句を作りたい、と思っています。