こんにちは「中川ひろじ」です。

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中村哲講演会アフガニスタンに命の水を~33年の活動報告

2017-09-06 02:01:49 | 活動日誌

2001年9月11日同時多発テロに対して、アメリカは首謀者と目されていたウサマビンラディンとアルカイダをかくまうアフガニスタンタリバン政権を空爆した。それ以前からアフガニスタンで医療活動をしていた中村哲医師はペシャワール会を通じて難民支援のため小麦と油を送るための支援を呼びかけた。私たち松本地区護憲連合も、この呼びかけに応えて松本駅前での街頭募金を行った。中村哲講演会が飯島町で開催され参加して以来となるが、今回少し遠かったが静岡市で開催された中村哲先生のお話を聞きに行ってきた。以下、twitterのまとめです。

アフガニスタンの諺「金がなくても生きていけるが、雪が降らなければ生きていけない」「今日はいい天気ですね」は、雨の日。

アフガニスタンは多民族国家「民族の花束」と言われている。地域の生活の柱はモスク。以前から格差と貧困が拡大している。最初はハンセン病の治療に入った。現地の習慣習俗を大切にしてきた。この40年間戦乱が続いた。ソ連アフガニスタン戦争で400万人が死んでいる。難民治療から診療所治療へ。山岳地帯にも診療所をつくる。ペシャワールから歩いて1週間かかる。ソ連は領土を広げれば返さないと言われていたが、アフガニスタンは、歴史的に征服されたことはないという誇りがある。

2000年に襲った干ばつは一つの村が突然消えていくという大干ばつだった。1200万人が被害をうけた。腸管感染症と餓死。100万人が餓死線上。きれいな水があれば救える命がある。枯井戸の掘削を始めた。600の井戸を掘った。井戸が難民の命を救い始めた。

そこへ2001年の同時多発テロに対する空爆が始まった。ペシャワール会が募金して、1800万トンの小麦と油を難民に配布した。当時の日本人はアフガニスタン戦争に対してアメリカを支持し評論家になっていた。実際は、女性・子供・高齢者がクラスター爆弾などの犠牲となっていた。現地で前線に立ってきたのは勇敢なアフガン人。タリバン時代にケシ畑がゼロになったのに、アメリカが勝ってから麻薬を売る自由と、売春をする自由が手に入っただけだった。

アフガニスタンでは三食家族と一緒に食べられればそれで幸せ。そこで地下水を利用したカレーズの再生を始めた。「100の診療所より1本の用水路を」合言葉に始まった。現地のもので現地の皆さんが人海戦術でつくり、そして維持していく方法で行った。日本の伝統的な土木技術が役に立った。洪水被害をうけながらも取水施設や貯水池、石出し治水、水車を導入。蛇籠で水路を固めていく。アフガニスタン人は石の熟練工。蛇籠の上に柳枝を植える。用水路が伸びるたびに人々の生活が復活していった。ガンベリ砂漠の用水は難関だった。難民の皆さんの熱意で通水した。マルワリード用水で15万が帰農した。アフガニスタンは戦争では滅びないが、温暖化で滅びる。急速な雪解けで洪水の頻発と干ばつが繰り返される。取水設備を広げてきた。洪水にも渇水にも耐えられる取水堰をつくった。現在では16000ha60万人が生きていけるようになった。これからは、これまで培った技術を広げていくこと。東部穀倉地帯の復活。地域から全国展開を目指している。

平和の基礎は、言葉だけではなく実行すること。

会場からの質問と中村哲先生の回答

Q「絶望を乗り越えてきた力は?」 中村「死ぬか生きるかの人を前にして投げ出すことは出来ない。28億円の募金で出来ている。裏切れない。」

「行政機関との関係は?アフガン人の願い1日3食食べることだが、日本は何を学ぶのか」 中村「公権力と地域の自治会と合法的に付き合う。実質は地元住民との直接的な対話の中で進めてきた。500人の作業員は武装部隊でもあり、安全も確保してきた」

「アフガン戦争での一方的な見方にどう考えてきたか?」 中村「敵をつくらないこと。平和の基礎は何か共通のことを探していくこと。イスラム原理主義者も国軍も村に帰れば一緒にご飯を食べている。」

「なぜキリスト教徒でありながらモスクを建ててきたのか」 中村「原始キリスト教の原型を保っているのはイスラム教だと感じている。人を裁くな。奥底に同じものが輝いていると思えば違いはない」

「蛇籠のアイデアや柳は?温暖化対策について日本でも活かせるか」 中村「見ようと思って見ると目についてくる。子供の頃川で遊んでいたことが役に立っている。日本でも金回りが悪くなれば蛇籠は役にたつ。」

「豊かになったアフガニスタンを、タリバンとかイスラム国の人はどう見ているか」 中村「皆んな農民のアルバイト先がタリバンであって、西側についていたり、アフガン人はイデオロギーを持っていない。土着のアフガン人は、私たちの活動に反対しない。」

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