こんにちは「中川ひろじ」です。

みんなのお困りごとが私のしごと

20210622 6月定例会一般質問②人権問題について

2021-06-22 13:29:28 | 憲法・平和・沖縄

2 人権問題について

(1)迷惑行為等防止条例の改正について

【中川】差別を伴う悪質な「嫌がらせ行為」が10年以上にわたって反復して行われるような重大な人権にかかわる事件が、最近地元紙で3日間にわたり特集が組まれていました。その内容から現行の法体系では行政も警察もなかなか対応しきれない現状が伺えます。

 長野県以外の都道府県では、いわゆる迷惑防止条例で「嫌がらせ行為」を規制していますが、長野県においても悪質な嫌がらせ行為については、処罰を含め規制すべきではないかと考えます。

2月定例会で、花岡県議からの質問に答えて、警察本部長から、迷惑防止条例の改正の必要性や改正のあり方について真剣に検討していく旨の答弁もありましたが、いわゆる迷惑防止条例について、「嫌がらせ行為の禁止」等を追加する改正に向けての作業を急ぐべきと考えますが警察本部長の見解を伺います。

【警察本部長】迷惑防止条例についてご質問をいただいた。

 前回の2月長野県議会定例会において、私から答弁させていただいたとおり、現在、県警察では、いわゆる迷惑防止条例の改正について、真剣に検討を進めているところである。

 その中において、「公共の場所又は乗物」以外の場所における盗撮やのぞき行為等の規制を検討しているほか、議員ご指摘の、人間関係のトラブル等に起因する嫌がらせ行為や恋愛感情に基づかないつきまとい等を規制対象に加えることなどについても併せて検討しているところである。

 県警察としましては、できる限り早く条例改正の案をまとめ、関係機関等との協議を経て、議会に提出できるようどりょくしてまいる。

 

(2)ハンセン病患者台帳流出について

【中川】明治時代に警察が県内のハンセン病患者らの氏名などをまとめたとみられる台帳がインターネット上のオークションに出品されるという事案が、今年2月に起こりました。これはハンセン病回復者の皆さんやその家族の皆さんに、多大な不安と恐怖をもたらし続けるという精神的被害の現実から、早急な問題解決が図られなければならない課題です。

 今回の問題は、長野県だけの問題ではなく明治32年の調査は隔離政策の開始につながる全国一斉調査であり、同様の資料が全国的に存在し、同じように流出してもおかしくない状態であることから国としても早急に対策を講じる必要があります。また、人権侵害を起こす可能性が高い歴史的文書、公文書に対する扱いについても国の段階での法整備が必要だと思われます。

 ただ、今回の長野県の文書の流出ということですから、長野県として人権問題やハンセン病問題にどう取り組んでいくのかということが問われています。

そこで、まず警察本部長に、この件に関する県警察の対応状況について伺います。

【警察本部長】本件については、本年2月17日、県から表紙に大町警察署との記載があるハンセン病患者に係る台帳がネットオークションやネットショップに出品されているとの情報提供があり、県警察として認知したものである。

 当該文書の表紙には大町警察署との記載がありますが、文書が作成されたと思料される明治時代は、中央では内務省、地方では県知事によって、警察が管理運営されており、現在の大町警察署とは組織が異なること、また、昭和23年に、衛生に関する業務が警察から県に移管されていることなどから、当該文書が出品された経緯の調査等については、県が調査主体となり、県警察としても保管文書の調査等を行うなど県の調査に必要な協力しているところである。

 なお、本件を受け、県警察では本年2月に22警察署を含む県警察の全所属につき同種文書が存在していないか調査を実施し、本年6月にも県からの「ハンセン病に係る文書の保管状況等調査」を受け、再度調査を行い、この種の保健衛生に関する文書は保管していないことを確認している。

 

 今回の文書の流出の経緯は明らかではありませんが、いずれにせよ、このような文書が行政機関から流出することはあってはならないことであると認識している。

 県警察としては、引き続き、行政文書の整理・保管や保存期間が満了した文書の廃棄等を適切に行い、文書管理を徹底してまいる。

 

【中川】次に、今回の事案を把握してからの経緯と今後の対応について県民文化部長に伺います。

【県民文化部長】本年2月の事案把握後、人権侵害に繋がる恐れがあることから、直ちに人権救済機関である長野地方法務局へ報告するとともに、厚生労働省とも情報共有を行いました。また、オークション出品者を訪問し、台帳を販売しないように依頼したところであります。

 また、先月にはハンセン病市民学会等で構成された『「明治三十二年癩病患者並血統家系調べ」に関する検討会』の皆さんから、県としての取組姿勢を明確にし、対策を講じるよう、要請をいただき、県として今回の文書への対応を行うとともに、行政の情報管理の在り方の再検討や、人権意識の向上に取り組んでいくことを回答いたしました。

現在、ハンセン病に係る公文書の有無や、保管状況について、現地機関を含めた全庁を対象に調査中であり、来月には結果を取りまとめてまいります。

また、総務部等において、個人情報を含む行政の情報管理を適切に行うよう通知の発出や情報統括責任者会議等での徹底を行ったところであり、今後、個人情報が漏洩した場合の対処手順の見直しについても行っていく予定です。

さらに、県職員の意識向上を図るべく、研修会の開催を検討しております。

引き続き、国や関係団体の皆様とも情報共有をしながら、必要な取組みを行ってまいります。

 

【中川】そして、ハンセン病患者台帳流出に関する知事の認識をお伺いします。あわせて、人権は県民の安心な生活の基盤であると考えますが、県行政のトップとしてこれまでも知事は人権を守ることについて様々発信をしてきていますが、あらためて人権を守ることについての知事の決意をお伺いします。

【知事】今回、おそらく元は県で保管していたであろう文書によりまして、ハンセン病回復者及びご家族の皆様に多大な不安を与えてしまっていることについて、重く受け止めているところであります。

こうしたことが、二度と起こらないように、関係団体の皆さまのご意見も十分承りながら、県としてしっかり対応をしていきたいという風に考えています。

 関係の皆さんと意見交換させていただいた際に私から、今部長からも答弁ありましたように、大きく3点、課題を申し上げています。1つは今回の文書の扱いであります。こうした文書がまた同じ形で出てしまうのではないか、またどこかに存在するのではないかという風な心配をされていらっしゃるので、我々としてはできるだけ県庁内をしっかりと調査してきたいと思っています。同じような文書があるのか、ないのか、確認を行っていきたいと思います。

 また、これは関係の皆さま方と相談の上ではありますが、県民の皆さま方の中に、こういった文書を保有されている方が、もしいらっしゃれば申し出て頂くというような呼びかけも検討していきたいと思っています。

また、2点目として一般的に今回、個人情報が含まれている文書でありますので、行政としての情報管理をしっかり行っていかなければいけないという風に考えています。県として改めて情報管理を徹底すると同時に、問題が生じた場合の対応についても、処理方針を明確にして臨んでいきたいという風に考えています。

それから3点目が、人権を守るための取組の強化ということでございます。これが中川先生のご質問にも、重なる部分がありますけども、今、コロナ禍の中でも誹謗中傷・差別が大きな問題になっています。今まさに人権の問題に、我々長野県としても改めて、正面から向き合って対策を強化していきたいという風に考えています。職員の人権意識を更に向上させるための、研修等を行っていきたいと思いますし、県民の皆さま方と人権について共に考える場を設けていくことを考えていきたいと思っています。加えて今年度中には、人権政策推進基本方針の改定をして、今日的な課題も含めて県としての対応の在り方を考えていきたいという風に思っています。こうした人権の課題に県として、真摯に、真剣に向き合う中で人権が尊重される長野県を目指して取り組んでいきたいと考えております。以上です。

【中川】そもそも、癩予防法の廃止に伴う名簿の廃棄について国から指示があったのか、廃棄されたという事実を確認する仕組みがあったのか、古書店がどのような経緯で入手したのか、県は当初回収を躊躇したと報道されているがその事実関係を明らかにするとともに、今後の調査のあり方についても、県・市町村関係機関への調査とともに、県職員・警察官関係者のOBへの聞き取り調査、古書店・古文書などを扱う業者、さらには個人への呼びかけなど責任体制を明確にして調査が行われるようお願いします。

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20210504 ミャンマーに愛と祈りを

2021-05-05 19:08:43 | 憲法・平和・沖縄

2021 ミャンマーに愛と祈りを〜2000年ミャンマーレポ(宮本たみこさん)&2020年ミャンマーレポ( 臼井健二さん)

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20210223 登戸研究所シンポジウム

2021-02-24 12:49:50 | 憲法・平和・沖縄

20210223 登戸研究所シンポジウム

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20210124 核兵器禁止条約発効を祝う集い〜藤森俊希さん講演

2021-01-25 09:58:07 | 憲法・平和・沖縄

核兵器禁止条約発効を祝う集い〜藤森俊希さん講演

20210124 核兵器禁止条約発効を祝う集い〜社民党長野県連合中川博司長野県議会議員スピーチ

<以下全文>

1月22日核兵器禁止条約が発効し、核兵器廃絶に向けた世界の動きがスタートすることを、本日お集りの皆さんと共に確認しあいたいと思います。

 藤森さんのスピーチは、これまでに何度か聞いてきましたが、今日のスピーチは希望を感じました。

 10月24日、50か国目のホンジェラスが署名をした翌日ピースボートが行った12時間テレビを見ました。最初に登場したのが、ブラジル被爆者平和協会の96才の森田さんなど3人で、50か国目の批准を喜んでいました。そのブラジル被爆者平和協会は、昨年暮れに高齢化を理由として解散をしたというニュースが流れました。

 12時間テレビの最後に登場したのが長崎で核廃絶に向けた活動をしている学生の皆さんでした。

希望は、核廃絶の運動が若者に引き継がれていることです。

 私自身は、労働組合の青年部の活動で「反核平和の火リレー」に参加したことが、核兵器廃絶に向けた運動の入り口でした。被爆地広島で始まった「反核平和の火リレーが、長野県で始まったのは1988年のことです。核兵器の廃絶に向けて、長野県内の自治体に「非核平和自治体宣言」を行うよう要請するため、広島市平和公園で採火した「平和の灯」をトーチとしてリレーを行う運動です。当時県内の自治体は県・市町村含めて124ありましたが、のべ6,000人のランナーが1600キロを5週間かけて走り継ぐ運動です。ただ走るだけではなく、被爆の実相を学び、「語り継ごう走り継ごうヒロシマ・ナガサキの心を」スローガンにし、学習会を行ってきました。33回目となった昨年は、コロナの影響でランナーが集まって走ることはできませんでしたが、自治体への要請は県を含めて全78自治体へ行いました。私たちが語り継いできたヒロシマ・ナガサキの心とは、「人間の尊厳を奪うものは、誰であろうとも、どんな理由があろうとも許さないことだ。そして、そのために行動を起こすこと」です。

 昨年の8月6日、原水禁の総会で、藤森さんのスピーチと共に、被爆者の一人である今井和子さんのお話を聞きました。今井さんは「被爆証言を続けてきたが、今の世界の動きに無力感を感じる」と語り始めました。ある日テレビを見ていたら、アメリカの若者の70%が核兵器に反対しているという世論調査の結果を聞き驚きました。その若者の一人が被爆者の証言を聞いて「人種差別・地球温暖化・核兵器が人間の尊厳を奪うもので同じだ」と語ったのです。今井さんは、それを聞いて「勇気をいただいた」と語りました。

 また、核兵器禁止条約が発効した22日の夜、社民党福島みずほ党首とカクワカの皆さんや高校生平和大使の皆さんとのトークセッションがありました。カクワカとは「核政策を知りたい広島若者有権者の会」の略で、主に国会議員の皆さんに核兵器の廃絶について考えを聞く活動をしています。カクワカの一人の方は「条約発効で社会が変わっていくのに、日本の国会は議論していないことに危機感を持っている。関心が無い人が多い中でどう政治や市民に関わっていくのか」と語り、まずは知ってもらうために「すすめ核兵器禁止条約プロジェクト」に取り組んでいるというお話をしてくれました。

 高校生平和大使は1998年から始まり、今年で第23代目となります。毎年選ばれた高校生平和大使は、高校生1万人署名を携えて軍縮会議が開かれるスイス・ジュネーブの国連欧州本部を訪問し核兵器廃絶と平和な世界の実現を訴えています。今年の平和大使の高校生は核兵器禁止条約の発効について「市民社会の長きにわたっての訴えが届いた結果だと思います。過去に、ニューヨークテロ事件の時にはもう辞めようかと思ったことがあったそうですが、やり続けてきたことが力になったと思う。その時に、生まれた言葉が“私たちは、微力ではあるが無力ではない”という言葉です」と話してくれました。

 これまでに話があったように唯一の戦争被爆国である日本の政府は、「核兵器保有国との橋渡し役となる」という理由で、核兵器禁止条約交渉会議にも参加してきませんでした。核兵器禁止条約は締約国でなければ拘束されませんが、ICANのベアトリス・フィン事務局長は「発効により(核軍縮を進めるべきだという)強い国際規範が生まれ、核保有国も圧力にさらされる」と指摘しています。日本や北大西洋条約機構(NATO)加盟国など「核の傘」に依存する国が参加することが「最初のステップになる」と話しています。

 さらに、条約が発効する意味は「核兵器は違法である」という国際規範は、例え条約に加盟していなくても強い抑制力を働かせることになります。地雷禁止条約やクラスター爆弾禁止条約は、アメリカなどが参加していませんが、使うことは無くなりました。核兵器は使えば地球が終わることは誰もが理解しています。使わない、使えない核兵器ならば、廃絶することがどんなにか平和に向かう力になることか分かりません。

 話は変わりますが、最近話題の「人新生資本論」を読まれた方はいらっしゃいますか?大阪市立大学の准教授である斎藤幸平さんが書かれた本です。主に気候変動について、マルクスはどう考えようとしていたのか、その手掛かりをマルクス晩年の研究の対象となった自然科学書物の「抜き書き」に求めて研究された本です。

21世紀の最大の課題である気候変動について、「マルクスは見解を示していない」という批判があります。マルクスやエンゲルスが無制約的な経済・技術成長を盲目的に賛美しており、自然資源の枯渇や生態系の破壊といった環境問題について気にもとめていない」と言われ続けてきました。これに対して斎藤さんは「マルクスの経済学批判の真の狙いはエコロジーという視点を入れることなしには、正しく理解することができない」との研究を発表しています。さらに「資本主義における惑星の普遍的物質代謝の亀裂を批判し、持続可能な未来社会―『エコ社会主義』を構想するための方法論的基礎を与えてくれる」と述べています。近代において、人間が自然と切り離されたことが、資本主義を形作るもとになっていることや、あるいは人間もまた自然の一部であり、人間労働は休息抜きにはありえない限界性を持っていることは誰でも理解できるところですが、マルクスの晩年の自然科学の研究から「最終的には、資本は自然的世界の諸制約から自由になることはできないのであり、その矛盾が―経済危機ではなく―環境危機として現れてくるのである」と捉えています。資本主義を超える社会を、これまでの全体主義的な社会主義ではなく、「民主的な環境社会主義」「草の根社会主義」の実現へのシステムチェンジを訴えています。

 「核の危機」も、この社会のシステムをチェンジしなければ実現できない課題の一つかもしれません。成長と利益の増大を求め続けることが資本主義社会の宿命だとしたら、原発を含めた核開発をやめることはできないだろうし、成長を目指した資本による自然破壊を止めることはできません。資本の成長は自らを「豊か」にすることで、可視化されない(あるいは無視され続ける)発展途上国の資源や森林の収奪を行い続けます。賃金格差の増大、非正規労働の拡大を止めることができなければ、福祉・医療の切り捨ても止めることはできないでしょう。核廃絶もできないのかもしれません。

 次の時代を担う世代をZ世代といいます。Z世代は確実に次の新しい社会を想像しています。グレタ・トゥーンベリさんはZ世代の代表です。彼女は私たちに向かって気候変動に具体的な行動を起こすよう呼び掛けています。「大絶滅を前にしているというのに、あなたたちはお金のことと、経済発展がいつまでも続くというおとぎ話ばかり」と訴えたのはニューヨーク国連本部で開催された2019年気候サミットでした。

 私はこうした若者たちの声や行動に強く自分自身反省をします。私は強大なアメリカという国やロシアという国や中国という国は、「何を言っても変わらないだろう」と思ってしまっています。「核兵器はなくならないだろう」と、あきらめてしまう気持ちも正直あります。ですが、私にも3人の子どもがいます。この子どもたちの未来をあきらめることができるのかと反問します。せめて何かできることはないのかと考えます。

「核兵器(むろん、兵器全般)を製造する会社や支援する会社への投資をやめよう!」と呼びかけることはできます。

「核兵器禁止条約を批准する政府をつくろう!」と働きかけることはできます。

 幸いに、昨日信州市民アクションと県内3野党がWebで会議を持ちました。立憲民主党からは篠原孝県連代表が参加しました。日本共産党からは藤野保史衆議院議員が参加しました。社民党からは私が参加しました。

 羽田雄一郎参議院議員が新型コロナで亡くなられたことを受けて行われる参議院補欠選挙と衆議院選挙に向けた課題について話し合われました。皆さんと一緒に、市民と野党の統一候補として推しだした杉尾さんも参議院内閣委員会で涙ながらに訴えておりました。野党が検査を拡大してくれとどれほど言ってきたことか、すぐに検査を受けていれば、その結果すぐに入院していれば、落とさなくてよかった命です。昨日までに日本全体で5063人の方が亡くなっています。入院先が見つからず自宅療養のまま亡くなった人が全国で17人います。5063人という数字や17人亡くなったという数字ではありません。無くなっている方一人ひとりに家族がいます。一人ひとりに日々の暮らしがあったのです。

 新型コロナで奪われる命、核兵器で奪われる命、一つ一つの命はすべて重いものです。今こそ、命と暮らしを守る政治の実現が求められています。

 信州市民アクションが私たち野党に示した共通政策に「核兵器禁止条約を批准します」と書かれています。このことは中央でも確認できることです。政権交代が実現すれば、新しい日本政府は核兵器禁止条約を批准するのです。

 カクワカの学生が「核なき世界の未来図を共有しよう」と呼びかけていました。そうです、核兵器廃絶は夢物語ではありません。今日ここにお集りの皆さんと共に、日本政府が核兵器禁止条約を批准し、そして核兵器が廃絶される平和へ向かう世界の未来を共有しようではありませんか。

 ありがとうございました。

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20200109 9の日行動

2021-01-09 15:05:30 | 憲法・平和・沖縄

■松本地域の感染症医療、厳しい状況に

 松本地域の感染症医療を担っている松本市立病院は、7日オンラインで記者会見が開かれました。

「感染の連鎖が続き、ぎりぎりの状態。一般診療にも影響が出始め、医療崩壊が始まりつつある」と危機感を募らせていました。同病院のコロナ用病床は、昨年末に9床増やして25床とし、7日現在で陽性患者23人が入院しています。職員の感染が確認されたため、コロナ用病床が入る病棟は、コロナ以外の救急患者の入退院などを2週間停止することにしました。救急患者は別の病棟で受け入れるため、緊急ではない内視鏡検査や健診、人間ドックなどの一般診療を制限することになります。外来は通常通り続けるということです。

 コロナ専従の看護師は現在17人で、近く8人増員する予定。それでも第三波では高齢患者が多く中村院長は「看護師は感染症診療に加えて排せつの世話など生活の介護も担い、過酷な状況」としています。連休明けには協力病院での感染症病床を確保し受け入れを拡大する方向で調整しています。

■感染症医療を担う松本市立病院

 松本市立病院は、松本市と波田町が合併する以前は、波田病院という名前で地域医療を担ってきた。現在、建物の老朽化に伴い建替えの話が進んでいます。これまで病院内での検討とあわせて、病院外の専門家会議での検討が、それぞれ行われ松本市に対して答申が出されています。

 旧市や東山部に居住する市民にすれば、あまりなじみのない市立病院かもしれません。しかし、新型コロナへの対応で明らかになったように、松本市立病院は、松本地域(松本市・安曇野市・塩尻市・東筑馬郡)における政策医療を担う唯一の公立病院なのです。

 政策医療とは、赤字でも必要な医療を維持するために国や自治体が支援する医療のことで、感染症医療、へき地医療、小児医療、救急医療などを指します。

 感染症医療で言えば、普段でも感染症病床を維持しなければなりません。空きベッドを持ち続けることは、それだけ赤字を持ち続けることになります。だからこそ、国や自治体の支援が必要になるのです。

■医療従事者に感謝と激励を

 病院内で感染者を出しただけに、極めて強い緊張状態の中に今あることは想像に難くありません。昨年の2月以来松本地域の新型コロナ患者の受け入れを行ってきました。これまで、自分が感染することで医療崩壊につながるという恐怖や、家族や友人とも距離をとった生活、防護服の着脱や配膳・清掃などの業務、高齢者への対応など、感染症であるだけにその仕事の大変さの中で、極度の緊張とストレスの中で新型コロナの患者さんの命を預かっています。

 今こそ、松本市立病院をはじめとした医療従事者のみなさんに感謝の思いを伝えましょう。

#松本市立病院ありがとう。

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20201202 オスプレイ飛行訓練情報提供

2020-12-03 08:56:53 | 憲法・平和・沖縄

(長野県から以下の通りのお知らせがあり、今朝の信濃毎日新聞でも掲載されていました。)

防衛省北関東防衛局から、日米共同訓練(令和2年12月7日~18日)の実施に関し、米軍機オスプレイの飛行情報について連絡がありましたのでお知らせいたします。

明日(12月3日)午後、オスプレイが相馬原飛行場に飛来する予定です。

※気象条件、機体整備等の状況により、中止となる場合があります。

陸上自衛隊第12旅団司令部総務課広報室

0279-54ー2011(代表)

陸上幕僚監部広報室

03-3268-3111(内線)40083

 

長野県が11月30日防衛大臣にあてに出した要請書

11月25日県護憲連合と憲法会議で行った県危機管理部への要請書

 

2020年11月25日

長野県知事  阿 部 守 一 様

県危機管理部長  竹 内 善 彦 様

               長野県憲法擁護連合                         

               代表委員 松 澤 佳 子

               憲法改悪阻止長野県各界連絡会議

               代表委員 山 口 光 昭

 

オスプレイを投入する日米共同訓練の中止と訓練全容の情報開示を求める申し入れ

 

貴職のご健闘に敬意を表します。

さて、陸上自衛隊は11月13日、米海兵隊との日米共同実動訓練(フォレストライト)を12月7日~18日の日程で新潟県関山演習場及び群馬県相馬原演習場において実施すると発表しました。

私たちが重大視する点は、米海兵隊第1海兵航空団・第265飛行隊配備のMV22オスプレイが投入されることです。

オスプレイは、2016年12月の名護市沖での墜落事故をはじめ、機体を起因とする重大な事故や部品落下等のトラブルが絶えず、機体の安全性に対する信頼が根底から揺らぐ欠陥機です。

2017年3月には、新潟県関山演習場で実施された日米共同訓練において、オスプレイが県内東北信上空を通過する訓練飛行を強行しました。千曲川流域に沿って市街地上空を飛行するものでした。

県では、再三にわたり、事前の情報開示を求めてきたにもかかわらず、米軍及び国からは一顧だにされず強行された訓練でした。

今日再び、欠陥機であるオスプレイの訓練投入により、県民の生命・財産の危機が現実のものになろうとしています。

米軍横田基地にCV22オスプレイが配備され、また陸上自衛隊木更津駐屯地に暫定配備されMV22オスプレイが11月20日、配備後初めての駐屯地敷地外飛行訓練が実施されています。

今後、東北信17自治体に及ぶ訓練区域(エリアH)でのオスプレイ夜間飛行訓練をはじめ、ブルールートにおけるオスプレイ訓練の強行が極めて危惧されます。

全国知事会は、2018年7月の「米軍基地負担に関する提言」で、米軍機による低空飛行訓練などについて、「国の責任で騒音測定器を増やすなど必要な実態調査を行うとともに、訓練ルートや訓練が行われる時期について速やかな事前情報提供を行い、関係自治体や地域住民の不安を払拭した上で実施されるよう、十分な配慮を行うこと」、また「日米地位協定を抜本的に見直し、航空法や環境法令などの国内法を原則として米軍にも適用させることや、事件・事故時の自治体職員の迅速かつ 円滑な立入の保障などを明記すること」を求めてきましたが、真摯な対応は全くありません。

県において、県民の不安が全く払拭されていない実態を踏まえ、関係市町村と連携し、国及び米軍に対し、日米共同訓練の実施計画の詳細なる全容、オスプレイの飛行日程・時間・ルート等について直ちに情報開示することを求める行動を起こすべき時です。少なくとも、関係自治体の意向を踏まえ、機体の安全性が確立されない限り、飛行訓練の中止を求めるとする立場を鮮明にして国及び米軍に要請すべき時です。

 以上の観点から、下記事項について申し入れ、県において迅速かつ真摯な対応を図られるよう要請します。

 

 

1.MV22オスプレイが投入される日米共同実動訓練について、オスプレイの機体の安全性が確立されていないとの認識に立ち、県民の生命・財産を守り抜く観点から、訓練の中止を国及び米軍に求めること。

 

2.県及び県市長会、県町村会3団体による防衛省・環境庁に対する取り組みを踏まえ、国に対し、訓練の日程・規模等の内容及び投入されるオスプレイの訓練飛行日程・飛行ルート等の事前情報開示を強く働きかけるとともに、県民に対する説明責任を果たすこと。

 

3.日米共同実動訓練に際し、万が一の墜落事故等に備え、市町村と連携し危機管理体制を早急に構築すること。

 

以  上

 

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20201101 「沖縄にとって平和憲法とは」糸数慶子氏講演会

2020-11-03 14:31:21 | 憲法・平和・沖縄

すわ沖縄ゆいネット主催

20201101 「沖縄にとって平和憲法とは」糸数慶子氏講演会

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20201028 ラミレス駐日キューバ大使講演

2020-10-28 08:41:40 | 憲法・平和・沖縄

Videoconferencia sobre el bloqueo de EEUU contra Cuba

IFCCの鎌田さんからご案内をいただき、ラミレス駐日キューバ大使のお話をzoomで視聴する機会をいただいた。事前にご案内をしたので、私を含めて6人の方が一緒に視聴した。
アメリカのキューバに対する経済封鎖は、新型コロナ下で更に強化されている。アメリカ製品が10%含まれていればキューバへの輸出が禁止される。その被害は2019年で55億ドルになる。60年間のトータルで1500憶ドルになる。
キューバはこれまでにラテンアメリカを中心に医療支援を行ってきている。今回の新型コロナも派遣している。しかしアメリカの封鎖の強化でブラジル・エクアドル・ボリビアがキューバの医療支援を断った。自然公害・重大感染症緊急国際医療団「ヘンリ・リーブ」は2021年のノーベル平和賞にノミネートされている。医療器材のキューバへの輸出も制限されたので、キューバ国内で人工呼吸器を500台生産した。
封鎖は米国政府が歴史的にキューバを独立国として認めることしかできないことの表れである。二国間の問題ではなく第3国の市民と企業の利益を直接害しその権利を阻害している。キューバの社会経済の発展と国民の必要を満たすうえで最大の障害。外国資本のキューバへの投資要望を封じている。
 
以下質疑の様子です(提供:tarou yoshida)

質問 中南米機構、セラック(CELAC=Comunidad de Estados Latinoamericanos y Caribeños)は機能しているのかどうか。

大使 ここ数年、右翼勢力が伸びていてなんとか伸ばしたいと思っている。代表がメキシコだがポジティブ。ラ米の統合で進歩的である。

チリでは78%の国民がピノチェト時代の憲法を見直すことを望んでいる。昨年はアルヘンティーナで反自由主義の政権ができた。

ボリビアでも、モラレスの正統が圧倒的な勝利を治めた。来年のエクアドル選挙ではコレア元大統領の勢力が返り咲く見通しが強い。非ネオリベの政府を作る動きが高まっており、ラ米は革新の方向が広がっている。これはシラックがさらに強まるキューバはそれを望んでいる。

質問 経済発展計画で、改革が進んでいる。食料の自給化を軸にするプランが決まっている。これは非常に興味深い。

大使 食料の自給に重点をおいている。そのひとつが農畜産業と科学をつなげることだ。家畜の餌で遺伝子組み換えトウモロコシを始めている。また、通貨の統一、レートの統一で国内生産をさらに刺激することができる。第三が大規模農場だけではなく、街角の小さな畑や協同組合を活用することである。稲作生産も力を入れている。30万tの米を輸入をしているが、稲作では日本他から技術支援や機械の支援を受けている。食料輸入では20億ドルを使っている。なんとかそれを減らすことを努力目標としている。

質問 エネルギーでどれだけ打撃を受けたのか、それに対する政策は?

大使 普通は200万tの石油を年間使っているが、一番、厳しい3カ月は、使っている半分の石油で経済をやりくりする困難を強いられた。数年前にキューバは2030年までの社会経済開発計画を建てた。その中にはエネルギーも入っている。2030年までに24%を再生可能エネルギーに転換することとしている。メインは砂糖工場でのバガスである。ソーラパネルの設置も行っている。一般の市民にソーラーパネルの販売も始めている。電気自動車の提案もでている。電気で動く三輪車をタクシーに使うことはすでに始まっている。バスも電気とガソリンをミックスにしている。風力発電もいくつか設置している。家畜の糞でのバイオマス発電も考えている。

質問 欧州との関係がトランプ政権になってからも影響を受けているのだろうか。ユーロの労金が影響を受けているのだろうか。

大使 米国からは出せなくなった一部のルートはあるが支障はある。

質問 キューバへの投資意欲はあるのか

大使 16億ドルは外国の企業がキューバに投資しようとしている。

質問 外国人の渡航の時期は

大使 いい質問を、カナダ、イギリス、ドイツからの便が多い。本島ではなくリゾート便に直行便で来る。第二段階がバラデロビーチも解放された。11月にはハバナ直便もできる。キューバへの渡航が正常化するはずである。ただし、現在は、どこ経由かで、四つある。メキシコ、フランス、スペイン、カナダである。モスクワからも行ける。コロナも制圧し2月にはワクチンも製造が始まる。

質問 子どもや女性について知りたい。

大使 コロナのパンデミックでキューバは努力してきたがいつも柱になってきたのは、女性と子どもを守り抜くことである。患者の数も感染者も女性の方が男性よりも減っている。保育園も学校も正常化し、クラスターもどこも発生していない。女性とこども本位が政策の中でも柱である。国によって子どもが病気になってもアテンドしないことがあるが、キューバはそういうことはしない。10~12歳になると子どもは感染源になる。

質問 キューバのコロナ対策についてお聞きしたい。PCRの検査はどうしているのだろうか。

大使 PCRを1本やると50ドルがかかる。これは国家に費用がかかるが国民は無料である。すでに80万件実施している。それだけ国家に医療費がかかった。4000万ドルである。この数字をあげたのもどれだけコロナで経済的負担を受けているかを示したかったからである。

制圧に成功したのはコンタクトを探し出すことに徹したからである。誰かが感染したらコンタクトを全部調べ、先のコンタクトまで輪を広げ、そうやって感染者6,500人が出ている。PCRが80万件の述べたが陽性の100倍もやっていることになる。必要があればなんの困難もなく実施できる。

質問 日本は特殊な国になっていると思う。やらないようにやらないようにしてきたので。ワクチンはできているのだろうか。

大使 最初がソベラナだが、ソベラナ・ドスがいまできている。ソベラナは臨床試験の一層が終わり、第二層があり、来年1月には第三層ができる。臨床試験で問題が生じない限り、2月には一部のグループはワクチンを受けられる。60歳以上と医療関係者が対象となり、生産が進めば全国民に接種していくことになる。

ソベラナ・ドスは子ども用のワクチンになる予定である。

質問 国外、ラテンアメリカからも注文が来ているのではないか。

大使 日本にいてそこまではわからないが、ベネズエラとは協定が結ばれていたはずである。ラテンアメリカ保健機関には報告している。

質問 キューバから先々週返ってきた。2、3月からミンサップから注意のメールや熱、手を洗うかという注意があった。365日対応できるので健康を守るとこの半年、連絡をもらった。地域のコンスルトリオの医師と看護師が毎週のように訪問をしてくれる。こういう安心感はどこの国にもないのではないか?。具体的なところを私が経験した。また、4月にはホメオパシーだと思うのだが軽くてすむ薬を投与してくれた。それも医師が3日連続で投与してくれた。友人の母は1ペソでお弁当を2食、80歳の祖母の届けてくれた。キューバ政府は食べ物がたっぷりあることを示している。

大使 ご自分のキューバでの体験を共有していただいたことがありがたい。文章としてまとめてもらえると嬉しい。ニューヨークの友人ともここにいるのが世界一安全だと言いあっていた。

質問 キューバのヘンリー・リーブ医療団の派遣は非常に評価されるものだと思うが、米国の主張は各国に派遣された医療団のサービスは、キューバ政府がお金を搾取しているとアピールしていると聞いている。これについてきちんとした反駁がない。そのあたりがキューバ政府としてもある意味医療団の待遇を手厚いものにして、対外的にアメリカも含めて事実関係を説明、アメリカの言っていることをその都度否定していく努力が従来以上に必要ではと考えているが、いかがだろうか。

大使 ご意見に同感である。

質問 民医連で3度現地に行った医師である。医療を大事にしない日本でいくつか確認したい。ヘンリーリーブ医療団が2021年の候補になったというが間違いがないだろうか。

大使 そうである。来年の候補だが今からノミネーションが始まっている。

質問 米国の制裁でヘンリーリーブがブラジルから撤退を余儀なくされたとあったが、他にどこであろうか。

大使 エクアドルとボリビアである。

キューバから発信すると受け入れてくれていないが、ニューヨークタイムス等第三者が言ってくれると信じてもらえる。テレビ朝日がワイドスクランブルでコロナ対策を取り上げた。

大使挨拶

非常にたくさんに人に聞いてくれてよかった。大変にいい質問がでたし、キューバの現実をよく知っておられ関心を持っていることもわかった。有効なのでこれからも開催したい。新藤先生に改めて感謝をもうしあげたい。

 

・・・最大で全国から93人の方が参加し、講演終了後も活発な質問が出され、ラミレス大使は最後まで真摯に回答をし、最後に有意義な時間が持てたこと、次回も行いたいというお話をしてくれました。
 
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20201024 核兵器禁止条約発効へ

2020-10-25 08:35:41 | 憲法・平和・沖縄

■核兵器禁止条約50か国が批准

史上初めて核兵器を全面禁止する核兵器禁止条約を批准した国・地域が10月24日、中米ホンジュラスが新たに批准し、発効に必要な50か国に達しました。

条約は90日後の来年1月22日に発効します。核兵器を非人道兵器とする国際規範ができることで「核なき世界」に向けた新たな一歩としていかなければなりません。

批准を働きかけてきたノーベル平和賞を受賞した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)が24日、明らかにしました。

 核兵器禁止条約は2017年7月、国連加盟の6割を超える122カ国・地域の賛成多数で採択されました。条約は、核兵器の開発や保有、使用だけでなく、核兵器による威嚇、他国の核兵器を自国内に配備することなどを全面的に禁じています。発効から1年以内に締約国会議を開く予定で、オーストリアでの開催が有力視されています。

■進まない核軍縮への対抗措置

 現在の核軍縮・核不拡散の基盤である核拡散防止条約(NPT)は、米露英仏中の5大国に核兵器の保有を認める代わりに、誠実に核軍縮交渉を行う義務を定めています。しかし、米露間では中距離核戦力(INF)全廃条約が失効。来年2月に期限を迎える新戦略兵器削減条約(新START)は1年延長の可能性が出ていますが、米露双方で「使いやすい核兵器」とされる小型核弾頭の配備や開発が進んでいます。このような核軍縮が進まない現状に対する非核保有国の危機感が批准を後押ししました。

 核兵器禁止条約は締約国でなければ拘束されませんが、ICANのベアトリス・フィン事務局長は「発効すれば(核軍縮を進めるべきだという)強い国際規範が生まれ、核保有国も圧力にさらされる」と指摘しています。日本や北大西洋条約機構(NATO)加盟国など「核の傘」に依存する国が参加することが「最初のステップになる」と話しています。今後は、署名・批准数をどこまで増やせるかが焦点になります。

■被爆証言を核兵器廃絶への力に

 今年広島に原爆が投下されて75年目になる8月6日長野県原水禁の総会で、長野県原爆被害者の会藤森俊樹会長に「核兵器をめぐる情勢と私たちの課題」についてお話を伺いました。

 藤森さんは、2019年10月国連へ訪れた際、ボリビアの国連大使で国連総会第1委員会のヨレンティー議長に10,517,872筆の核兵器禁止条約批准を求める署名を提出しました

が、翌日高見沢日本大使にも要請しましたが、「交渉に参加することは困難だ」という立場を繰り返すだけであったそうです。

「新型コロナの影響で、原水禁世界大会や被爆者の国連への代表派遣などが中止となっているが、何とか今年中に50か国が批准できるようにがんばる」というお話でした。特にボリビアは8月6日に条約を批准しています。今年も4か国が8月6日に批准しています。

 また、被爆者の一人である今井和子さんは「被爆証言を続けてきたが、今の世界の動きに無力感を感じる。しかし、テレビでアメリカの若者の70%が核兵器に反対しているという世論調査の結果を聞き、『人種差別・地球温暖化・核兵器が陣減の尊厳を奪うもので同じだ』と聞き、『被爆者の証言を聞いて気が付いた』と話したことを聞き勇気をいただいた」と語りました。

■唯一の戦争被爆国である日本は参加すべき

被爆国の日本は、核軍縮の進展に向けて核保有国と非核保有国の「橋渡し役」を担うと表明し、核兵器禁止条約をめぐっては「現実の安全保障を踏まえていない」として、17年3月から始まった交渉会議にも参加しませんでした。

唯一の戦争被爆国である日本が核禁止条約の推進役を本来ならば果たさなければならないはずです。世論の力で、日本を核兵器禁止条約締結国会議に少なくともオブザーバーとして出席するよう訴え続けましょう!

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20200914 「イラクってどんな国」医療支援に携わって JCF加藤丈典さん

2020-09-20 19:31:00 | 憲法・平和・沖縄

20200914 「イラクってどんな国」

波田地区憲法学習会39回目は「イラクってどんな国」についてチェルノブイリ連帯基金(JCF)の加藤丈典さんからお話を聞いた。
 
JCFは、もともとチェルノブイリの原発事故による被ばくした子どもたちを助けるために活動してきたが、2003年以降イラクでの小児白血病の子どもたちを助けるために活動を開始した。
1981年にイラクにあった核施設を空爆したため、放射能が漏れた。イラク戦争でも空爆され、イエローケーキ(ウランの粉)が入ったドラム缶から被爆している。湾岸戦争で劣化ウラン弾が使われた。30万発使われたと言われている。加えて、米軍は対IS空爆で5265発劣化ウラン弾を使っている。
その結果先天的奇形が15%発生している。高濃度の放射能や水銀が検出されている。無差別攻撃の結果だ。いまだに除染はできていない。数千ケ所汚染地域があると国連はみている。悪性リンパ腫など多くの国民が亡くなってるが、その事実が最近分かってきたこと。
がんや白血病の治療はイラクではできない。医療費は予算の3%程度。イラク国内で治療ができるようにJCFは支援をしてきた。スンナ派は病院にも通えない。骨肉腫の疼痛があっても、その痛みに耐えながら死んでいく。
ISとの戦争が終結した後もミサイル弾で亡くなっている子どもたちがいる。
避難民が医療を受けられる診療所をJCFはつくってきた。少しずつ復興が進み、今年から小児白血病の治療にかかれる状況になってきた。
避難民・難民が920万人いる。イラクから医者も避難している。診断できる医者の育成。クルド自治区にあるブラッドバンクをサポートしている。
昨年10月大規模なデモが起こり、700人が亡くなり、2万人がケガした。原因は汚職と若者の失業率が高い。小学生がデモで亡くなった人の魂に祈りますという絵を描いている。
依然として米国とイランの対立の付けを払わせられている。絶望的だが、ガンと腐敗と戦う市民の対政府活動は続いている。
新型コロナの影響、イラクは保健はしっかりしているので、徹底封鎖をしようとした。最初は功を奏したが、解除後広がった。アラブ諸国の中でサウジアラビアに次いで2番目に多い。27,8万人、死者7,8千人。感染防具を送っているが、間に合わない。ブラッドバンクでも感染者が出ている。感染リスクが高いけれど献血を止めるわけにはいかない。血漿療法をしている。コロナから回復した患者の血漿を採取して治療に使っている。
イラクは大家族が多い。三世帯が一緒に住んでいる。宗教行事があり、密の機会が多いので感染が広がる。手洗いなどの習慣もないことも一因。病院に入れない患者は自分で酸素ボンベを買ってきている。
 
JCFの支援は続く。
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