小出裕章さん@松本市:憲法記念日(20170503)
暑い中お疲れさまです。小出裕章と申します。2年前の4月から松本市民になりました。それまでは、京都大学原子炉実験所というところで、41年間、原子力の研究をしてきました。私の世界では、皆さんご存知だと思いますが、2011年3月11日に、福島第一原子力発電所の事故というものが起きてしまいました。今日は憲法というとで、緊急事態条項というのが制定されそうで大変だという話がありましたけれども、実は福島第一原子力発電所の事故が起きたその日、「原子力緊急自体宣言」なるものが発令されました。日本は法治国家だとか言われていますけれども、原子力に関する限り、その日に、法令が全て停止されているんです。猛烈な汚染地帯に人々が棄てられてしまうという状態が6年以上経った今も続いています。マスコミが一切それを報道しないことになってしまって、みなさんほとんどお忘れになっているのですけれども、福島第一原子力発電所の事故は今現在継続中であって、この日本という国は緊急事態宣言下にあるという、そういう国なのです。そして、私は断言しますけれども、この緊急事態宣言は、これから何十年も解除することが出来ないという、そういう事故が今でも続いているということです。お忘れのないようにお願いしたいと思います。そして、もうひとつ、ひとつだけ私はどうしてもここで皆さんに聞いていただきたい。私は1949年生まれです。先の戦争が終わってから私は生まれました。しかし、私が生まれた後で実は朝鮮半島で戦争が起きているんです。1950年に朝鮮戦争が起きて、その朝鮮戦争は1953年に停戦協定を結びました。その停戦協定に署名したのは朝鮮民主主義人民共和国、そして米軍、いわゆる米軍、それから中国の人民軍です。大韓民国すらが署名をしていないという、そういう休戦協定が1953年に結ばれた。それ以来すでに64年間、朝鮮半島では戦争は終わってないのです。世界の支配者として、地球の裏側まで攻め込んで行って、勝手にその国を潰してしまうというような米国という巨大な国があって、膨大な核兵器を持って、膨大な軍隊を持っている国と、今朝鮮民主主義人民共和国という国が64年間戦争状態を続けているということなんです。朝鮮民主主義人民共和国は、とにかく平和協定を結んで終戦しようと言ってるのですけれども、それに米国は一切応じないまま、圧力をかけ続けると。それの尻馬に乗っているのがこの日本という国なのであって、今もアベさんがどんどん、どんどん「危機を煽る」というようなことをやっているわけです。朝鮮民主主義人民共和国がミサイルを撃ったら、東京の地下鉄が止まるという、、冗談を言わないでくれと。止めるなら原発を止めてくれと私は思います。デタラメなこの国で、マスコミがどんどん朝鮮戦争の「危機を煽る」というようなことをやっていて、アベ政権は米軍の尻馬に乗って、あらゆる選択肢がテーブルにある、「そうだそうだ、戦争だ」などと煽っているという、、、本当にあの、、どこまで愚かな国なんだろうと私は思います。みなさん、38度線ご存知でしょうか、南北の朝鮮を分けている線ですけれども、なんで38度線なんですか?38度線は、その北側は関東軍が支配していた地域です。南側は、大本営の第17軍司令部というところが支配していた、その日本軍の管轄の違いが38度線だったのであって、そこで朝鮮という国が2つに分断されたままずーっと続いているんです。一番責任がある日本というこの国が、とにかく朝鮮の分断を終わらせるという為に働かなければいけないのに、戦争を煽るということをやっている。本当に情けない国だと思います。以上です。