幼少の時、現在の伊那市高遠で過ごした中村不折の生誕150年を記念して、油彩画・日本画・書・本の装丁・挿絵などとともに、不折の収集したコレクションの一部も展示されています。場所は信州高遠美術館です。10月30日まで。
小雨降る渡し場の情緒
美術を新しいとか古いとか云うのはいみをなさぬと思います。びじゅつかは確固たる主義を以て画けば、新しいとか古いとか云うことはどうでもよいと思います。私は、今まで美術を表すということに心掛けて居りました。人物を描いても、山水を描いても、色とか位置とか組合せとかいふことは美術の1要素ではあるけれど一番表情を表すということが、私としては大切の事と思うて居りました。此度の小雨の渡しの画は、やはり小雨の渡しの情緒を表したいと思うて描いたのであります。(作者手記)※作者とは中村不折
信州高遠美術館は、桜で有名な高遠城址公園の南側に隣接しています。高遠城址公園の中にも不折の書がありました。石碑の上部に見えにくいが中村不折の4題字である。