「TPPはビジネス・チャンス」?
日本が、ここまでして合意を装いたかったのはなぜか。アベノミクスの成果が各地の一般国民の生活には実感されない(そもそもアベノミクスは一部の投資家と企業の経営陣のために円安誘導と株価の強引な引き上げを行うものだから、地域経済全般にはマイナスなのは当然である)のを覆い隠すため、TPP合意発表で明るい未来があるかのように見せかけようとした側面もある。しかし、ビジネス拡大のバラ色の世界が広がるかのように喧伝されているが、TPPがチャンスだというのはグローバル企業の経営陣にとっての話で、TPPで国民の仕事を増やし賃金を引き上げることは困難である。冷静に考えれば、ベトナムの賃金が日本の1/36という下での投資や人の移動の自由化は、日本人の雇用を減らし、賃金を引き下げる。端的に言うと、グローバル企業の利益拡大にはプラスで、中小企業、人々の雇用、健康、環境にはマイナスなのがTPPだ。そもそも内閣府などのモデルで失業が問題にならないのは、農家が失業しても、即座に自動車産業の技術者として再就職できるというような生産要素の「完全流動性」「完全雇用」を仮定しているからであり、米国のタフツ大学でも、この非現実的な仮定を排除した試算では、TPPによって、日本のGDPは、TPPがなかった場合よりも、今後10年間で、0.12%低下し、雇用は7万4千人減少すると推定されている。
日本が、ここまでして合意を装いたかったのはなぜか。アベノミクスの成果が各地の一般国民の生活には実感されない(そもそもアベノミクスは一部の投資家と企業の経営陣のために円安誘導と株価の強引な引き上げを行うものだから、地域経済全般にはマイナスなのは当然である)のを覆い隠すため、TPP合意発表で明るい未来があるかのように見せかけようとした側面もある。しかし、ビジネス拡大のバラ色の世界が広がるかのように喧伝されているが、TPPがチャンスだというのはグローバル企業の経営陣にとっての話で、TPPで国民の仕事を増やし賃金を引き上げることは困難である。冷静に考えれば、ベトナムの賃金が日本の1/36という下での投資や人の移動の自由化は、日本人の雇用を減らし、賃金を引き下げる。端的に言うと、グローバル企業の利益拡大にはプラスで、中小企業、人々の雇用、健康、環境にはマイナスなのがTPPだ。そもそも内閣府などのモデルで失業が問題にならないのは、農家が失業しても、即座に自動車産業の技術者として再就職できるというような生産要素の「完全流動性」「完全雇用」を仮定しているからであり、米国のタフツ大学でも、この非現実的な仮定を排除した試算では、TPPによって、日本のGDPは、TPPがなかった場合よりも、今後10年間で、0.12%低下し、雇用は7万4千人減少すると推定されている。